0.5ミリ [DVD]

監督 : 安藤桃子 
出演 : 安藤サクラ 
  • TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
3.62
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  • (8)
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本棚登録 : 237
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988101183197

感想・レビュー・書評

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    長い。。。
    でも面白かった。
    最初のビデオ屋のおじいちゃんと、坂田のおじいちゃん辺りまではサクサクっと。
    以降、少しずつ中だるんできたかと。
    こうやって高齢者のお宅に入りこんでいくんだなあ。
    安藤サクラはめっちゃ色っぽくて、いい奴で、でもちょっと悪くって、憎めなくて、笑顔最高。

  • お金も家も家族もない、根無草のおしかけヘルパーのサワが、ワケあり老人宅に転がり込み居座っては、転々としていく。

    始終淡々と過ぎていく中で、ものすごく奥が深い長編映画で、ナニモノか自分でも分からない感情がしっかりと残った不思議な作品だった。

    安藤サクラ演じるサワの、どことなく冷めた気怠さと、どんな老人たちにも無条件で尽くす健気さと、どこかほんのりあたたかい優しさ。

    「生産性のない人間の、生産性のない生き様」

    お金とかではなく、何かしら見返りとかもなく、恋愛関係とかでもなく、ただ誰かと一緒に暮らし、身近に関わって生きるということ、たとえ、そこに生産性や何かしら深い意味がなくても、誰かの生きる気力や原動力になったりする。人間の不思議。
    0.5ミリという距離は、人と人との間に静電気が生じる距離らしい。近付いて関わって何かしら反応が起きる。

    老いることの現実。
    貧しくとも丁寧な食生活が印象的だった。
    生きるとは、衣食住の繰り返し。
    誰かと衣食住を共有することで生まれる何か。

    最後のほうで、最初に出てきたワケありの少年とサワが再会する。
    母親は自殺し、火事で祖父と住まいを失い、根無草となった、言葉を話せない引きこもりの読書好きの少年。
    実は、少年ではなく、思春期の女の子だった。

    ずっと「母親に見捨てられた」と傷ついていたけれど、実は母親は、祖父から娘を守るために、娘を少年として育て、祖父と一切関わらせないように、自分と同じ目に合わせないように、自分や娘の代わりにサワを祖父にあてがい、最後まで懸命に家族を守っていたということを知る。

    錚々たる俳優陣の中でも、引けを取らない安藤サクラの演技は、モンスター級。
    更にすごいのは、この作品自体、才能豊かな安藤サクラファミリーによって作られた家族作品であること。

    原作・監督・脚本は、姉の安藤桃子。
    エグゼクティブ・プロデューサーは、父の奥田瑛二。
    フードスタイリストは、母の安藤和津。
    俳優陣では、義父母の、柄本明と角替和枝も出演している。
    「なんて作品なんだ」「奥が深過ぎる」

    だらだらと長い作品ではあるのだけれど、もう一度見返してもいいなと思えるのは、いい作品である証拠。

    自分がもっと年を重ねてから、見直したら、また今と違った受け取り方ができる作品だと思う。

  • とにかく安藤サクラさんが、すごい。少しのやさぐれ感、優しい笑顔、悲しい顔、全てが光ってます。井上竜夫さん、坂田利夫さん、津川雅彦さん、柄本明さん。いいです。特に坂田さん、すごくいいです。

  • 長い!半日使わんといかん。安藤サクラは最高だけど、長すぎる!主に3つの大きなストーリーがあって、間にちょこっと他の話が挟まったり。介護ヘルパーのサワは通っていた片岡家で事件に巻き込まれ仕事を失う。年寄りにうまくつけ込んでその家で家事をしながら住むところを提供してもらう日々を繰り返してしていたが、偶然片岡家のマコトに出会う。これが最初の片岡家との話に繋がるのが、良かった。坂田利夫や、津川雅彦が素晴らしかった。津川さんが認知症の先生役で一人語りをするところ!同じところに話が戻っていく感じ、素晴らしかった!やはり名優だと改めて思いました。でも、やっぱり長いよなー。

  • 長い。訳分からん。
    何がしたいのよ。
    普通に再就職したらよろしい。
    人の弱みに付け込んで、人の家に転がり込んで、人の財産で衣食住を賄って。

    一緒に寝てあげて欲しいっていうのも意味がわからない。闇がラストに明らかになるかと期待していたが、中途半端でグダグダ。
    女子だったことに驚いた分、察するしかないのがモヤモヤ。

