押絵と旅する男 [Kindle]

著者 :
  • 2016年2月25日発売
3.65
  • (12)
  • (21)
  • (29)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 204
感想 : 24
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (29ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • #読了 不気味な空気の中、押し絵の煌びやかな存在感が浮き立つよう。面白かったです。

  • 電車に乗って旅に出ている先で出会う、押絵を運ぶ男との邂逅である。
    景色描写に力が入っている印象。凌雲閣という今は無き、時代の象徴が取り上げられている。
    『新青年』1929年(昭和4年)6月号初出の物語であるとのことだが、凌雲閣は1923年(大正12年)に解体されている。
    今から見るとこの物語そのものがノスタルジックな印象であるのは間違いないが、この時代から凌雲閣の在りし日に思いを馳せること自体がすでにノスタルジックな物であったということだろう。

    江戸川乱歩がこの作品の原稿を破り捨てたというエピソードがあるようだが、作品自体の中に何かの生き物が棲んでいるような凄みを感じる。

  • 昭和前期の戦争前の怪しい雰囲気が出てる。

  • 8月のブンゴウメールで読みました。

    男かはたまた私たちか━どちらがおかしいのか…
    なんとなく、その時代なら、あってもおかしくない怪異に思えてくる不思議。

  • あまり馴染みのない世界観、でも嫌いじゃありません。本文を借りて表現すると、この世の視野の外にある別の世界の一隅を隙見できました...って感じです。いま『ゲゲゲの鬼太郎』が放映中ですが、鬼太郎の言う「見えてる世界が全てじゃない」の一端ですね。解明できないものを信じるか?信じないか?そしてどっちを選んで生きた方が楽しいか?色々とイメージが膨らむ作品です。

  • 江戸和乱歩の怪奇(?)小説。
    押し絵を携えて旅する老人の、押し絵にまつわるお話。
    アマゾンのオーディブルで聞いたので、老人の語り口のくどさが耳についたり、冒頭の蜃気楼の話が長いなあと感じたが、全体的に幻想的な雰囲気が出ていて興味深かった。

  • ★3.5。
    段々と引き込まれていく展開、結末の哀しさ。短編小説の魅力が詰まっている良作です。結局誰も幸せになれなかったのか、それとも必然の運命なのか、実のところあまり手に取ったことのない作家なんですが、やるなぁと感心しきりです。

  • どんどんひきこまれていった。
    不思議で、うらやましいような、切ないような、怖いような、美しいものを見たような、おぞましいものを見たような。
    読後は複雑な気持ちになった。

  • その生きた瞬間の人形を、命の逃げ出す隙を与えず、咄嗟の間に、そのまま板にはりつけたという感じで、永遠に生きながらえているかと見えたのである。

  • 不気味…人間椅子と違った不気味さ。

全24件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

江戸川乱歩の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×