メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問 PHPビジネス新書 [Kindle]

著者 :
  • PHP研究所
3.55
  • (38)
  • (64)
  • (76)
  • (16)
  • (7)
本棚登録 : 766
感想 : 86
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (181ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 早々には身につかない。
    あくまでトレーニング本として捉えて、反復が必要。
    次はじっくり時間を掛けて、例題を流さずに取り組んでみようかと思います。

  • 【感想】
    「今の立ち位置を上から眺める」という行為は、自分自身に対してだけではなく、社会に対しても有用な行為である。

    その筆頭が「ニュースの類推」だ。
    新聞を見た時に、見出しと内容を読み流すだけではなく、「このニュースにある背景は、他の事件にも当てはまらないか?」と考えを巡らせてみる。

    (例)
    ・香港民主化運動と沖縄基地返還運動
    →香港と沖縄はどちらも、「もともとは別の国として独立していたが、後から本土に組み入れられた地域」であり、本国政府の政治的都合により負担を強いられている。
    ・コロナ禍での集団会食と女性軽視発言
    →どちらも、上に立つ人間が「そのくらい大したことない」という意識を持っている。

    「世界をナナメから見る」ことで、考える力がつくだけでなく、知見がどんどん横に広がっていく。

    そして何より「純粋に楽しい」のがメリットだ。
    メタ思考で考えることは、なぞなぞを自分で作って解いた感覚に近い。「そうか、こんな考えかたがあったのか!」というアハ体験や、「みんなは気づいてないかもしれないけど、実はこの2つには共通点があるんだぜ」という優越感を味わえる。
    「知見を広げよう」「ビジネスに取り入れよう」といった立派な目標がなくても、ゲーム感覚で気軽に楽しむのも十分アリだと思う。


    【概要】
    メタ思考:さまざまな物事を「一つ上の思考から考えてみる」こと。
    何故それが大切か?
    ①自分でも知らなかった「気づき」を得て、成長できるから
    ②思い込みや思考のクセから脱出できるから
    ③1、2で得られた気づきや発想の広がりを基にした創造的な発想ができるから

    やることは3つ。
    ①思考停止度のチェックをし、メタのレベルにあがるイメージをつかむ
    ②「なぜ?」を日常生活でどのように活用すれば発想を膨らませられるか、を演習する
    ③より創造的な発想を生み出すためのアナロジー思考を演習する


    【詳細】
    1 ウォームアップ
    (1)自分を客観視する
    メタの視点に上がるとは、自分の特殊性を排除し、自らを客観視するところから始まる。
    ●自己矛盾を探してみる。
    (例)批判する人って生産的じゃないよねという批判
    代案を出さずに反対するのはやめろ!という反対意見
    今の若い奴は...という年寄り世代

    (2)無知の知
    「無知の知」を獲得するための一つの方法は、何か理解できないことや自分の価値観と反する事象に遭遇した際には、「相手がおかしい」と思うのではなく、「何か自分の理解できない世界がある」と思ってみること。

    ●身の回りにあった「理解できない価値観」の人や事象に出会った経験を思い出し、それを否定するのではなく、どのようにしたら理解できるのか考える。自分の常識のほうを疑ってみたほうがよいことが他にもないか考える。


    2 なぜ?というwhy型思考で考えてみる
    ●ドローンについて調べてほしいという依頼が上司からあった
    ①ドローンの導入事例、専門書籍の購入など、ドローンそのものについて調べる
    ②なぜドローンが必要なのか?という、依頼そもそもの目的を考える

    問題解決におけるメタ思考とは、いきなり問題を解き始めるのではなく、まず「問題そのものについて」考えることを意味する。一度上にあがって上位目的を考えることで、別の手段を発見できる。
    そのためにはwhyが必要である。他の4W1Hは全て具体化のための疑問詞であり、whyだけが特殊で次元の高い質問である。

    (1)
    以下の依頼主の言葉に対して、
    ①そのまま対応したらどのような解決策が得られるのか?
    ②依頼主の心の声はなんだったのか?
    ③WHYに応えるためのよりよい解決策は何か?
    を考えてみよう。

    ●「この前の飲み会、時間が短かったね」
    ①時間を長くする
    ②「時間が短い」の意味が、楽しかったからなのか、一人ひとりと話す時間が少なかったからなのか調査する。
    ③前者なら今までと同様に、後者なら席替えを提案する。

