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感想・レビュー・書評
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最近近所で中国古典が流行ってたので、いつかに積んでたのを。老子と孫子を「水」という主題を持たせた上で、それぞれさらにいくつかのサブテーマごとに語って比較するという話。孫子はともかく老子はさっぱりだったので、なんとなくわかったのはよかった。個人的には学びを否定するという一点で相容れない感じだが。孫子はある程度感じはわかるので特に。
読みやすいが薄い本で物足りなさは残る。あと、事例として三国志正史の方じゃなくて演義の話を持ち出すのはどうなのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
- 『孫子』は兵書でありながら、戦うことを勧めたり、何が何でも勝ちを目指そうということを言ったりはしていません。むしろ、できれば戦争は起こさない方がいいということを説いています。これは『孫子』全体を貫く戦争観です。 そして、やむをえず戦争を起こさなければならない場合も、できるだけ短期で切り上げることを推奨しています。
- 最上の勝ち方とは、スパイの画策や謀略によって勝敗を決することである。これはまさに、「戦わずして勝つ」の極意だと言えます。二番目は、目に見える外交交渉で決着をつける。これも武力は使いません。ようやく三番目、それでもやむを得ない場合は、兵力をもって交戦する。一番下手な戦いとは、相手が籠っている城を攻めることだと言います。
- 一見すると、百回戦って百回勝つのはよいことのように思えます。ところが孫子は、それはベストではないと言います。戦えば必ずお金や戦力を消耗するからです。勝利を求めたがゆえに国が困窮してしまっては、本末転倒です。ですから、最善の勝ち方とは、戦って勝つのではなく、戦わないで相手の兵を屈することだと言うのです。
- 一度あるやり方でうまくいくと、その印象にとらわれて、次も同じ手が使えるのではないかと思ってしまいがちです。もちろん状況は刻々と変化しているので、同じ局面というのはまずやって来ません。そのときに、成功の記憶をいったん捨てて、また新たに陣形を組み直せるかどうか、そういう柔軟性を持っているかどうかということが、その軍の強さ、あるいは指揮官の強さになってくるわけです。