メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問 PHPビジネス新書 [Kindle]

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  • 高次元の考え方を「なぞかけ感覚」で学べます。
    というと難しく感じるかもしれませんがそんなことはありません。
    あくまで身近な事を例に一緒に考えていきながら「メタ思考」を学んでいけるような構成となっております。
    世の中に対する「着眼点」をより高めたい方にはおすすめです。

  • 【感想】
    「今の立ち位置を上から眺める」という行為は、自分自身に対してだけではなく、社会に対しても有用な行為である。

    その筆頭が「ニュースの類推」だ。
    新聞を見た時に、見出しと内容を読み流すだけではなく、「このニュースにある背景は、他の事件にも当てはまらないか?」と考えを巡らせてみる。

    (例)
    ・香港民主化運動と沖縄基地返還運動
    →香港と沖縄はどちらも、「もともとは別の国として独立していたが、後から本土に組み入れられた地域」であり、本国政府の政治的都合により負担を強いられている。
    ・コロナ禍での集団会食と女性軽視発言
    →どちらも、上に立つ人間が「そのくらい大したことない」という意識を持っている。

    「世界をナナメから見る」ことで、考える力がつくだけでなく、知見がどんどん横に広がっていく。

    そして何より「純粋に楽しい」のがメリットだ。
    メタ思考で考えることは、なぞなぞを自分で作って解いた感覚に近い。「そうか、こんな考えかたがあったのか!」というアハ体験や、「みんなは気づいてないかもしれないけど、実はこの2つには共通点があるんだぜ」という優越感を味わえる。
    「知見を広げよう」「ビジネスに取り入れよう」といった立派な目標がなくても、ゲーム感覚で気軽に楽しむのも十分アリだと思う。


    【概要】
    メタ思考:さまざまな物事を「一つ上の思考から考えてみる」こと。
    何故それが大切か?
    ①自分でも知らなかった「気づき」を得て、成長できるから
    ②思い込みや思考のクセから脱出できるから
    ③1、2で得られた気づきや発想の広がりを基にした創造的な発想ができるから

    やることは3つ。
    ①思考停止度のチェックをし、メタのレベルにあがるイメージをつかむ
    ②「なぜ?」を日常生活でどのように活用すれば発想を膨らませられるか、を演習する
    ③より創造的な発想を生み出すためのアナロジー思考を演習する


    【詳細】
    1 ウォームアップ
    (1)自分を客観視する
    メタの視点に上がるとは、自分の特殊性を排除し、自らを客観視するところから始まる。
    ●自己矛盾を探してみる。
    (例)批判する人って生産的じゃないよねという批判
    代案を出さずに反対するのはやめろ!という反対意見
    今の若い奴は...という年寄り世代

    (2)無知の知
    「無知の知」を獲得するための一つの方法は、何か理解できないことや自分の価値観と反する事象に遭遇した際には、「相手がおかしい」と思うのではなく、「何か自分の理解できない世界がある」と思ってみること。

    ●身の回りにあった「理解できない価値観」の人や事象に出会った経験を思い出し、それを否定するのではなく、どのようにしたら理解できるのか考える。自分の常識のほうを疑ってみたほうがよいことが他にもないか考える。


    2 なぜ?というwhy型思考で考えてみる
    ●ドローンについて調べてほしいという依頼が上司からあった
    ①ドローンの導入事例、専門書籍の購入など、ドローンそのものについて調べる
    ②なぜドローンが必要なのか?という、依頼そもそもの目的を考える

    問題解決におけるメタ思考とは、いきなり問題を解き始めるのではなく、まず「問題そのものについて」考えることを意味する。一度上にあがって上位目的を考えることで、別の手段を発見できる。
    そのためにはwhyが必要である。他の4W1Hは全て具体化のための疑問詞であり、whyだけが特殊で次元の高い質問である。

    (1)
    以下の依頼主の言葉に対して、
    ①そのまま対応したらどのような解決策が得られるのか?
    ②依頼主の心の声はなんだったのか?
    ③WHYに応えるためのよりよい解決策は何か?
    を考えてみよう。

    ●「この前の飲み会、時間が短かったね」
    ①時間を長くする
    ②「時間が短い」の意味が、楽しかったからなのか、一人ひとりと話す時間が少なかったからなのか調査する。
    ③前者なら今までと同様に、後者なら席替えを提案する。

    メタ思考の無い人は、「時間」「費用」「価格」を変える、つまり「数字で解決しようとする」思考に陥りがちだ。
    数字に訴えることは、アイデア貧者の最後の拠り所であることを肝に銘じておくべき。数字で語ることが重要なのは「誰にでも納得性がある」からだが、逆に言えば「誰にでも理解できる」ことであり、それは思考が止まっている人でも理解できるということである。

