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感想・レビュー・書評
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酔うためではなく、味わうための酒。難しいよなぁ。
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最近よく聞く「獺祭」の蔵元旭酒造(山口県)社長著。
父の死を機に戻ってきて、経営を。
最初から「美味しいと言ってもらえる日本酒」を作るっていうことだけに向かってやりきっている姿勢。
特に印象に残ったのは息子への言葉。
普通の会社の部下にも使えそう。
「まずすべてを受け入れて、丸呑みしてみろ」「しかるのちに、分析して今の旭酒造の強みと弱みを洗い出せ」「今の旭酒造の持っている弱みや欠点を否定し、そのうえで自分のやり方でやれ」「先代と同じことをやれば、先代(つまり私)のほうが絶対うまいから」
とりあえず山田錦(獺祭の原料、不足してるらしい)でも作ろうかな。 -
経営本よりも、日本酒の市場のおける健闘ぶり、前に進むための経営のことが学べます。日本酒好きであれば、読み応えがあり、獺祭は飲んだことがあるので、その思いをしりつつまた飲むのも感動です。
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獺祭のファンだったこと,地元の企業であったことから読んでみた。ざっくり分けると,前半が旭酒造の立て直しから獺祭を生産・販売するに至るまで,後半が海外展開に関するトピックでまとめられている。
前半の内容は,父から受け継いだ酒蔵で試行錯誤で改革をしていったことを語っている。これらの様子はちょっと前に読んだエリック・リース氏の「リーン・スタートアップ」でよいとされていることであり,著者であり,旭酒造の社長である桜井氏の商才を感じた。とにかく「ピボット」のタイミングと決断が優れている。
びっくりしたのは,獺祭が杜氏さんの手でつくられているわけではないということ。ファンであるけど,お恥ずかしながら知らなかった。獺祭は徹底的なデータ分析や試行錯誤によって生み出されたものなのだそう。私自身は工学系分野に身を置いているので,このようなものづくりは非常に好きである。今度,酒蔵の見学にも行ってみたい。
本書は,あくまで淡々と書かれてはいるが,ひとつひとつの経営判断がどれだけ大変であったかを想像すると,感嘆せざるを得ない。最後に,この本についての数少ない問題点は,読むと猛烈に獺祭を飲みたくなるということだ。