ガンディー 獄中からの手紙 (岩波文庫) [Kindle]

  • 岩波書店 (2010年7月16日発売)
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本 ・電子書籍 (189ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 非暴力でインド独立の道を開いた人・・・その程度の知識だけで読み始めたのだが、あまりに厳しい教えに何度も驚かされた。
    行動だけでなく、頭の中で考えることまでにも言及している。
    ただ、揺るぎない信念とストイックな思想を体現しているからこそ、民衆の心をつかんだのではとも思った。

    書簡の一つひとつはテーマがあり、また短いため、とても読みやすい。
    訳者の補足が文章の間に差し込まれているところが分かりやすくていい。

    本文の読後、ガンディー自身について興味が湧いたところで、訳者の解説が生涯のことも含めて書かれている。
    その波瀾万丈ぶりに、最後は一気に読んでしまった。
    訳者は「奇跡の連続」と表現していたが、たとえ道は違えども、方向は同じだっただろうと思う。

    心に響いた言葉は多々あるが、「非暴力」はただ単に暴力をふるわないという消極的な態度ではないということが一番印象に残った。
    目には目をといった今日の様々な現状を考えるとき、ガンディーの思想に学ぶべきことは多々あるのではないだろうか。

  • ガンジーと言うと「ザ・聖人」という印象を持っている人が多いと思う。私もまたその一人だ。

    ただ、ガンジーが獄中から送った手紙や、それにまつわる著者の解説などを見ると、決してガンジーは生まれながらの聖人ではなく、むしろ極めて人間臭い不完全な人間だったことがわかる。

    生まれながらの聖人などは存在しないということを改めて知るとともに、きわめて不完全だった人間が、自分の使命を感じ、その実現のために人格を陶冶したいという強い思いを持って努力した結果だからこそ、ガンジーの行動や言葉は途轍もなく強い力を持ち、偉大なことを実現したのだと思った。

    つまり、もしガンジーが最初から非の打ち所がない人間だったら、彼の成し遂げたことは全く実現しなかったのかもしれないということだ。

  • 宗教を政治に利用するのではなく、ちゃんと宗教で政治をしようとしたのかなと思いました。もしかしたら今までの歴史で宗教で政治をしようとした人はいないのかもしれないです。

    真理を目指す。神が真理ではなく、真理が神。

    政治的な駆け引きってあると思うけど、そこに真理の追求を持ってきて、真理を信じることで駆け引きをする。いや、真理は神なので、真理に従えば自ずから勝つ、という信念で政治をするってやっぱりすごい。

    獄中で暇だから書くっていうのがまたすごい!
    いや、暇じゃないんだろうけど、暇と思うところがすごい

  • ガンディーの考え方・想いが1冊にまとめられた書籍。ガンディーの人を導く力の強さを痛感する。

  • 1930年、「塩の行進」で逮捕されたあとに、獄中から仲間に対して、自分の考えを毎週書送った手紙をまとめたもの。
    といっても、現実的、具体的な話しではなく、ガンジーの思想をあらためて簡潔にまとめたものになっている。以前は、「ガンジー聖書」という名前で翻訳されていたらしい。
    「神が真実」なのでなく、「真実が神」なのである。という冒頭の言葉にノックアウトされる。
    が、読み進めるにつれ、その要求の強さにたじたじになる。

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著者プロフィール

1928年和歌山県生れ。同志社大学神学部卒業。インド国立ヴィッシュヴァ・バーラティ大学准教授を経て、帰国後、名城大学教授等を歴任。名城大学名誉教授。現代インド思想・文学専攻。


「2015年 『女声合唱とピアノのための 百年後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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