唯識の思想 (講談社学術文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 難しい唯識の話を図示してわかりやすく解説する良書。唯だそこに識があり、自分は居ない。無常感も含めて、この考え方の軸があると、どんな哲学も易しく捉えられる。すごい感覚!

  • 唯識の思想にある聞→思→修精進。
    この本を一回読んだだけでは、聞なだけでなので、ここからが勝負。ちゃんと自分なりに考えていけるか。考えていくにはまだ聞が必要な感覚もある。
    私のモットーの守破離と同じ感覚なので、まずはこの中の一つでもふとした時に思い出せるようにしたい。
    と思うと、まだ会話が足らない気がするなー

    阿頼耶識という一人一宇宙。全ての根源である神のような存在だけど、自分で育てる感覚があるのかな。この認識を大事に自分を育ててみたい

  • 個人的に好きで目指している境地でもあるブッダの教え。悟りとは何か、その考えのもとになる唯識。忘れた頃にこうして読むことで再度思い出させてくれる。

    見ているのではなく、唯見せられているだけ
    自分の身体、自分の心というが、それらは決して自分のものではない

    といった考えは、頭では理解しているもののなかなか腑に落ちるほどは理解できていないなと思った。

    また

    一人一宇宙と思えば、相手に対する尊重心が芽生える

    という考えはとても大切にしたくて、現代の科学主義の中で反発するように芽生えてきた一人一人捉え方が違うという多様性の考え方に近く感じた。

  • 今回読んだ書籍は横山紘一さんの著書「唯識の思想」です。
    唯識の思想

    仏教思想である唯識は、僕にとってはなかなか理解が追い付かない部分が多く、うまくまとめることができませんでした。

    僕が本書を読んで、汲み取ったことは以下2点です。
    ・自分というのは唯だ言葉・概念があるだけで実体はなく、関係性だけである。
    ・依他起性(えたきしょう)の精神を体得するために、ヨーガを実践しよう

    折に触れて読み返そうと思います。
    以下、メモ書きです。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    〇唯識の識とは、心のこと。
    つまり唯識論とは、「唯だ識=心があるだけ」ということ。
    別の言い方をすれば、人それぞれの主観的世界だけが存在し、客観的世界というのは存在しない(存在証明ができない)。

    〇心というキャンバスに、感覚・思い・言葉という絵の具で絵を描くことで、主観的世界が成り立っている。

    〇唯識では心を8つ=八識に分けて考える。
    眼識・耳識・鼻識・舌識・身識:五感とニアリーイコール。
    意識:感覚を鮮明にする働きと、言葉を用いて思考する働きがある。
    ーーーーーー↑表層心 ↓深層心
    末那識(まなしき):自我執着心。生きていく上で必要だが、苦しみの原因にもなり得る。
    阿頼耶識(あらやしき):根本心。

    〇阿頼耶識の働き
    過去の行い(業)の結果を貯蔵し、善い行いをすれば善い種子が、悪い行いをすれば悪い種子が蓄えられる。
    瞬間瞬間の連続体であり、それにより現在や未来を形作る。

    〇まずは身体を調えることにより、心(阿頼耶識)を調える。
    真理は一瞬一瞬の立ち振る舞いの中にある。

    〇依他起性(えたきしょう)の精神:自分以外のすべてのものにより、自分が存在している。

    〇ヨーガの実践:自分でも他者でもない「息」になり切る。

  • 【印象に残った話】
    ・「唯識」とは、世界の存在は全て心によって生じるとする考え方である
    ・インドで編み出されたヨーガは「解脱に至る道」を意味し、感覚器官を統御して、心を静め、精神を統一する方法である
    【考えたこと】
    ・外界のものや事を言葉にすることで、執着を生み、それが悪い行いにつながる
    ・執着とは、「〜でなければならない」という思い込みであり、これを防ぐには、いろんな本を読んだり、旅をしたりして見識を広げることが有効

  • 仏教の中にある「唯識」について説いた本。

    唯識 = 一人一宇宙 = 個々人がそれぞれが認識する宇宙を持っている。という思想はストンとなんとなく腑に落ちた。

    ただ、阿頼耶識(アラヤシキ)のことや、唯あるということなど、抽象的な説明が続きそちらに関しては分かったようなわからないようなそんな気になった。

    煩悩の塊の自分だが、またスッキリとしたいなんて思った時には読み返して見たいと思う。

    うーむ。

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著者プロフィール

1940年、福岡県生まれ。1964年、東京大学農学部水産学科卒業。1967年、東京大学文学部印度哲学科卒業。1974年、東京大学大学院印度哲学博士課程修了。現在は立教大学名誉教授、正眼短期大学副学長。
著書:『唯識の哲学』(平楽寺書店)、『唯識思想入門』(第三文明社)、『唯識とは何か』『十牛図・自己発見への道』(以上・春秋社)『ゆずれば無我か』(佼成出版社)、『漢梵蔵対照・瑜伽師地論総索引』『梵蔵漢対照・蔵梵漢対照・佛教語辞典』(以上・山喜房佛書林)、『やさしい唯識』(NHK出版)、『仏教思想へのいざない』『唯識で読む般若心経』(以上・大法輪閣)、『十牛図入門』『阿頼耶識の発見』(以上・幻冬社)ほか多数。


「2020年 『〈新装版〉唯識でよむ般若心経 空の実践』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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