    メタ思考の無い人は、「時間」「費用」「価格」を変える、つまり「数字で解決しようとする」思考に陥りがちだ。
    数字に訴えることは、アイデア貧者の最後の拠り所であることを肝に銘じておくべき。数字で語ることが重要なのは「誰にでも納得性がある」からだが、逆に言えば「誰にでも理解できる」ことであり、それは思考が止まっている人でも理解できるということである。

    (2)手段の目的化の発見トレーニング
    上位目的を考える。
    調査や分析などの作業の「その先」に何があるのか?
    「その先のさらに先」の最終目的はなにか?
    →「なぜのなぜ?」を考える。

    (3)「競合はどこか?」を考える
    ●昔ながらの喫茶店の競合はどこか?
    ①昔ながらの喫茶店に行く目的をなるべく多く列挙する。
    (コーヒーを飲む、暇をつぶす)
    ②各々の目的の仮説に対して、「別の手段」がないか、喫茶店業界以外の選択肢をなるべくたくさん考えてみる。
    (コーヒーを飲む→コンビニで買う、暇をつぶす→スマホゲー)


    3 アナロジー思考のトレーニング
    アナロジーはパクリとは違う。パクリは具体的で直接目に見えるものを真似するが、アナロジーは、目に見えない類似性や、もの同士の「関係性」や「構造」レベルでの類似性を用いたアイデアを考える。

    アイデアの豊富さというのは、いかに新しいアイデアを異なる世界から借りてくるかに依存している。陳腐なアイデアしか出て来ない人は、狭い世界や業界の中、あるいはすでにヒットしている類似商品から発想するしかなくなるからだ。なるべく目を遠くに向け、目に見えないものの類似性を探すことで、いくらでもアイデアは出てくる。


    (1)「抽象化」+「具体化」
    ●子どものころに自転車の乗り方を覚えたときの経験や教訓を、なるべく具体的にリストアップしてみる。その経験や教訓を、他の学びに応用できないか考えてみる。
    ・左右のバランスを取るため、補助輪を一つずつ外していった
    →英会話で言えば、「リスニングとライティングのバランスを取る」
    ・はじめはゆるい下り坂から初めて、続いて平らな道に進み、最後は上り坂で練習した
    →英会話を学ぶとき、リスニングを0.5倍速→等速→1.5倍速、と変化させていった

    (2)アナロジーとなぞかけ

    (3)特徴的な業態からのアナロジー
    ●回転ずし以外の「回転〇〇」のアイデアを考え、「なぜ〇〇なのか?」「その成功要因はなにか?」について考える。
    →回転ずしの特徴は、「少量ずつ小分けになっている」「一皿で満腹にならない」「いろいろな味を試せる」「各々の種類に多様性がある」「意外な出会いがある」といったものがある。
    これらの成功要因は、単価がまちまちであり、製造が標準化できるものであり、見込み生産と受注生産によって在庫リスクや廃棄による損失を回避できるものである。
    →回転しゃぶしゃぶ(実際にタイにある)

    (4)身の回りの構造を抽象化するトレーニング
    ●信号機と特急の停車駅の共通点は?
    →増えることはあっても減ることはない

    便利なものは、自分のところにもあれば便利ということでメリットがわかりやすく即効的なので、何の抵抗もなく「自然に」増えていくが、減らすというのは多少の勇気が必要。
    同じことは、ポイントカードやキャッシュレス決済などの、提供者が一方的に押し付けるサービスにも言える。リモコンやガラケーのように、製作者のエゴと機能の増強がユーザーの需要を追い越してしまった例である。


    4 身の回りのどこからアイデアを持ってくるか?
    ・尖っている世界
    ・進んでいる世界
    ・誰にもわかりやすいが、自分が行おうとしている業界からは遠い世界
    ・物ごと単体ではない、「順番」「流れ」「現象」からアイデアを拾う


    5 ビジネスアナロジーのトレーニング
    ビジネスにアナロジーを使うメリットは、
    ・新しい商品やアイデアを生み出すことができる
    ・トレンドをいちはやくつかみ、それを展開することができる

    ●新聞と百科事典の共通点は?
    →有料が当たり前だったものが無料になりつつある。
    ●コピー機とエレベーターの共通点は?
    →本体を安く提供し、その後の消耗品やメンテナンス費用で儲ける。(替え刃モデルと呼ばれている)


    6 メタ思考を鍛えるために
    では、普段の日常生活から、いかにメタ思考を鍛えていけばよいのだろうか?