    0.5ミリでも合わされば大きな力になるというところが見せ場かな。

  • Amazon prime視聴

    映画三昧22作目

    介護ヘルパーが、仕事を失い
    出会ったお年寄りに押し売りのように介護する。

    でも、どちらにも必要な相手だったように思う
    色んなお年寄りたちと共に暮らし
    その人生を少しだけ良い方へ変えていく印象

    心を閉ざしていた、最初の家のあの子
    同じタイミングで人生を変えるものに出会ってラスト

    深い映画…なのかな

  • 良い。酔って見てたから見直したい。

  • 長い。。。兎に角、長い。。。3時間超の映画で途中、中だるみもするのですが、最後まで観て下さい。
    内容なのですが、高知県内で介護ヘルパーとして真面目に働いていた山岸サワ(安藤サクラさん)は、訪問介護先でのトラブルが原因で派遣元を解雇され宿無しとなってしまう。サワは宿を確保する為、困ったお年寄りやトラブルを起こしたお年寄りに付け込み、半ば強引に居候する事に成功する。住処を転々とする中、解雇された原因を作った訪問先の住人・マコト(土屋希望さん)と再会。マコトが一緒に住む佐々木健(柄本明さん)と3人での生活が始まるのだが。。。衝撃の事実とそれに向き合うサワの生き様を観て下さい♪

  • 2021/2/7
    面白いが長い、長いが面白い。

  • アホの坂田が全然アホじゃないと思った。演技力。
    少女とうどんを食べるシーンが残ってる。色んな角度から観れる映画だからもう一回見直したい。安藤サクラやっぱり心底好き。

  • ボクにとってのいい映画とは、良い意味でも、悪い意味でも心が揺さぶられるか、考えさせられるかという点だけです。

    この映画は、なんとなく安藤サクラ主演というだけで観ました。派手なアクションや強烈な出来事は起こりませんが、淡々と安藤が演じるサワに何故か引き込まれ、安藤の行動に考えさせられました。

    年老いた男は寂しいのが自然なのだと思いますが、一人一人その寂しさの度合いは異なり、サワが微妙に距離感をはかりながら接していく姿に人心掌握のヒントがあったようにも思えました。

    人は感情剥き出しではなくても、誠実であることで、その周りの人間にも影響を与えるのだと思ったし、それ以上に、やはりいろんな人がいるから社会は面白いのだとも思いました。

  • 退屈はしませんでしたが、心揺さぶられるようなことも、心地よい余韻も特にありませんでした。

    坂田利夫さんがよかったですかね。

  • 「今を生きる」

    出会う人によってその時々に人生のテーマが変わるような気がします
    よほどの人嫌いか無人島の住人でもなけりゃ何らかの形で人と関わりがあるものだしその中でも自分の人生に多大なる影響がある時だってあるでしょ
    今は自由に何処へでも行けてなんでも出来て未来を選べる時代
    そうではなかった頃に比べれば幸せな事なのかも

    自由すぎる時代の中で人と人が付き合うのはとてもたやすくそして難しい
    上っ面で付き合うならそれもいいけどそれだけじゃ寂しいけど本音を語れる人はそうは見つからない
    相手との距離がどれほどなのか目に見えれば楽だけど人付き合いで楽なんでしたらあとあと泣きを見るかもね
    パーソナルスペースがある程度の見極めになるでしょうが人付き合いの関係はそうでもない
    心と心の距離なのだから日本と海外ほど離れていたって0.5ミリってことだってあるでしょ
    「息がかかるほど側にいてほしい」って歌ったのは誰だっけ
    子供の時には分からなかったな
    面白い映画でした。

  • 長い、けど苦痛なく観れたからすごい映画だと思う。それだけ。マコトはびっくりしたなー。ラストが少し毛色の違う感じで戸惑う。けど町から町へ、人から人へを繰り返すサワちゃんが切なくて綺麗、マコト役の子も綺麗だったな

  •  主演が安藤サクラ、監督・脚本がサクラの実姉・安藤桃子、エグゼクティブプロデューサーが奥田瑛二、映画に出てくる料理のフードスタイリストは安藤和津という、奥田ファミリー総出で作られた作品。

     邦画の映画賞総ナメ、昨年の『キネマ旬報』ベストテンで邦画2位、各紙誌絶賛の嵐……な映画。
     なので期待したのだが、私にはつまらなかった。

     介護ヘルパーのヒロイン・山岸サワは、「家なし・職なし・金なし」の状況に追い込まれたことから、街で探したワケあり老人の家に入り込んでは「押しかけヘルパー」となる。何人かの老人とサワのふれあいを描く、風変わりなロードムービー……という趣。

