「健康食品」ウソ・ホント 「効能・効果」の科学的根拠を検証する (ブルーバックス) [Kindle]
- 講談社 (2016年6月20日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (224ページ)
感想・レビュー・書評
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フードファディズムは情報災害の一種で、多くの人が情報に惑わされ、食べ物に過剰な意味付けをしている。
国家も健康食品メーカーのロビーにほだされてトクホやら何やらと認証制度を始めた。しかし、根拠の論文を確認するとほとんど効果がないものばかり。認可を受けた成分と宣伝で謳っている成分・効能が違うもの、論文の査読がいい加減なもの、同じ製品を認可の有無で露骨に価格差をつけて売っているもの、そんな世界が広がる。
日本はなんでこんなしょーもないものにお墨付きを与えているのか、と嘆く。おそらく、政治家はトクホに効果がないということを理解していない。健康食品は健康にいい、というぽやっとしたイメージはマスコミ報道やCMで強化される。普通に生活していれば疑う余地は生まれない。ならば健康食品を公式に認可すれば健康と経済を両立できる、という判断になる。
役人は事故があれば自分に責任が及ぶ。なので、安全性が第一の条件で、それをクリアしていればあまりとやかく言わない。それでも、いくつかの不当な広告は指導してトーンダウンさせている。
おそらくこんなところ。
「フードファディズム」という概念がほとんどまったく広まっていない。例えば玄米を食べれば何かいいことがある。多くの人はそう信じて食べる。デメリット(不味い、食が細い人には栄養が不足する)は目に入らない。
挙げ句、『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』のようなデタラメな本が売れる。
あんな本は、本書の最終章で完全に論破されている。2時間かけてあっちの本を読まなくても、15分で読める部分で100%有用な情報が手に入る。
人は食べ物と一緒に情報を食べている。しかし、空虚で人を惑わせる情報が多すぎる。でたらめな情報は棄却し、もっと楽しく、美味しいく食事を味わうべきだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示