    ①自分にツッコミを入れる
    他人を批判したくなったり、「ダメだし」をしたくなったりしたときは、「本当に自分はできているのか?」と自問自答してみる。ツッコミを入れるためには、まずは冷静に対象物を観察し、話を聞く必要がある。

    ②性格悪くなる(疑り深くなる)
    why型思考の原点は、「疑ってかかる」こと。相手の言うことを容易には信じないことが大切。

    ③共通点探しのために
    「あそこで当てはまったからここでも当てはまるだろう」という安易な一般化を避け、「離れていながらも共通で、しかもあまり他のものには当てはまらない共通点」を探すことが重要となる。
    二つの物ごとを見比べるとき、「他のほとんどのものには当てはまらないが、当事者の2つだけには当てはまるものはなんだ?」と思考をめぐらせてみる。

  • 高次元の考え方を「なぞかけ感覚」で学べます。
    というと難しく感じるかもしれませんがそんなことはありません。
    あくまで身近な事を例に一緒に考えていきながら「メタ思考」を学んでいけるような構成となっております。
    世の中に対する「着眼点」をより高めたい方にはおすすめです。

  • 【目的】
    ものごとの本質を見極められるようになる
    【まとめ(1P)】
    ・「Why型思考」と「抽象化」で一つ上の視点から考える
    【ポイント(What)】
    ・自己を客観視することで視点が上がる
    ・メタ視点に上がるために「なぜ」を考える
    ・新しい発想とは、事象を抽象化→別の具体例に転用
    【アウトプット(How)】
    ・自分の特殊性を排し、もう一人の自分の視点をもつ
    ・上司や顧客の言葉の上位目的を考える
    ・成功事例を抽象化(本質を抽出)し、転用できないか?

    【その他】
    ・アナロジー=関係性のパターン認識
    ・人間は「自分は特殊」と考えがち

  • 話がうまい人、人をひきつける話をする人はだいたい本書の内容でいうことができている。

    具体と抽象の行き来について触れたとき、度肝をぬかれたのをレビューを書いている現在(読んでから4年くらいたつ)でも鮮明に覚えている。

    これを読んで、物事の関連性をとらえるようにアンテナを張れるようになった。

  • この視点は面白い!
    というものもありはするけれど、
    与えられている問いに対する、解答例として示されているものが、あんまり上手いと思えないものがいくつかあって、説得力に欠ける部分があった。

  • 【書評】もう1人の自分にツッコミを入れてもらおう!『メタ思考トレーニング』

    「メタ思考」や「俯瞰的に見る」事が大切だと巷ではよく耳にする。
    だが、真の意味を理解している方はどれだけいるのだろうか。
    不安な方はまず本書を手にとってみよう。

    1つは答えを出す前に「なぜ?」と考えること。
    そんなの知ってるわ!という方も多いかもしれないが、現場で実践出来ている人と自信を持って言えるだろうか。私はまだ言えない。
    1つの課題に対して、

    ・そのまま対応する
    ・なぜ?と考えてから、対策法を考える

    上記2つでは必ず答えが変わってくる。
    明日から些細なことで試してみることをお勧めする。

    もう一つは「隠れた共通点」を見つけることだ。
    優れたアイディアは、一見共通点がなさそうな2点を結び付けている事が多い。
    普段から「謎かけ」を意識してみると、隠れた共通点探しが捗るかもしれない。

    類似書籍としては『メモの魔力』が近い。
    事実を「なぜ?」で深め、別のアイディアや自身の行動に転用する。
    本書に書かれている内容を、メモを使って鍛える方法が記載されているためぜひご一読いただきたい。

    本書を通して、メタ思考とは「自分にツッコミを入れる」事だと感じた。
    日本ではまだまだ自身の価値観や、世間の常識に凝り固まっている人は多い。
    「本当にそうなのか?」ともう1人の自分にツッコミを入れてもらい、1人でも多くの人が凝り固まった状態から抜け出すことを願うばかりだ。

