ケトン体が人類を救う~糖質制限でなぜ健康になるのか~ (光文社新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 多糖類は糖が結びついたもの。
    食べるとすぐに糖になることは理解できます。

    精製された白米を食べるようになったのは最近のことであり、これらと清涼飲料(含まれる糖の量を見てしまったらとてものめない)が病を増やしている可能性がある、カロリー管理を行っても、そこに白米・パンが相当量組み込まれているのであれば、砂糖が相当量含まれることを意味している。

    ここまでも理解。
    砂糖単独であれば苦しくて食べられない(胸やけする)けれど、白米であれば丼で食べられる。ここが問題。

    「三食しっかり摂って栄養をつけましょう」←これが誤りであり、砂糖(白米)を制限すれば、糖尿病やがんであっても克服できる可能性がある。

    「三食しっかり摂って、薬でずっとコントロールしていきましょう」

    という今の医療方針に反する学会発表に圧力がかかるところ、先生方のグループを非公開にしなければならないほどの圧力は何か。

    「現代医療の光と影」「医療ビジネスの闇」「薬が病気をつくる」など、今年読んだ本の内容と全てつながってきます。

    テレビでやっている健康番組は番組本体が医療ビジネスのCMです。

    白ごはんを食べるとき、日本人でよかったな~、と心から思うのですが、ちょっと残念です。
    白米だけは輸入できない(海外のはおいしくないから)。これだけは守りたい。守りきれなくなったとき、海外からわけのわからない遺伝子組み換え米が入ってくる可能性があり、恐ろしい。守っていきたいものです。

  • アマプラで流し読み、気になったところだけ

    白米はのどを過ぎれば砂糖の塊
    いわば強烈なドラッグ

    糖質の否定は現在常識になっている栄養学の知見に大きく反する。しかしこの、常識の方が怪しい

    過去のある時代の病などの流行の陰に糖質あり

    しかし、この糖質否定を社会的なムーブメントにしようとすると産学界でポジションが揺さぶられる人があまりにも多いんだろうなあ。
    農業関係者、製薬会社、医者、学者etc

    まさにタレブのskin in the gameだ。
    (そいつの発言ではなく、そいつのポートフォリオに目をつけろ=糖の消費が儲けにつながる人たち )

    あとは糖質の元になる米や小麦なんかは生産コストが肉類よりも圧倒的に安くて流通しやすいというのも、糖質や今の栄養学神話を覆せない圧力になりそう。

    今の糖尿病治療→コメ食え、砂糖とれ、薬飲めのループ マッチポンプ

    人間のエネルギーはブドウ糖ではなくケトン体が望ましい。糖は麻薬で忌避されるものだという主張も、数十年後にはとんでもない理論だと言われるのかもしれない。
    医療や生物といった数学のような完全なロジックを立てることが難しい分野は一つの意見に肩入れし過ぎないのがいい付き合い方だろう。
    それでも糖の忌避は総合的に考えて支持する方向ではあるし実践していくが。

  • 糖質をカットするというシンプルな主張がわかりやすい。
    学会とのやりとりがドラマのようで面白い。
    エビデンスレベルの解説が信憑性を高めている。
    参考文献が多く、興味の深掘りにつながりやすい。

  • 科学的なアプローチを期待したが、産婦人科医として妊娠糖尿病に対するケトン体の役割がメインの内容で物足りなさを感じた。

  • アトピー治癒のために、船瀬俊介さんの「3日食べなきゃ7割治る!」と併せて読んだ本。

  •  衝撃を受けました。
     これまで関連本で糖質制限や断食(あるいは粗食)について読んできました。しかし、帯に短し襷に長しで、どれも疑問点が残り安全性について疑問が残っていました。本作では特にケトン体エンジンの理論的根拠を教えて頂きました。

     いわゆるブドウ糖エンジンともう一つのエンジンであるケトン体エンジン。後者は体に貯蔵される脂質が燃焼した時にケトン体が発生することから名づけられたものだと思います。体内の糖質を使い切り、ストックした脂質が使われている状態です。赤ちゃんが糖質エンジンを使わず(使えず)ケトン体の値が高いことからも、本来こちらのエンジンがメインであり、糖質は体が未だうまくコントロールできない異物的な扱いであることを示唆しているように思えます。
     また第7章では、推論と断りながらも、妊娠糖尿病について、現代の過剰な糖質摂取は人類について想定外であったとしています(P.194)。母親が持つ皮下脂肪が胎児の栄養の供給源であることからも、脂質・たんぱく質こそが人体に必要な栄養で、特に妊婦にとっては糖質は避けるべきだとしています。
     つまり、生まれながらに人間は糖質を(機構として)必要としなくても生きられる生物なのです。糖質をとることで血糖値の上下が起こり(血糖値スパイク)体で負担であることを考えるならば、脂質やたんぱく質をメインで取る方が、まだ体への負担がないと言えます。

