ガラシャ(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 細川ガラシャと言えば、奥さん大好き過ぎてヤンデレこじらせた夫の忠興に歪んだ愛情をこれでもか、とぶつけられて、石田三成に攻め込まれたときに、キリスト教徒なもんだから自殺はできないので家臣に槍で自身を貫かせて亡くなった、というぐらいの知識しかなかったんですが、なかなか史実を基に上手く練り上げられた悲愛ストーリーになっている。

    惜しむらくは、タイトルにもなったガラシャよりも、侍女の「糸」の心情があまりにも多く描かれているので、なかなかガラシャに共感しづらい読者が多いのではないかということ。
    ですが、衝撃のラストまで持っていくにあたり、こういう風に描き続けるしかなかったのかな、とも思います。
    ネタバレは避けますが、まさにガラシャと糸は表裏一体、といったところでしょうか。

    Amazonのレビューを見ると「ガラシャに共感しづらい」という方が多かったのですが、上記のことを踏まえると、史実をベースにうまく想像の翼を広げて描かれた恋愛小説だと思います。

    文章が美しく、サクサクっと読みすすむことが出来ました。
    歴史が好きな方、史実にこだわりのある方だとちょっと…かもしれませんが、ワタシ個人は面白く読めました。

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著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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