「健康食品」ウソ・ホント 「効能・効果」の科学的根拠を検証する (ブルーバックス) [Kindle]

著者 :
  • 講談社
3.80
  • (1)
  • (2)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 15
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (224ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • フードファディズムは情報災害の一種で、多くの人が情報に惑わされ、食べ物に過剰な意味付けをしている。

    国家も健康食品メーカーのロビーにほだされてトクホやら何やらと認証制度を始めた。しかし、根拠の論文を確認するとほとんど効果がないものばかり。認可を受けた成分と宣伝で謳っている成分・効能が違うもの、論文の査読がいい加減なもの、同じ製品を認可の有無で露骨に価格差をつけて売っているもの、そんな世界が広がる。

    日本はなんでこんなしょーもないものにお墨付きを与えているのか、と嘆く。おそらく、政治家はトクホに効果がないということを理解していない。健康食品は健康にいい、というぽやっとしたイメージはマスコミ報道やCMで強化される。普通に生活していれば疑う余地は生まれない。ならば健康食品を公式に認可すれば健康と経済を両立できる、という判断になる。

    役人は事故があれば自分に責任が及ぶ。なので、安全性が第一の条件で、それをクリアしていればあまりとやかく言わない。それでも、いくつかの不当な広告は指導してトーンダウンさせている。

    おそらくこんなところ。

    「フードファディズム」という概念がほとんどまったく広まっていない。例えば玄米を食べれば何かいいことがある。多くの人はそう信じて食べる。デメリット(不味い、食が細い人には栄養が不足する)は目に入らない。

    挙げ句、『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』のようなデタラメな本が売れる。

    あんな本は、本書の最終章で完全に論破されている。2時間かけてあっちの本を読まなくても、15分で読める部分で100%有用な情報が手に入る。

    人は食べ物と一緒に情報を食べている。しかし、空虚で人を惑わせる情報が多すぎる。でたらめな情報は棄却し、もっと楽しく、美味しいく食事を味わうべきだ。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

群馬大学名誉教授。一九四九年生まれ。日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士課程卒業。東北大学大学院農学研究科食糧化学専攻博士課程修了。農学博士。氾濫する健康関連食情報を「フードファディズム」という視点で読み解くことの必要性、ならびに食生活領域のジェンダー問題解決の重要性を提唱している。著書に、『「食べもの情報」ウソ・ホント』『「食べもの神話」の落とし穴』(いずれも講談社ブルーバックス)など。

「2016年 『「健康食品」ウソ・ホント 「効能・効果」の科学的根拠を検証する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高橋久仁子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×