    (2)手段の目的化の発見トレーニング
    上位目的を考える。
    調査や分析などの作業の「その先」に何があるのか?
    「その先のさらに先」の最終目的はなにか?
    →「なぜのなぜ?」を考える。

    (3)「競合はどこか?」を考える
    ●昔ながらの喫茶店の競合はどこか?
    ①昔ながらの喫茶店に行く目的をなるべく多く列挙する。
    (コーヒーを飲む、暇をつぶす)
    ②各々の目的の仮説に対して、「別の手段」がないか、喫茶店業界以外の選択肢をなるべくたくさん考えてみる。
    (コーヒーを飲む→コンビニで買う、暇をつぶす→スマホゲー)


    3 アナロジー思考のトレーニング
    アナロジーはパクリとは違う。パクリは具体的で直接目に見えるものを真似するが、アナロジーは、目に見えない類似性や、もの同士の「関係性」や「構造」レベルでの類似性を用いたアイデアを考える。

    アイデアの豊富さというのは、いかに新しいアイデアを異なる世界から借りてくるかに依存している。陳腐なアイデアしか出て来ない人は、狭い世界や業界の中、あるいはすでにヒットしている類似商品から発想するしかなくなるからだ。なるべく目を遠くに向け、目に見えないものの類似性を探すことで、いくらでもアイデアは出てくる。


    (1)「抽象化」+「具体化」
    ●子どものころに自転車の乗り方を覚えたときの経験や教訓を、なるべく具体的にリストアップしてみる。その経験や教訓を、他の学びに応用できないか考えてみる。
    ・左右のバランスを取るため、補助輪を一つずつ外していった
    →英会話で言えば、「リスニングとライティングのバランスを取る」
    ・はじめはゆるい下り坂から初めて、続いて平らな道に進み、最後は上り坂で練習した
    →英会話を学ぶとき、リスニングを0.5倍速→等速→1.5倍速、と変化させていった

    (2)アナロジーとなぞかけ

    (3)特徴的な業態からのアナロジー
    ●回転ずし以外の「回転〇〇」のアイデアを考え、「なぜ〇〇なのか?」「その成功要因はなにか?」について考える。
    →回転ずしの特徴は、「少量ずつ小分けになっている」「一皿で満腹にならない」「いろいろな味を試せる」「各々の種類に多様性がある」「意外な出会いがある」といったものがある。
    これらの成功要因は、単価がまちまちであり、製造が標準化できるものであり、見込み生産と受注生産によって在庫リスクや廃棄による損失を回避できるものである。
    →回転しゃぶしゃぶ(実際にタイにある)

    (4)身の回りの構造を抽象化するトレーニング
    ●信号機と特急の停車駅の共通点は?
    →増えることはあっても減ることはない

    便利なものは、自分のところにもあれば便利ということでメリットがわかりやすく即効的なので、何の抵抗もなく「自然に」増えていくが、減らすというのは多少の勇気が必要。
    同じことは、ポイントカードやキャッシュレス決済などの、提供者が一方的に押し付けるサービスにも言える。リモコンやガラケーのように、製作者のエゴと機能の増強がユーザーの需要を追い越してしまった例である。


    4 身の回りのどこからアイデアを持ってくるか?
    ・尖っている世界
    ・進んでいる世界
    ・誰にもわかりやすいが、自分が行おうとしている業界からは遠い世界
    ・物ごと単体ではない、「順番」「流れ」「現象」からアイデアを拾う


    5 ビジネスアナロジーのトレーニング
    ビジネスにアナロジーを使うメリットは、
    ・新しい商品やアイデアを生み出すことができる
    ・トレンドをいちはやくつかみ、それを展開することができる

    ●新聞と百科事典の共通点は?
    →有料が当たり前だったものが無料になりつつある。
    ●コピー機とエレベーターの共通点は?
    →本体を安く提供し、その後の消耗品やメンテナンス費用で儲ける。(替え刃モデルと呼ばれている)


    6 メタ思考を鍛えるために
    では、普段の日常生活から、いかにメタ思考を鍛えていけばよいのだろうか?

