クローム襲撃 (ハヤカワ文庫SF) [Kindle]

  • 早川書房
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  • 1987年に邦訳版が刊行されたギブスンの短篇集。10篇の短篇と、ブルース・スターリングによる序文が収録されている。
    ぼくは出版と同時に購入して読んだはずだが、内容をまったく覚えていなかった。一番楽しみにしていた「記憶屋ジョニィ」は、『ニューロマンサー』にも直接の関係がある。映画化もされているけれど、ぼくの記憶は映画で上書きされてしまったのか、思っていたような話ではなかった。他の作品もストーリーを追うのにやっとで楽しむ余裕はあまりなかった。

  • 入り込めず、飛ばし読みした。

  • 前編、なんか殺伐としたアメリカ人がでてくる話。サイバーパンク。つまり、コンピュータ用語を駆使するSFで、倫理なきアウトローたちの生活が書かれている。基本的に「記憶屋ジョニー」と「クローム襲撃」でいいんじゃないかな。これが分かりやすい。

    「記憶屋ジョニー」は小脳にシリコンチップを埋め込んだ主人公がさまざまな情報を預かる商売をしているのだが、ヤクザの企業恐喝情報を預かってしまい、命を狙われる羽目になり、指からよく切れるブレードがでるように肉体改造をしたミラーグラスの女モリーや、生物兵器だった麻薬漬けイルカに助けられる話。

    「クローム襲撃」はシステムをハッキング攻撃して、相手を文無しにする電脳カウボーイ(ハッカー)のボビー・クワインと、技術屋ジャック・オートマティクの話。ボビーもジャックもリッキーという女に気がある。ハッキングの標的は催眠売春をしている「青い灯火の店」がどこかに上納する資金を洗浄するシステム「クローム」。ジャッキーが手に入れたソ連製軍用ハッキング・プログラムで破壊する。リッキーは疑似体験メディアの業界(=芸能界)に入るために、青い目の義眼を買い、千葉シティに旅立つ。

    そのほか
    「ニューローズ・ホテル」:バイオテク企業の研究員を女をつかって誘拐した企業スパイがカプセルホテルの廃墟に追い詰められて、回想を語る。
    「赤い星、冬の軌道」:スターリングとの共作、旧ソがつくった宇宙ステーション、コスモグラードでくらす「火星第一の男」コロリョフが、コスモグラードが廃棄されることになり、仲間とストをやったりする話。全編むさくるしい。
    「冬のマーケット」:生来の障がいで外骨格をつかっている生活している女の子が、ヴァーチャル世界で芸能界(みたいなもの)でデビューする話。

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著者プロフィール

ウィリアム・ギブスン
William Ford Gibson
米国のSF小説作家、脚本家。1948年、サウスカロライナ州コンウェイ生まれ。1984年発表の「ニューロマンサー」(ハヤカワ文庫刊)で長編小説デビュー。本作のヒットによって〝サイバーパンクSF〟と呼ばれる文学ジャンルが確立した。以後、「電脳」三部作、『ディファレンス・エンジン』、「橋」三部作など数多くの著作を発表している。ハリウッドからも早い段階から注目されていたものの、彼の原作である『ニューロマンサー』『クローム襲撃』なども映画化の案アナウンスは出るものの実現にはいたらなかった。ギブスンの関わった映像作品には以下がある。脚本を執筆した映画『JM』(1995)、短編『ニュー・ローズ・ホテル』を原作とした『ニューローズホテル』(1998)、テレビシリーズ『X-ファイル』の2エピソード(「キル スウィッチ」「ファースト・パーソン・シューター」)の脚本を執筆している。

「2022年 『ウィリアム・ギブスン エイリアン3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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