  • P 9
    自分自身を「幽体離脱して上から見る」ことは「メタ認知」と呼ばれ、視野を広げて自分を客観視するために必須の姿勢であると
    P 12
    ではなぜ「一つ上のレベルから考える」というメタ思考が必要なのでしょうか? それには大きく三つの意味があります。  一つ目は、私たちが成長するための「気づき」を得られることです。
    P 15
    まずは自分がいかに知らないか、自分がいかに気づいていないかを認識することが、知的な成長のための第一歩
    P 20
    続いて二つ目は、「思い込みや思考の癖から脱する」ことにあります。
    P 20
    まず「思い込み」とは、「自分(の考え方)が正しくて当たり前だ」と、 露 ほども疑っていない状態のことです。一つ目の気づきにもつながることですが、自らの視野を広げ、成長するためには、「自分は間違っているかもしれない」と常に自分自身の価値観を疑ってみることが重要
    P 23
    思考の癖」というのは、私たちが無意識に持っている「視野の狭さ」、あるいは思考の盲点と言ってもよいかと思います。高みから自分を客観的に眺めることによって、その視野の狭さを自覚することができます。「視野の狭さ」の最大の落とし穴は、視野の狭さに気づいていないことだからです。  
    P 26
    最後の三つ目は、上記二つで得られた気づきや発想の広がりを基にした創造的な発想ができる、
    P 142
    事実をありのままに見ているようで、無意識のうちに自己中心的なバイアスをかけてしまっているの
    P 160
    メタの視点に上がるとは、自分の特殊性を排除して、自らを客観視するところから始まります。
    P 215
    無知の知を実践するための一つの方法は、何か理解できないことや自分の価値観と反する事象に 遭遇 した際には、「相手がおかしい」と思うのではなく「何か自分の理解できない世界がある」と思ってみることです。別の言い方をすると、「相手を変えようとする」か「自分を変えようとする」かの違いとも言えます。
    P 230
    このように「手間がかかる昔ながらの方法=フォーマルで丁寧」 vs.「効率的な新しい方法=インフォーマルで失礼」という構図は、昔から繰り返されてきているのです。  新しい価値観というのは、自分の凝り固まった思考に気づくための一つの有効な手段となりえ
    メモ電話からメール、メールからline

