問いかける技術 ― 確かな人間関係と優れた組織をつくる [Kindle]

  • 英治出版
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感想・レビュー・書評

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  • 「謙虚に問いかける」ことの重要性を説く一冊。

    マインドフルネスやアンラーニングにもつながるこの姿勢が大切なものであるというのは、2019年現在においてはある程度当たり前のものだと感じられる。
    しかし、謙虚に問いかけることがあたり前にできているかというと、そうではない。
    文化的背景だったり、認知の歪だったり、様々な理由から「謙虚な問いかけ」の実践は難しくなっているのだという。

    ジョハリの窓、傾聴、こういった概念を知識として身につけ行動に移す。そしてなにより、心から相手に興味を持ち、耳を傾ける。そういう人に、私はなりたい。

  • 本書は「謙虚に問う」ことの大切さを述べたものである。
    どう問うのか。何を問うのか。これらの書籍が以前出版されていた。ワークショップやファシリテーション界隈でも話題になっていた。しかしそれ以前に大事なことがある。それがといかけること。そして、その態度としての「謙虚さ」である。
    傾聴が大事。すばらしい。これはよくきく話である。その有用性を別の角度で見た。それが本書である。なるほど「謙虚」これは失念していた。

  • 書いてある内容は「言うは易く行うは難し」だと思いました。
    自分ではできているつもりでも第三者の評価ではできていない場合が多いのだと思います。

    自身の言動に気を付け続けるための良い気付きを与えてくれる本だと思いました。

  • 結局「謙虚に問いかける」だけを一貫して言い続けている本だった。
    しつこいぐらいに繰り返し述べられているが、それだけ「ほとんどの人が出来てない」ということなのだろう。
    上司になればなるほど「謙虚さ」を発揮することが難しくなる。
    権力を手に入れたことによる驕りもあるだろう。
    実際に周囲からもてはやされることもあるだろう。
    案外と人間は権力が好きなものだ。
    それは自分が権力を持つか持たないかだけでなく、権力にぶら下がる人たちにも言える。
    自分を守ってくれる上位の権力者が、他者に対して益々強い権力を持ってもらうことは、実は自分の生存にとって有利だからである。
    これは一見矛盾する行動のようであるが、実体験としても納得ができる。
    親分が強いことは子分にとって都合がいい。
    むしろ弱い親分ではいつ他者からの侵略に屈するかの不安が付き纏うために、
    都合が悪い。
    だからこそ部下は強い上司になってもらうべく、その上司を持ち上げる。
    上司はそんな状況に益々疑いを持たなくなっていく。
    他者からの侵略が見えないとしても、部下が上司を煽てる方向に行ってしまうのは、人間の本能なのかもしれない。
    強い上司に目をかけてもらえれば、自分も出世する可能性が高まったり、権力の一部を手に入れることにつながるからだ。
    それが益々上司の驕りを助長させる。
    しかしながら、それらの関係性は実は崩壊しつつある。
    今の時代、社会の中の人間関係は「親分子分」「上司部下」の関係が薄らいでいるからだ。
    それは閉じられたコミュニティで完結していた時代から、オープンな解放された状態に変化しているからに他ならない。
    仕事は益々プロジェクト単位となり、部門の壁を超えて越境し、何なら他社のブレインと合同で行うことも増えている。
    所属するコミュニティによって上下関係が入れ替わるために、自分の権力を誇示することに全く意味を成さないのだ。
    特にコミュニティ内に明確なミッションがあるのであれば、その中でリーダーになる人は、そのミッション達成に一番「向いている人」になるはずだ。
    必ずしも部長だからどんなプロジェクトもリーダーになれる訳ではない。
    こういう状況変化があるのだから、上司は益々権力を誇示しない方がいい。
    狭い範囲での上司部下の関係という序列に甘んじていると、別のコミュニティでは立場が逆転してしまうことが発生する。
    特に今の社会の状況では、今まで部下だった若手に抜かれ、上司部下が入れ替わることなんてこともザラにある。
    だからこそ謙虚になることは、生存戦略上も正しい行動だ。
    最近は「上司になりたくない。出世したくない」という若者も多いらしいが、それも納得は出来る。
    もう一つ「問いかける」だ。
    「今は正解が社会に溢れている」とは、ある研究者の弁だ。
    正解を出すことにあまり意味がなくなっていることにどれだけの人が気が付いているのか。
    それは、正解を出そうとすればするほど、全員が同じ正解にたどりつき、コモディティ化するということだ。
    こんな矛盾の罠から我々は実は抜け出せないでいる。
    今は「問題・課題」を発見することの方が価値があるのだ。
    この問題の本質は何か?
    やはり他者とのコミュニケーションの中で、対話をしながら探っていくしかない。
    もしくは旅に出て、違う文化に触れて見つけていくしかない。
    実は「問いかける」がその一歩なのだ。
    他人に問いかけているようで、実は自分自身にも問いている。
    「なぜ?本当にそうなのか?」
    謙虚に問いかける技術は、今の時代は特に必要かもしれない。
    (2021/9/1)

  • 購入検討

  • 信頼関係をつくるための姿勢。今ここで必要な謙虚さ。課題解決を優先し、自分から話すことに慣れている文化のなかでは、目の前の相手をひとりの人間として関係を築くために、意識的に必要な謙虚さと言えるかもしれない。

  • 「謙虚に問いかける」について、社会で重要となることの背景から、問いかけの例などが挙げられています。

    自身なりの要点は、「自分を弱い立場におく」「相手に関心を持つ」「主張したくなったり、カッとなったりするときに、自他に問いかける」でした。

    「主張」や「傾聴」のどちらともないこの手法(あるいは姿勢)は、ファシリテーションやマネジメントにおいて関心が寄せられるだろうと感じました。訳者の金井先生も書いていますが、日本人には入りやすいでしょうし。

    そういえば、「謙虚に問いかける」は、本当に成熟している人(鷹揚とした人)が実践していますね。

  • Humble Inquiryの邦訳版。英語でよく分からない表現や、喩え話が出てきたらこっち読んでた。

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