空白を満たしなさい(上) (講談社文庫) [Kindle]

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  • 妻と幼子を残し、会社の屋上から飛び降り自殺した男・土屋徹生が3年後、この世に突然戻ってきた。徹生は家族のもとに戻るが、妻の千佳は家族を捨てて自殺した徹生のことをなかなか受け入れられない。徹生には自殺した記憶はなく、自殺する理由も思い当たらない。陰湿な警備員・佐伯に逆恨みされていたことから、佐伯に殺されたのではないかと疑う徹生は、死の真相を突き止めようとする。

    死者が甦る現象は世界的に起きており、彼らは「復生者」と呼ばれている。復生者はバグ扱いされ、恐れられ疎まれ、マスコミからはおもしろおかしく報じられ、なかなか元の生活に戻れずにいた。

    本作、SFファンタジー系なのかな? それともミステリーなのかな??

  • 死者が生き返るという設定。

    なぜ死んだのか、なぜ生き返ったのか、謎だらけでどう展開していくのかワクワクしながら読んだ。

  • やっと読んだけど、
    下巻に入ったけど 
    ダメっぽい。
    読んでいても他の本を読みたくなる。
    上下巻にするほど? とも思う。 
    マチネもダメだった。

  • 現在NHKで放送中のドラマの原作。会社の屋上から落ちて死んだはずの男・土屋徹生が3年後にひょっこり生きて帰ってくる話。そう現象は徹生だけでなく,世界各地で生き返った人間が発生しているらしい。日本では「復生者」と呼ばれているが,社会制度が対応していない現象のせいで復生者は色々と不利益を被っている。徹生の場合死因は自殺ということになっているらしいが,徹生には自殺する心当たりがない上,自分を殺してそうな犯人に心当たりがある。警備員の佐伯だ。佐伯は会社の敷地内で鳩を蹴り殺していたところを徹生に見咎められ,逆恨みしていた。妻の千佳は夫の死因が自殺ということで,3年間悩んでいたようだ。佐伯は徹生の死後,千佳にも接触して酷いことを言ったらしい。徹生は自分の死の真相を知るために佐伯の行方を探す。
    面白い設定だが,生き返るのは良いとして,どういう仕組で生前の姿のまま現れたのか,そのへんをもう少ししっかり設定してほしかった。元の体はとっくに仮想されて失われているわけだから。服だって着て現れるみたいだし。現れる時はどうやって現れるのかとか。荒唐無稽な設定はそういう細部を詰めることで単なる空想話ではなくなりシリアスな物語の内容にも集中できるというものだ。それにしてもドラマでは阿部サダヲが演じている佐伯が半端ない嫌悪を催す。
    上巻では最後に新たな真実へのヒントがみつかったところ。ほとんど何も解決していない。
    生命保険だが死亡したら払うという契約である以上,変換を求めるのは不当だろう。一旦死んだのは事実だし,契約に生き返ったら返金するなどという条項があるはずもない。

  • 夢中で一日で読んだ。3年越しで生き返るという設定はSFぽくあるものの、感情とかがすごくリアルで、さらにオカルトチックな団体も気になる。いろんな可能性を主人公とともに考える。本当に自殺したのか、他殺なら誰が犯人なのか、自分ではなくて父親なのか、自分がおかしいのか。

  • 自分が1番自分のことわかっていないんじゃないかなって考えさせられる。
    世の中に山ほどある、当たり前って言うことが本当に当たり前のまま片付けてしまっていいのか、考え続けたい

  • NHK「空白を満たしなさい」最初に2話見て、阿部サダヲの熱演と台詞がきつくてちょい休憩していたが、見ずには済ませぬ作品であった。全5話中の3話なら転に入るだろう。そしたら先が気になって一気に見るはず。そんで体調と心確かな本日一気見。原作者の作風を知らぬので、思いっきりダークエンド~ハッピーエ→

    ンドまで様々なルートが浮かぶが(なにせ生き返る人間が居る世界だ。アベサダが悪魔とかでも充分有り得る)と最悪・最前を予想し、中間に納まった。それでも良い中間地点への着地であった。自殺を思うものへと、自殺を遂げた近親者へのメッセージかと感じる。作者も死を思ったことがあるのか?→

    自死とは「死にたい」と明白に思ってる時に実行する人は少数で、もうそこを超えた脳みそのトチ狂いと訳の分からぬ誘惑と衝動で起こる、と思う。生命体はDNAに「死にたくない、死は怖い、ただただ生き残りたいと刻まれてる」からだ、生き残らせるための自然の摂理なプロセスであり、そこに意味を見い→

    出したがるのは、知能を持ってしまった人間のエゴで自然への謀反だ、とも思っている。ので、阿部サダヲは救われなくていいよ!クズ!自分が不幸だからと他に不幸な人間を製造する人格に落ちた奴なんか嫌いだ。ナチに捕まった人が「あいつもユダだ」と告発するのに似ている。あと、見るきっかけとなっ→

    たゴッホ(表紙絵)だが、阿部サダヲの部屋に太宰や三島の本があったので「自殺者」とひとくくりにされたかと思うと腑に落ちない。特に私の超個人的な意見で「ゴッホが自分の耳を切り落としたのは画家としての美意識だ」と思ってるんで。そう思う私もオカシイんかもしれんが。そして、主人公夫婦は→

    もっと自分の過去やそれにより形成された自分の
    心・本音を語り合うべきだった。夫婦なんだから。惹かれあった理由をお互いに知っていれば、「冒頭の」結末はなかったかも知れない。好き、ではないが、とても良い作品だった。なんかドラマでは深くは語られてないが、嫁の親は死んでいい。

    ゴッホと太宰と三島の人生は全然違って、死に至る理由や思考も違う。それをひとくくりに述べたのがこの作品だ!と言われると、まぁちゃんと納得するんであるが、違いすぎるっっとも思うんです。読者のワガママです。すみません。

    あ「阿部サダヲの台詞がきつくて」と冒頭に書いたが、私はこれに反撃し、論破し、逆に「そんなにもこの世界がイヤなら、独りで空しく無意味にただ死ね」と言う用意と決意がある。

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    私「構ってくれんと貴方の好物な夕飯やらんぞ」夫「クッ、嫁に屈した」私「屈したのは私じゃなく貴方の食欲にじゃないですかぁ?いくら食べてもどうせまた腹が減るのに、何故食べるんですかぁ?空しくないですかぁ?(「空白を満たしなさい」阿部サダヲの真似)」夫「すげぇムカツクからやめろ!」

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    「本心」「マチネの終わりに」と読んできてわかったこと、この方の作品苦手だ…。
    特に今回は1番苦手で、下巻は読む気になれないのでパス。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『現代作家アーカイヴ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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