あれか、これか [Kindle]

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  • ダイヤモンド社
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  • ファイナンスの真理の記載、これを知れただけで価値がある。

  • 【本当の値打ちを見抜くファイナンス理論入門】

    A.買い物や取引をする時、人は「価格」という目に見えるもので損得を判断しようとする。しかし、それでは正しい判断はできない。正しく意思決定をするためには、「本当の価値」を知る必要がある。それゆえ、ファイナンス的な思考では、価格と価値とを分けて考え、価値の見極め(価値評価)を行う

    B.キャッシュフロー・アプローチは、将来そのモノがどれだけ稼ぐかをもとに、現時点での価値(現在価値)を考える。現在価値は、次の式で求めることができる。

    C.ファイナンスにおけるリスクとは、次のようなものである。
    ①リスクとは危険のことではない:事象の変動がどっちに転ぶかわからない不確実性のことをリスクと呼ぶ。
    ②望ましいリスクもある:予想よりもいいことが起きる可能性がある。人生は、この「望ましいリスク」をどれだけ味方につけられるかにかかっている。

    D.会計上のバランスシートには従業員は資産として計上されない。これが、お金中心で考える会計的思考の弱点だ。逆に、ファイナンスの強みは、こうした人的資本やブランドその他をひっくるめて、価値を考えることにある。

    E.目先の利益を実現するために値下げを断行すると、将来的な稼ぐ力が未来永劫大きく損なわれることになる。重視すべきは、単年度での稼ぎではなく、持続的な稼ぐ力なのだ。


    F.人生を好転させる力は「リスク」にしかない
    今の職場に不満を抱いていても、多くの人はなかなか会社を辞める踏ん切りがつかない。去るのか、残るのか ―― この時に重要なのは現時点の年収だけではない。それぞれのアップサイド・リスクとダウンサイド・リスクを見極め、将来の年収の見通しを現在価値に割り引いて検討してみることが必要だ。これを選ぶことで、将来にどれだけの価値が生まれるのか? そんなことを考えながら、人生の「あれか、これか」に向き合えば、きっとこれまでとは違った可能性が拓けてくるはずだ。

  • 「今日のあなたは、昨日までのあなたが下した価値判断の結果にほかならない。」


    絶対に損をする買い物、オークション。だが、自分が見出した価値までのお金を払うので、主観的に見れば損をしていないだろう。

    オプション取引をするなら、変動が激しい会社の株で。

    1標準偏差の範囲に68.27パーセントのデータが含まれている。

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著者プロフィール

プルータス・コンサルティング代表取締役1984年京都大学経済学部を卒業、富士銀行(現・みずほ銀行)に入行。1989年JPモルガン・チェース銀行入行。ユーロマネー誌によるアンケートにて3度、最優秀デリバティブセールスに選ばれた。ゴールドマンサックス証券を経て、2004年に企業価値や株式価値の評価を手がけるプルータス・コンサルティングを設立、代表取締役に就任。毎年300件以上の企業価値評価を実施する。旧カネボウ株式買取価格決定請求における株式価値鑑定、ソフトバンクによるイー・アクセスの完全子会社化の際の株式交換比率の算定など、世間の注目を集めたMBOやM&Aのアドバイザリーも務めている。2005年よりグロービス経営大学院にてファイナンスの講師を勤めるほか、ソフトバンクアカデミア等でファイナンスの講義を担当している。

「2014年 『お金はサルを進化させたか 良き人生のための日常経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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