     面白そうな設定ではある。だが、「悪意なき木嶋佳苗」とでも評したいヒロインの行動に私はまったく共感できなかった(いったい何がしたいの?)し、何よりダラダラ長すぎる。なんと196分! 3時間以上もかける必然性が、この映画にはないと思う。これがもし100分以内の小品だったなら、気持よく楽しめただろう。

     部分的にはいい場面もあるし(坂田利夫の演じる独居老人は出色)、女優として安藤サクラはいいのだけれど。

  • 2018.05.26

  • 3時間の中に、いくつものストーリーが濃縮されていて見終わったら放心状態。

  • お風呂でお湯をバシャバシャ叩く津川さんが可愛いところ。
    義母の次は義父。エンドロールで続く肉親の名前。
    サワちゃんはこれからどうやって暮らしていくんだろう。

  • 料理上手な介護ヘルパー「サワちゃん」がとある複雑な家庭に関わったために一夜にして職と行き場を失い、ワケありなじいちゃんを見つけては家事をやるから置いてくれと綱渡する生活に。
    それぞれ歴史を持つ寂しい3人のじいちゃん達が良い。元教師で海軍にいたじいちゃんが最後に熱弁する戦争反対の台詞にとても力がこもってた。
    最後の最後で、2番目に登場したじいちゃんの大きな感謝の気持ちにサワちゃんと共に泣かされる。
    最後に最初の家庭の問題を回収したのがよかった。あの子は冒頭で自殺したお母さんがスケベじじいから守るために男装させてたとかそんなの?

  • 最後が最後なだけにちょいと不消化ですが、好きだなあ。

    安藤サクラのまたもや体当たりな感じと、特に坂田さんには胸を打たれた。
    ユーモアたっぷりで、憎ったらしくて、それでいて訴えかけてくる。
    ありがとうございました。

  • 結論。おじいちゃんは、尊い。

    世の中に、こんな風に過ごしている高齢の方が何人もいるんだろうな〜と思うと、、、

  • 2016/06/19
    安藤サクラじゃないと成り立たない映画。
    生と性が生々しくて、重くて。

    私もあんなお料理上手になりたい。

  • 序盤からハードさとこっけいさがとっても好きなバランス。

    老人含め、出てくる人何かしらしてくれそうで
    3時間あっても飽きない。
    坂田利夫、とってもいいなぁ。

  • 安藤桃子監督、安藤サクラ主演の安藤姉妹作品。

    もう色々なところから絶賛の嵐でかなり楽しみにしていた映画でした。

    安藤サクラの演技も当然素晴らしかったし、体当たりの演技を全く苦にしないところが
    彼女のすごいところだと思う。
    がく普通にその辺にいる女性、その辺にいる女の子を演じさせたら
    安藤サクラ以上の女優はいないんじゃないかとすら思えています。
    でもそんな女の子だからこそ、内に秘めた狂気が表れてきたときに姿は
    本当にインパクトがあります。

    彼女に押し換え介護をされる老人たちの演技も素晴らしい。
    アホの坂田さんがこんな自然な演技ができるなんて衝撃でした。

    本当に個人的な好き嫌いの問題ですが
    189分はやっぱり長いなぁ~
    2時間で終わってくれればこんな名作はないと思いましたが
    1時間分だけだれた感じが自分はありました

  • とりあえず安藤サクラ、な映画。
    老人をめぐるロードムービーとでも言おうか。
    様々な現代病理を浮き彫りにする狂言回し役として安藤サクラは存在する。そしてその存在感は唯一無二だ。
    津川雅彦が正気を失って語る長回し演技も圧巻。

    ただ、尺が長すぎる。
    エピソード詰め込みすぎ。結果として、最後はテーマがぼやけてしまった感じ。
    柄本明のエピソードいらなかったのでは?と思ったり。

  • 3時間越えの映画を久しぶりに観たと思う。

    主人公の女性は介護士をしていたが、職を失ってしまい、罪を犯そうとする老人を発見しては脅して家に住み込む。最初は嫌がられるものの、料理上手で世話焼きな彼女を最後にはみんな好きになってしまう。

    最初は彼女の生きかたや、行動に嫌気がさしていたものの、観ていくうちに惹きつけられてしまう、とっても不思議な映画だった

  • こ、これはっ!!すごい姉妹ですな( ゚Д゚)
    私も介護経験者ですが、奥田家も介護経験者。これは、経験者じゃないと、わからない気づかない、切ない苦しい助けのない世界を切り取った、すごい映画。
    今後も、この二人から、目が離せない。