    ①自分にツッコミを入れる
    他人を批判したくなったり、「ダメだし」をしたくなったりしたときは、「本当に自分はできているのか?」と自問自答してみる。ツッコミを入れるためには、まずは冷静に対象物を観察し、話を聞く必要がある。

    ②性格悪くなる(疑り深くなる)
    why型思考の原点は、「疑ってかかる」こと。相手の言うことを容易には信じないことが大切。

    ③共通点探しのために
    「あそこで当てはまったからここでも当てはまるだろう」という安易な一般化を避け、「離れていながらも共通で、しかもあまり他のものには当てはまらない共通点」を探すことが重要となる。
    二つの物ごとを見比べるとき、「他のほとんどのものには当てはまらないが、当事者の2つだけには当てはまるものはなんだ?」と思考をめぐらせてみる。

  • 【目的】
    ものごとの本質を見極められるようになる
    【まとめ(1P)】
    ・「Why型思考」と「抽象化」で一つ上の視点から考える
    【ポイント(What)】
    ・自己を客観視することで視点が上がる
    ・メタ視点に上がるために「なぜ」を考える
    ・新しい発想とは、事象を抽象化→別の具体例に転用
    【アウトプット(How)】
    ・自分の特殊性を排し、もう一人の自分の視点をもつ
    ・上司や顧客の言葉の上位目的を考える
    ・成功事例を抽象化(本質を抽出)し、転用できないか?

    【その他】
    ・アナロジー=関係性のパターン認識
    ・人間は「自分は特殊」と考えがち

  • 話がうまい人、人をひきつける話をする人はだいたい本書の内容でいうことができている。

    具体と抽象の行き来について触れたとき、度肝をぬかれたのをレビューを書いている現在(読んでから4年くらいたつ)でも鮮明に覚えている。

    これを読んで、物事の関連性をとらえるようにアンテナを張れるようになった。

  • この視点は面白い!
    というものもありはするけれど、
    与えられている問いに対する、解答例として示されているものが、あんまり上手いと思えないものがいくつかあって、説得力に欠ける部分があった。

  • 【書評】もう1人の自分にツッコミを入れてもらおう!『メタ思考トレーニング』

    「メタ思考」や「俯瞰的に見る」事が大切だと巷ではよく耳にする。
    だが、真の意味を理解している方はどれだけいるのだろうか。
    不安な方はまず本書を手にとってみよう。

    1つは答えを出す前に「なぜ?」と考えること。
    そんなの知ってるわ!という方も多いかもしれないが、現場で実践出来ている人と自信を持って言えるだろうか。私はまだ言えない。
    1つの課題に対して、

    ・そのまま対応する
    ・なぜ?と考えてから、対策法を考える

    上記2つでは必ず答えが変わってくる。
    明日から些細なことで試してみることをお勧めする。

    もう一つは「隠れた共通点」を見つけることだ。
    優れたアイディアは、一見共通点がなさそうな2点を結び付けている事が多い。
    普段から「謎かけ」を意識してみると、隠れた共通点探しが捗るかもしれない。

    類似書籍としては『メモの魔力』が近い。
    事実を「なぜ?」で深め、別のアイディアや自身の行動に転用する。
    本書に書かれている内容を、メモを使って鍛える方法が記載されているためぜひご一読いただきたい。

    本書を通して、メタ思考とは「自分にツッコミを入れる」事だと感じた。
    日本ではまだまだ自身の価値観や、世間の常識に凝り固まっている人は多い。
    「本当にそうなのか?」ともう1人の自分にツッコミを入れてもらい、1人でも多くの人が凝り固まった状態から抜け出すことを願うばかりだ。

  • アイデア出しや問題解決にこの「メタ思考」の考え方は役に立つと感じた

    キーワード
    Why
    アナロジー
    失敗と成功は折り曲げたら紙一重
    リープフロッグ

    何かに直面した時に真っ直ぐ突っ込んでいくのではなく、一度上からその問題自体を眺めてみようと思う

    内容のある本ではあるのだが、文章の面白さは感じられなかった

  • ビジネスにおいて大事な、一つ上の視点から物事を客観的に俯瞰する方法を実践的に解いた一冊。思考を深め、新しいアイデアを生み出すための手法が身につく。

  • 2022/7/25

  • メタ思考という、俯瞰的に捉えて、ルール内ではなくそもそもルール自体を作り出す戦いといったようなAI全盛となるこれからの人類のあり方のようなものであった。
    そうした知的能力の鍛え方としてはメタの考え方を取り入れていくことであり、アナロジーが肝となる。
    組み合わせ・アナロジーで今までにないものを考え出し自ら付加価値や仕事を作り出せるようになればAIに置き換わるなんてことはない。

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著者プロフィール

ビジネスコンサルタント
1964年神奈川県生まれ。東京大学工学部を卒業後、東芝に入社。その後経営コンサルティングの世界に。アーンスト&ヤング、キャップジェミニ、クニエなどの米仏日系コンサルティング会社を経て独立。専門領域は戦略策定や仕組み(業務プロセス、組織、IT)の改革。問題解決・思考力に関する講演やセミナーも多数行っている。

「2022年 『ビジネス思考力を鍛える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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