    P 288
    問題解決におけるメタ思考とは、いきなり問題を解き始めるのではなく、まず「問題そのものについて」考えることを意味するの
    P 308
    Why以外の疑問詞というのは基本的にはすべて「具体化」のための疑問詞です。これらは「与えられた問題をどのように解くか」のヒントは教えてくれますが、「そもそも問題は違うところにある」ことを教えてくれる可能性があるのはWhyという言葉だけなの
    P 389
    スティーブ・ジョブズは「人は形にして見せてもらうまで自分は何が欲しいのかわからないものだ」という言葉を残しています。顧客が発する言葉は常に「いまあるものの改善」でしかありません。顧客の心の声を「メタのレベルで」とらえることではじめて革新的な解答を出すことができるのです。  ところが私たちの日常を振り返ってみると、依頼主に与えられた問題を「そのまま」解決しようとしていることがよくあります。
    P 578
    メタの視点に上がるために必要なのは、まず目の前に見えている世界を疑ってみるということです。そこから思考回路が起動します。先
    P 579
    言われたことを信じてすぐに具体化のアクションを始めると、大事な「問題の外側」を見失ってしまうことになります。
    P 594
    人間は他人のことは一般化するのが得意なくせに、自分のことはいちいち特殊であると思いたがる思考の癖が
    P 598
    ではそもそもなぜ特に自分自身のことについて視野が狭くなってしまうのでしょうか。その一つの原因は、物事を具体的なレベルでしか見ることができておらず、抽象化して「メタの視点で見る」ことができていないから
    P 601
    もう一つの仮説は、単に「新しい活動に反対したい」とか「変化を嫌っている」だけではないか
    P 602
    です。上述のように、この課題が本質的なものでない以上、単なる言い訳を言われている可能性も
    オレンジ色のハイライト | 位置: 608
    同じような思考回路を持った人間同士によって営まれている以上、本当に特殊な業界や業務などないはずです。逆に言えば、本当に「一般的な」業務や業界も存在しないので、目的に応じて適切な一般化、抽象化を行うことが重要です。
    P 681
    法律や規制、あるいは会社の規則というのも、「目に見える線引き」の典型的な例です。目に見える線引きは「誰にでもわかる」ものですから、多数の集団の規律を保ったり、ある程度できあがった仕組みを運用するためには必須のものですが、反面、時代の変革期になったときに陳腐化し、時代遅れなものとなってしまうために、むしろ変革に対しての阻害要因に
    P 685
    こんなときに必要なのが、メタのレベルに上がって「そもそもその線引きは何のためだったのか?」を問うてみることなのです。  そのために必要なのが、Why
    P 740
    アナロジーとは類推、つまり「類似のものから推論する」
    P 748
    アナロジー思考の基本にあるのは抽象化の考え方です。  抽象化とは、複数の具体的な事象に高次の共通点を見つけて一般化することです。そこで見つけた共通点を基にして一見まったく異なるように見えるものをつなげることで新しい発想を生み出すことができる
    P 753
    アイデアの豊富さというのは、いかに新しいアイデアを異なる世界から借りてくるかに依存しています。陳腐なアイデアしか出てこない人は、狭い世界や業界の中、あるいはすでにヒットしている類似商品から発想するからです。なるべく目を「遠く」に向け、目に見えないものの類似性を探すことで、いくらでもアイデアは出てきます。
    P 773
    これまでとは違う「不連続な」発想を生み出すことができる
    P 791
    複雑な事象を他者に簡単に説明
    P 846
    良いアナロジー思考というのは、ここでいう具体と抽象の「ギャップ」が大きいことです。  したがって、アイデアの源はまず徹底的に具体的にとらえることが重要
    P 850
    はじめは付いていて、片方ずつ取っていくことができる」といった補助輪ならではの特徴を抽象化した状態で抜き出すことができ
    P 858
    自転車における「下り坂→平らな道→上り坂」というのは英会話で言えばどういうことなのか、と考えてみれば、例えば「ヒアリングを〇・五倍速→平常速→倍速で練習していく」といったアイデアにつなげることができます。  ところが、これを単に「徐々に難易度を上げていく」といった「(自転車に限らず)何にでも当てはまる」ような抽象度の高いレベルでとらえてしまうと、英会話でも簿記でも何でもそのまま当てはまる反面、当たり前のアイデアにしかならないのです。
    P 873
    具体→抽象→具体の往復を思い切って行うことで、これはまさに優秀な意訳に通ずる
    P 948
    成功要因を抽出する」ことが「ただの思いつき」とアナロジーとの違い
    P 1,038
    直接目に見えない関係性や構造」をパズル問題ではなく、日常生活やビジネスの中で見出して、それをパターン化することで様々な領域に応用させるのがアナロジー思考であると言えます。ここでいう「関係性や構造」というのがメタの視点から眺めることで見えてくるのです。
    P 1,061
    何かを減らそうとするのは「現状以上を望む」という人間心理
    P 1,119
    アナロジー思考の一つのアプローチ方法は、まずは遠くのものをランダムにあげてみて、その後に抽象化された成功要因と照らし合わせて「筋の良さ」をチェックするというもの
    P 1,164
    成功と失敗は正反対と思われがちですが、折り曲げてみれば「同じ」で、対極は「何もしていない」になります。同様に、「不満が多い人」と「アイデアマン」というのも「折り曲げて」みると、「現状に満足していない」という点で「同じ」になります。
    P 1,167
    現状への不満」を前向きにするか後ろ向きにするかで、実は一八〇度違う結果になるの
    P 1,307
    さらに抽象化して、(年賀状以外でも)「他人の自分への接し方は自分のその人への接し方で決まる」として、さらにはそれが「個人間」だけでなく「世代間」でも同様のことが起きると広げて考えてみれば、「頼りない草食の若者世代」を作っているのは、他ならないそのことを嘆いている年配者世代であることにも気づくはずです。  この例は抽象化やアナロジーの考え方が日常のあらゆるところに使えることを端的に示したもの
    P 1,333
    自分の職業で悩んで行き詰まったときには「職場の同僚」に相談するだけでなく、「遠く」でありながらも「類似性の高い」職業の人の話のほうが役に立つこともあるでしょう。そもそも職場の同僚が解決できることは日常的に解決しているはずなので、「行き詰まっている」状態のときには解決策は自分と遠い世界にあることのほうが多いの
    P 1,364
    ビジネスにアナロジーを使うメリットは、 ・新しい商品やアイデアを生み出す ・トレンドをいち早くつかみ、それを展開する  といった形で、新しいアイデアを創造し、将来の予測ができること
    P 1,785
    自分に「 突っ込み」 を入れる  メタ思考とは「もう一人の自分の視点」を持つこと
    P 1,795
    性格悪くなる  Why型思考の原点は「疑ってかかる」ことです。
    P 1,803
    共通点探しのために  アナロジー思考の基本は(見た目は違うがメタレベルでの)共通点を探すことです。

  • 著者のその他の本に比べると明らかに内容が劣る
    半分読んだとこで断念

  • メタ思考とはがわからなかったので読んでみた本。
    考え方の発見になった部分といつもやってることで良いのか。という部分と。

全86件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

細谷功(ほそや・いさお):1964年生まれ。ビジネスコンサルタント、著述家。問題発見・解決や思考力に関する講演や研修を国内外で実施。『仕事に生かす地頭力』(ちくま文庫)、『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』(共に東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)、『思考力の地図』(KADOKAWA)等著書多数。

「2023年 『やわらかい頭の作り方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

細谷功の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×