     もう一つの素晴らしい点は、医学会の旧弊ぶりを明らかにしているところです。妊娠糖尿病になると、体内から分泌されるインシュリンの効き目が下がります(血糖値が下がらなくなる)。それなのに医学の一般常識はさらにインシュリンを投与し血糖を下げようとする(下がりませんが)。これにおかしいと声をあげたことは素晴らしい。宗田氏は学会発表で轟轟の非難を浴びたようですが、私からすれば製薬業界と結託した医学会の暴挙にしか見えません。
     栄養学についても厳しい批判を展開しています。炭水化物とはそもそも糖質+食物繊維であるものの、食品成分表には炭水化物に含まれる糖質量が記載されていないそうです。作中では「お米」と「きのこ」が例に上がっています。どちらも同じ炭水化物に分類されるものの糖質量は大きく異なるはずです。でも栄養学上は同一の扱いしかしないとのことです。こんな基準に従ってバランスを考えたダイエットを行ってもいびつな指導しかできません。
     更にコレステロール値コントロールについてもしっかりと指摘しています。実は、コレステロールの値は体にバランシング機能が備わっているそうです(下記参照)。にもかかわらずコレステロール降下剤が投与されていることに意味はあるのか。いな、悪影響はないのかと言えると思います。これもまた、製薬業界と医学会の結託以外の何物でもないと思えてしまいます。

     色々褒めましたが少々疑問もあります。糖質を制限してたんぱく質を多くとる(つまり肉食ばっか)のは問題ないのか。未だに疑問です。私が心配しているのは高脂血症や高コレステロールとそれに起因する血管系の障害です。これについては第6章に以下のような記述があります。
    「体内のコレステロールは、食事で作られる割合が20%で、残りの80%は肝臓で合成されていることは従来から分かっていたことでした。コレステロールをあまり摂取しなければ、体内合成が増えますし、沢山摂取すれば合成分が減る、とういバランスができているのです(P.156)」
     マジか。これを信じるならば、肉食オンリーでも問題ないということです。でもまだ疑問は解けません。では、いわゆる血管系の病気(心筋梗塞や狭心症)はなぜ起こるのでしょうか。その原因についてある程度理解しない限りは糖質をシャットアウトしてたんぱく質や脂質オンリーの生活には移行しがたいと思いました。私の場合、経験的には肉食が余りに増えると便通が滞りうんこが臭くなります。つまり個人的にはやはりバランスの妙があるのではないかと考えて日々食事をしています。

    ・・・

     私は30代の前半で色々病気をしましたが、その都度思うのは医者ではなくて自分がどう自分をコントロールするかということです。健康や体への自己決定の考えです。
     本書以外にもいろいろ本を読みましたが、この本は自分がどう体をコントロールするべきかを改めて思い返させてくれました。
     勿論、この本ですべてが解決するわけではありませんが、非常に示唆に富む本ではあり、今後の身体や健康への勉強への励みになりました。とりわけ糖質がそこまで必要ではないということ理論的に明示してくれた功績は大きいと思いました。

  • 医学会への批判が長いので飛ばし飛ばし読みました。
    糖質制限やろうと思いました。
    体調がよくなるか楽しみ。

  • ×カロリー制限 ○糖質制限
     ブドウ糖からだけでなく、脂質からもエネルギーがつくられる。今のように飽食の時代でないとき後者からエネルギーはよくつくられ使われていた。人類の歴史から見ればそちらの方が身体に合っている。今の『バランスの良い食事』は炭水化物はとりすぎ。
     血糖値が高い糖尿病の人のケトン体が高いので問題視されていた。しかし、それは逆。血糖値が高いから下げようとしてケトン体が増えたのだ。
     糖尿病はインスリン注射やカロリー制限ではなく、血糖値を下げるために糖質制限すること。
     糖質制限をすると脂質からエネルギーをつくり、その際ケトン体が増えるが、全く問題ない。
     糖質制限は糖尿病だけでなく、様々な病気の予防になり健康に暮らすことに繋がる。
     と言った内容です。
     分母が少なく経験則か?と最初は思いましたが、話は理論的で、論文の統計処理も見直しており、真実のように、私は思えました。
     大変興味深く、良書でした。
     ただ、肉食は大腸がんを増やすことはすでに証明されているので、糖質制限をし、肉を増やす方は、大腸がん検診をした方がいいかもしれません。大腸がんは初期なら命を落とす可能性は低いですが、症状が現れにくいので。大腸カメラをやれば問題ないと思います。

  • 胎児のケトン量や、妊娠時の糖尿病の症例など、目から鱗な内容が多かった。
    良書だと思う。

  • なんとなく理解しているつもりだった「糖尿病」「糖質制限」といった言葉をきちんと理解することができたと思う。

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著者プロフィール

1947年千葉県生まれ。1965年北海道大学理学部地質学鉱物学科入学。卒業後は国際航業に入社、地質調
査などに従事。その後医師を志し、1973年帝京大学医学部入学。卒業後は小豆沢病院、立川相互病院勤務
を経て、千葉県市原市に宗田マタニティクリニック開院。著書に『楽しくなるお産――自然分娩・母子同室
のすすめ』(桐書房)、共著に『あきらめないで不妊症』(ナツメ社)の他、「母児同室論」(『周産期医学』
東京医学社)、「さりげない医療監視で満足のいく自然分娩を!」(『助産婦雑誌』医学書院)など論文多数。
ビデオ『弟たちの誕生――ある家族の立ち会い出産』(わかば社)も制作。近年はFacebookグループ「糖質制
限」共同代表、「ケトン村」村長。糖尿病妊娠、妊娠糖尿病の糖質制限による管理で成果をあげている。

「2020年 『産科医が教える赤ちゃんのための妊婦食』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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