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感想・レビュー・書評
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先の見えない時代だからこそ、過去の歴史から学ぶことに価値があると思う。先人の知恵を使わない手はない。
自分自身、今まで如何に歴史の勉強を疎かにしていたかを悔いてしまう。
学生時代「歴史は暗記」と勘違いしていたから、疎かになってしまった訳であるが、きちんと時代の流れや物語で学べば、理解できるじゃないか。
ここは学校の暗記重視、詰め込み教育のことを批判してもしょうがない。
もし良い授業に巡り合えたとしても、私の学生時代の当時を思い返すと、きちんと勉強したのかは疑わしい。(それぐらい勉強そのものが苦手だった)
当時は勉強しなかった訳であるが、今になってこうして歴史に関する本を読んでみると、改めて感じ方が異なるのを実感する。
同じ歴史でも、「若年の時に感じる歴史」と「歳を重ねて感じる歴史」に違いがあると思うのだ。
若い時には「何百年前の王様の気持ち」なんて知る由もなかった。
お金や宗教や国家だって、「当然あるもの」として受け止めていたし、「そもそもどういう始まりだっけ?」と問いを立てることもしなかった。
年齢を重ね、こういう部分については、そもそも社会を見る視座が高くなったからかもしれないのだが、考え方が変わってきている。
今の年齢だからって、自分が王様になる訳ない。しかし、今の自分が、いい大人の精神状態なのは間違いない。
会社の中では中間管理職で、少なくとも経営トップの意向を考えて、自主的に行動したりしてる。
お金についても、社会人になって経済の知識が増えたから、興味を持つようになった。
宗教だって地政学だって、自分の仕事にまったく無関係とはいえず、結局そこそこ知識を入れようとしている。
やはり学生時代に教科書や参考書だけで勉強して、それでテストで良い点をとったとしても、歴史が心に深く刺さっていた訳ではない。(もちろん、テストの点は悪かったが)
ある程度の年齢を重ねないと、見えてこない部分はあるのかもしれない。
そんな事情で、歳をとって知識は多少増えたが、フットワークは重くなってしまった。
さらにコロナ禍もあり、海外に行く機会も減ってしまった。
年齢のことは置いておいて、歴史、世界史も含めて、結局「広く世界を見ろ」ということか。
これからの未来を考えると、狭い日本のほんの一エリアだけの考えに固執するのは、本当にリスクでしかない。
そもそも自分たちが「当たり前」と思っていることを疑うことが、果たしてできるだろうか。
「常識」とは、時代によって変わるものなのだと、認識できるのだろうか。
やはり多様な視点で物事を見るから、複雑な未来を多様に想像できるのではないだろうか。
知識として歴史を学ぶことは当然重要だが、思考のアップデートをするためにも必要なのだと思う。
未来を見るために、過去を振り返る。
単純なことだが、意外と意識しないと出来ないことなのかもしれない。
これからの未来は益々混沌としていくだろう。
その時に冷静に落ち着いて対処していくためにも、必要なスキルなのだと改めて感じるのだ。
(2023/8/15火)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Audiobook にて。
日本も世界の一部なのだから、日本史も世界史も知れるからお得、と考えて世界史専攻するような、知的好奇心旺盛な著者。
バラエティ番組のプロデューサーである著者が、番組構成のようにキーワードを絞って教えてくれる、わかりやすく面白い本。
ひつじ、ヤギ、馬などの野生動物の家畜化が文明の発達に影響したという。
これは「教養としての世界史」でも馬の存在が大きいと述べられていた。
アフリカでもカバやシマウマが温和ならもっと文明が発達していたかもしれないとのこと。
また、日本史も絡めて解説してくれるので、最終的にポイントを拾っていくと日本史も学べるのが便利。
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最近、Kindle日替わりセールをチェックするのが日課になっている。この本もセールで安く購入したもの。時系列でも地域別でもなく、「項目別、用語別」という珍しい切り口で世界史を解説。しかも著者はテレビのディレクター(東大で歴史を専攻している)。
タイトルは大げさ。でもテレビマンらしく、芸能界を例えに説明しているのでとっつきやすい。歴史を流れや出来事でとらえるだけでなく、人間の本質というか、「人間とは、社会とはそういうもの」という本質みたいなものをベースに解釈しているのも面白い。 -
外国に行った際、さらには国際ニュースを聞いた時にも、「自分は世界の歴史というものを知らないなあ」と、痛感してしまうことがあります。
世界史の流れというものを知って、少しでも理解を深めたいと思い、関連する書籍を意識して読むようにしています。
この本は、テレビ局で長年に渡りバラエティー番組の制作に携わってきたという、プロデューサーによる一冊。
文明、宗教、国家体制、産業などなど、24の視点で、世界史の流れを説明しています。
特に印象に残ったのは、文明のはじまりについてと、一神教と多神教についての著者の視点。
そして国家体制についての説明も、今までモヤモヤしていた頭の中を、整理してもらえたように感じました。
年表を追って説明されるよりも、テーマに沿って歴史を捉えるという形のほうが、自分には合っているようです。
これまで読んできた本と重なる部分はありましたが、テーマが多岐に渡ることもあって、歴史に興味のある人には、何かしらの引っ掛かりのある一冊だと思います。
『万物の尺度を求めて』ケン・オールダー
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4152086645
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