  • 押しかけヘルパーと老人たちということで、スキだらけの老人の諸相と関係が面白いのだけど、とにかく長い。テレビで連続ドラマにしたらちょうどいいような気がしたが。後半は完全にだれてしまった。
    主人公は狂言回し的役割で少し感情移入させないところがありそれも飽きてしまった理由。役者たちは皆怪演でした。 キネ旬2014ベスト2 映画芸術2014ベスト2。

  • うーーーむ微妙ーーーー。
    「後妻業」がいろんな妄想をかきたてつつ社会問題化しているなか、別に財産目当ての妻の座狙いというわけではなく、ただ単に独居老人の家をわたりあるく「さすらいのスーパー家事労働者」物語・・・だったら面白かったんだけどね。男の妄想とはまた別のかたちで妙なオンナの物語をはりつけてくるので、非常に困惑してしまうわけです。
    主人公のサワは介護のプロとして登場する(安藤サクラの介護っぷりはまさにプロ並みのうまさ!)にもかかわらず、派遣先の主婦から、義父との「添い寝」という、性的部分を含んだサービスをもちかけられたことをきっかけに職を失い、高齢者男性の家を渡り歩くことに。
    持ち家プラスある程度の金銭収入はある単身高齢者男性と、あらゆる世帯内労働を一手にひきうけるサワとの共同生活から、何を引き出して見せるのかというのがこの映画のミソなわけで、社会の中心的な生産労働の価値観から外れた人びとが生存資源をくみあわせて共同生活を営んでいく物語にもできたはず。
    なのだけど、途中でサワが自ら「妻です」と名乗るように、介護も家事も完璧にこなしながら、賃金を受け取らず、むしろ老人たちのもつ金では不足する生存資源を自らの労働で補う彼女の働き方は、まさに「妻」とよばれてきた家内無償労働者に近いわけです。すぐにでも雇ってもらえる腕をもちながら、無償の労働をあえてサワの動機は何なのか、なかなか見えてこない。
    そういうなかで主人公が意味ありげにつぶやく「私は女じゃない」という台詞が、まさか子宮がないという意味だったとは・・・。そりゃいくらなんでも陳腐すぎだろと思うけど、自分はオンナとして欠落があると認識しているという女が、歴史的にオンナに押し付けられてきたものを敢えて引き受ける物語って、ほかにどう解釈したらよいのか。
    さらにここに、冒頭でサワを自分の身代りに義父の性的対象に差し出したあと自殺してしまった主婦が遺した子どもが絡んでくるわけですが。どうやら義父から母親が受けていた家庭内性暴力ゆえにトランスジェンダーを強いられてきた子どもに、その母親の被害を象徴する赤いドレスを着せて女に戻す、って、いったいどういうことなのよ?
    サワちゃん面白いキャラクターなので、過剰な女性性が前面に出てくるまでは、老人たちとの共同生活をわりと楽しんで見られたのだけどな。特に、津川雅彦のエピソードの最後で、ボケた津川が延々と戦争の話をくりかえすロングショットはかなりの迫力で見ごたえあり。あそこで終わってくれてた方が、わけわかんなくても、たぶんここまで不快な気持で観終わらずに済んだだろうと思うのですが。

  • 自分には遠い話だと思いたいけど、遠くもない話。おじいちゃんとの出会いを通したわらしべ長者的な感じ。お父さんの介護に疲れて首をつってしまう女性から赤いワンピースをもらい、カラオケで一夜を共にしたおじいちゃんからコートをもらい、詐欺にあいそうだったおじいちゃんから車をもらい、プライドの高いおじいちゃん先生から言葉をもらい、そして真には正しい性を与えて赤いワンピースを着せる。さわが最後に掴んだものは100万円と目には見えない大きなもの。同じ時代に生きる違う時代の人たちから、いろんなものをもらったように感じた。

    「人の心は僅かばかりしか動かすことはできないが、その0.5ミリが重なることによって山をも動かせる。これが革命の始まりである。この心が日本人に残っているだろうか。」

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著者プロフィール

1982年生まれ。ロンドン大学芸術学部を次席で卒業し、ニューヨークで映画作りを学ぶ。’10年、監督・脚本を務めた『カケラ』でデビュー。同作はロンドンICAと東京で同時公開された。’11年初の書き下ろし長編小説、『0・5ミリ』で作家デビューし、自ら映画化も手がけた。



「2018年 『変愛小説集 日本作家編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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