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感想・レビュー・書評
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江戸川乱歩の短編。何気に短編作品の中では上位にランクインするポピュラーな作品らしいのですが、読んでませんでした。
話の筋は語り手の「私」が汽車で押絵を持った男と出会い、その押絵にまつわる物語を聞かされるというもの。乱歩の文学者としての能力が存分に出ており、一文ごと流麗で、詩のような趣があります。そのため普通に汽車に乗ってるだけの描写もどこか幻想的で美しく、反面やや煙に巻かれた捉えづらさも。夢、幻の世界にふわりと入っていく筆致は見事であり、乱歩の中でも人にすすめやすい内容だなあと思いました。まあ、あたくしはもっと変態が出てくる方が好みですが。 -
どこから、こんな不思議な発想が出てくるのか。
それこそ、夢で見たような内容の話。
現実に思えるけれど、実は主人公が見たただの夢なのか。
電車には乗ったけれど、押絵の話は夢なのか。
あるいは全てが現実なのか。
恋をした女性とは一緒になれたけれど、兄である男はどんどん年をとっていく。命が尽きた後はどうなるのか、その亡骸は?そして、残された女性は一人額の中で永遠に過ごすのだろうか。
そして、額の中の女性が命(?)を得たのはいつなのだろうか。男から好意を受けた瞬間?それともあまりに精巧に作られすぎたものは意図せず命を得てしまうのだろうか。 -
言わずと知れた乱歩の名作です。自作解説で自作に辛辣な評価を下すことで有名な乱歩ですが、『押絵と旅する男』に関しては「いいものが書けた」と、彼自身の評価も高い様子。確かに乱歩のイメージとはちょっとベクトルの違う感じが、つまりは怪奇的と言うよりは幻想的な趣がありますよね。ただ、まぁ、明らかに現実的ではないというか、「そんなこと起こるわけないやん」と思ってしまうと個人的にはそこまで面白みはなくなってしまうように感じます。
因みに、この作品には関東大震災で倒壊した浅草十二階などのロケーションや、八百屋のお七や戦時中の風刺画など、細かな描写に磨きがかかっているので、そこはとても興味深くて面白いですよね。 -
#読了 不気味な空気の中、押し絵の煌びやかな存在感が浮き立つよう。面白かったです。
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昭和前期の戦争前の怪しい雰囲気が出てる。
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魍魎の匣の電車のシーン思い出した