無知の涙 (河出文庫) [Kindle]

著者 :
  • 河出書房新社
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感想・レビュー・書評

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  • 厨二病のイタいノートを読んでいる気分。長くて全部読めない。

    小説と言うよりは詩集のような感じのノートへの殴り書き、および手記。そのセンス云々はともかく、「あり(蟻)」は良い詩。作品的にはSNSで病んだ時に書くポエムやエッセイに近い。
    他にも論考やら歌詞のような文もある。

    ありとは 小さき虫ありとは 一匹にして可愛いく 多数にしては 気味悪いものである 人間にも同じ意味の 何かが有る 何かが──

    獄中での日記をそのまま書いているような、夢日記的な手記もある。また俳句もあるが、季語が無く川柳。
    本人は無神論者のようだが全体的に神頼み的な、文章が多い。犯罪者の懺悔のような手記という印象。

    「死のみ考えた者がいた」や「言葉と水の異なった中の自分」のように章があるような書き方だが、ノート1冊、2冊にタイトルをつけている感じで、内容はずっとフリースタイルな手記が続く。ある意味これが小説として通用するのか。書き手自身が主人公となるのか。

  • 死刑囚永田則夫の手記を書籍にしたものである。500ページ以上ある大著である。あとがきで秋山駿が大学の文学の授業に使っているというが、現在では使うことができるかどうか、この大著が扱えるかどうかが不明である。
     改訂版と以前の版と異なると書いてあるが、どこが異なるかは本文でよんだだけではわからない。
     犯罪のことは書かないと最初に明記しているが、犯罪の原因を探してしますのは人情であろう。

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著者プロフィール

1949年、北海道に生まれる。
1965年、青森県の中学校を卒業後上京、職を転々とする。
1968年、4件の連続殺人事件を起こし、69年に逮捕。以後、獄中で思索や創作活動を開始する。83年、小説「木橋」で第19回新日本文学賞受賞。
1990年、死刑判決が確定、97年、東京拘置所で死刑が執行される。

主な獄中記に、『無知の涙』(1971、河出文庫=1990)、『人民をわすれたカナリアたち』(1971)、『愛か―無か』(1973)など、
主な小説に、『木橋』(1984、河出文庫=1990)、『捨て子ごっこ』(1987)、『なぜか、海』(1989)、『異水』(1990)、『華』(1997)などがある。

永山子ども基金 https://nagayama-chicos.com/

「2023年 『捨て子ごっこ 永山則夫小説集成2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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