「甘え」と日本人 (角川oneテーマ21) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • この本は、古典的名著である「甘えの構造」の著者である土居健郎さんと齋藤孝さんの対談本です。
    アメリカには、「甘え」という言葉がなく、言葉がないので甘えという概念がないということが書かれており、非常に驚きました。
    日本人にとっては、「甘え」は生まれたときからあるもので、あって当然だとおもっていたので、日本人特有の概念というのは、めちゃくちゃ驚きました。
    とてもいい本でした。
    ぜひぜひ読んでみて下さい。

  • 語り口調で非常に読みにくく、2割程度で挫折。土居健郎先生の他の本を読んでみよう。

  •  「甘え」という概念を軸に、世間の変化や傾向などについて、土居先生と齋藤先生が議論する本。
     「甘え」は自然の摂理として動物の中ですら存在しているが、「甘え」という言葉自体は日本にしか存在しない。そのことに気づいた土居先生が「甘え」という概念を中心に考察した日本人の分析は、非常に興味深く面白い。『「甘え」の構造』という土居先生の著書に感銘を受け、「ファン」だと言う齋藤先生もさすがの考察。
     自分の人生の中で「甘え」は重要なキーワードの一つのはずなのに、なぜもっと早く読まなかったのだろうと思うような内容だった。ただし、これまでの自分の中の「甘え」は、この本の中でいう「甘ったれ」に当たるマイナスのものだったので、一概にキーワードを以て同じように語れないのだが。この本の中では「甘え」とは、タイミングを見計らって懐へ入り込む技であり、高度な判断力が必要とされる、とポジティブなものだと扱われている。言われてみればなるほどその通りで、末っ子がよく言われている「甘え上手」とはまさにこの概念であると納得した。
     「甘え」を表現する言葉が日本にしか存在しないのは、それが本来ノンバーバルな概念だから、というのもすごく納得した。現代は様々なコミュニケーションツールがあるが、それらはほぼほぼバーバルコミュニケーションを行うものであり、それらが昔はノンバーバルで行われていたものを排除してしまっている部分があると思う。その分、体験・実感する機会が少なくなり、それらを表現する言葉も貧弱になっていっているような気がした。同じようなことがこの本の中にも記されているが、それらを読んでこう感じた。
     面白かった。『「甘え」の構造』も読んでみようと思う。

  • ・甘え上手は相手との距離感をうまくつかみ懐に飛び込む動物的反射神経、他者理解とレスポンス
    ・良いことと悪いことが良心的な問題ではなくイデオロギーで区別されるのが現代の風潮
    ・良心の問題は個人の問題、人間が自由というのは良心の自由に基づいている。だから人間は良心に従わなければならない。
    ・個人部屋があると必要のあるときにしか接さない、会社みたいになる
    ・権利と権力と権威
     いまは学生の方が、世話される方が権利をたくさんもっている。
    ・むかつく=疲れたorエネルギーが余っているのかの区別がある
    ・読書=すぐに役立つという形もあるけど、ウイスキーのように何年物という熟成がある。
    ・読書で語彙が増えると心と言葉の距離が近くなる。モヤモヤとそれを説明する言葉のズレが少なくなる。思い通りに身体を動かせるスポーツ選手のような爽快感
    ・甘えさせてもらう代わりに元気をお返しするという関係が成立していた

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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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