贈与論 (ちくま学芸文庫) [Kindle]

  • 筑摩書房
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感想・レビュー・書評

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  •  日替わりセールでお得だったから買ったに過ぎない積dle。
     読んでみていまの自分のいる社会がこの人類が原始の時代から行ってきた「贈与」という形を元に他者との関わりを持ってきたかということが思いのほか重大なことだと気づかされる。
     これだって喜捨だってそうだよね。取引、神仏に見返りを求めているのだ。そういうことか・・・と思うこともあれば、注が多くて難解すぎる。素人には全貌はわからなかった。それでもさらっと読んでみるのも新しい視点を持つのにはいいかもしれない。

  • 近代よりも前の伝統社会に見られる慣習や慣行で地域や文化に関わらず、似たような「贈与交換」の原理があり、それが単なる経済的な意味だけではなく、社会や文化の土台となっているという点が興味深い。

    最近中島岳志さんの書籍などをよく読んでいるとこの「贈与」に関する言及を目にすることが多いた、今の現代人が振り返らないといけない概念なのかもしれない。

  • ポトラッチやクラなど伝統社会にみられる慣習、また古代ローマ、古代ヒンドゥー、ゲルマンの法や宗教にかつて存在した慣行を精緻に考察し、贈与が単なる経済原則を超えた別種の原理を内在させていることを示した、贈与交換の先駆的研究。
    贈与交換のシステムが、法、道徳、宗教、経済、身体的・生理学的現象、象徴表現の諸領域に還元不可能な「全体的社会的事象」であるという概念は、レヴィ=ストロース、バタイユ等のちの多くの思想家に計り知れない影響とインスピレーションを与えた。

  • 必読書であるのは分かっているのでチャレンジしたものの、難しくて挫折。いつか読めるようになりますように。

  • 世界中の人間社会で見られる、贈りものとその返礼。それを社会学的、社会人類学的に最初に研究したモースの本。人類学は研究対象の社会にどっぷり浸かって一面的になりがちだが多数のサンプルを比較する形で迫った名著。

    詳細
    https://note.com/t06901ky/n/na7c50b776700

  • モースの知性と博覧強記ぶりに圧倒される一冊。
    序章は概要と方法論について。
    第1章では主にポリネシアの民族誌をもとに基本的な贈与の性質(贈る義務・受領する義務・お返しをする義務: 贈られる物に宿る魂)について解明する。
    第2章ではポリネシア・メラネシア・北西アメリカなどの地域をメインに、民族誌と言語学によって贈与がどのような意味を持つのか・なんのために行われるのか・法と経済的にはどんな意味を持つのか解き明かす。
    第3章ではいま・われわれの社会を解明する手がかりとしてローマ・ヒンドゥー・ゲルマン古代社会の法と経済における贈与の位置を探る。
    最終章では、いま(1920年代)において変化しつつある社会保障や労働のあり方を前章までの社会と比べつつ、道徳・経済・政治・形態学など「全社会体系」について結論を述べる。

    法学について知識が乏しいため、第3章は咀嚼しきれなかった。勉強し直してまた読みたい。シェイクスピアの歴史劇でよく見る手袋を外して床に投げつける仕草についての解説が興味深かった。

  • 興味深かったのは、贈与のセレモニーがローマ法で物権行為につながったというところで、法学的にも面白いところがあった。

  • 贈与論 (ちくま学芸文庫)
    (和書)2012年03月02日 16:49
    マルセル モース 筑摩書房 2009年2月


    柄谷さんの本で、交換様式A=贈与と返礼を理解するのに必要と思いました。交換様式Dは高度の交換様式Aの回帰とあり、交換様式C=商品交換と貨幣というものが支配的となり、それに対抗する形で交換様式Dが出てくるという。その対抗すると言う意味でナザレのイエスはあるということを読み、そのあたりをもっと良く理解したいと思いました。

    なかなか参考になりました。交換様式B=略奪と再分配など様々な交換様式があり、ナザレのイエスがそれらに対抗する軌跡が浮かび上がる様が非常に興味深く面白いです。

  • kindleのセールにて

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