【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める! [Kindle]

著者 :
  • あさ出版
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感想 : 29
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感想・レビュー・書評

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  • P.70まで読了

  • ◉まとめ

    ・γ>g が常に成り立つことの“補強証拠”として、膨大なデータを積み上げた
     γ>gは、数学帰納的に証明されたのではなく、あくまで歴史的な事実に留まる(=予想)
     だから、このシンプル極まりない1点を言いたいがために、さまざまな角度から検証した(学者的な良心や矜持が汲み取れる)
    ・ピケティの結論は、γ>gは、アングロサクソン型資本主義社会の性向である、ということ。
    ・“補強証拠”として着目したのは次の3つ

     ❶資本/所得比率 β
      国民総所得に対する資本の比率。
      つまり、国民が1年間に得る所得(=年収)の何年分に相当する資本が存在しているか。
     ❷所得格差
      トップ1%の所得比率。
      つまり、全国民が得ている所得の何%を、トップ1%の高所得者が占めているか。
     ❸資本格差
      トップ1%および10%の資本比率。
      つまり、全国民が持っている資本の何%を、トップ1%の資本家が占めているか。


    γ:資本収益率。資本に占める資本所得の比率。
      つまり、所有している資本から、どれだけの所得を得たか。
    g:GDP成長率。
      つまり、全国民の所得が前年度からどの程度増加しているか。


    gは、定義上、所得成長率と同義だが、資本所得(資本から得た所得)と労働所得(労働から得た所得)も含まれる。

    労働所得:資本所得=7:3くらい?  ※ここでいう資本所得≒民間所得

    くらいなので、
    (GDP成長率)∝ (労働所得の伸び率)

    つまり、gは、労働所得の伸び率を示す指標である(本来なら労働所得と資本所得を分けたいが、そんなデータはとれないため)。
    一方、rは、資本所得の伸び率を示す指標。

        γ     >    g
    (資本所得の伸び)>(労働所得の伸び)

    資本所得=資本収益は資産家(トップ○%)のもの
    よって、トップはより豊かになり、ボトムはより貧しくなる構図=格差拡大



    ◉所感
    ・文中および表中の用語の統一の精度が低い
     (筆者というより、出版社の校正の精度が低い)
    ・専門用語の説明が雑、読み飛ばしたりスルーできる勇気が必要
    ・万人向けといえど、擁護と合わせて文字(β、γ、αなど)を用いて説明してほしい(いちいち前のページに戻って文字と用語を脳内で一致させるのが面倒)
    ・字が大きすぎる。前図と比較するなら、レイアウト変更して再掲してくれよ…

  • 【 #書籍紹介 】 @BizHack1
    経済学者 #トマ・ピケティ #21世紀の資本 の解説本。

    r>gの概要がまとめてあり、ざっくり把握できます。

    この本を読んでから
    元の本を読むのもアリかも知れません。

    #【図解】ピケティ入門 #たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!
    https://amzn.to/3l9FBZW

    2021/11/28

  • 原書を読むことは一生ないと思うので、本書は勉強になった。
    二度の戦争で一時的に累進課税がされた流れは、現在のコロナ騒動で進んでゆくのだろうか??
    環境派の過激な叫びは、正しいか間違っているかは別として、人々が理解しやすい感情的な文脈であり、利用しやすいカウンターなのだろう。

  • ピケティの功績

    r>gはどの点が世紀の発見だったのか

    ■概要
    r>gに至るまでの背景説明
    これまでの2,000年に渡る研究によって、経済成長率や所得の伸びや、資本と所得の比率の推移を示した。
    ノーベル賞受賞者のクズネッツは、所得格差はやがて緩やかになることを示したものの、それは縦横共に限定的なデータが前提だった。(米国の特定の時代だけを見た)
    ピケティの功績は、2,000年の世界経済を見たことで、格差の縮小は「産業革命〜戦争」を経た近代特有の現象だと指摘する。それはr>gが戦後の特殊要因(資産の損壊や復興課税)を除き普遍的である以上、資産を持つものによる資本収益率が常に労働所得(≒g:経済成長)を上回るからである。

    ■所感
    もうちょっと踏み込んでほしい。特に累進課税や資産課税の提言部分の解説が欲しかった。これならダイヤモンドとか東洋経済のWeb記事で良いと思う。
    分かりやすさとしては◎なので★3つ(2.5くらい)か。

    • tr26さん
      金本位制では無くなったので、通過供給量は理論上無限となった。通過発酵で懸念すべきはインフレ率。日本はインフレ率が目標2%を下回っているのだか...
      金本位制では無くなったので、通過供給量は理論上無限となった。通過発酵で懸念すべきはインフレ率。日本はインフレ率が目標2%を下回っているのだから、もっと供給しても良い。
      2021/11/18
  • 今更ながら、無料ってことで読んでみました。

  • 読みやすかったですが、電子書籍の影響もあって、図がわかりづらく、参照しながら読むことができませんでした。レイアウトは考慮できそうです。シンプルに結論をまとめてくれているので、理解しやすかったですが、本当にこれでいいのだろうかとの疑問も。

  • 3.3

  • 経済学者トマ・ピケティが書いた『21世紀の資本』を経済学者・高橋洋一が簡単に解説した本。

    わかりやすくて勉強になった。

  • 経済格差と税金について知りたくて読書。

    初めてキンドルで読書してみた。ページ数がないので違和感があったりするが目次からあとがきへ一瞬で飛べたり、単語から検索できたり、ワンクリックでブックマークできたり、本文をコピーしたりとデジタルの便利な面もある。使用しているのが、タブレット端末のファイヤー8なのでちょっと重いので慣れが必要かもしれない。

    書籍がインターネットと連動しているので、他の読者がハイライトした場所と人数が表示される。個人的にこれは理解力を妨げそうな印象がある。

    さて、本書は多くの人が感想で紹介しているように結論は、r>gの不等式で、格差はそのままでは拡大し続ける。是正する有効手段は、累進課税の強化など税金ということらしい。

    日本でも格差拡大が話題となるが、確かに40年前と比べると格差が広がったようだが、ここ数年の短期で見ると格差は縮小傾向との統計を出している専門家もいる。

    本書では、アジアやアフリカなどの経済発展により世界的な地域間格差は縮小しているとなっている。

    結局、資産を築くためには、労働収入ではなく、投資や不動産からの収入、利益を継続的に得る仕組みを持つなど「お金に働いてもらう」ことが必要と理解。

    読書時間:約35分

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。数量政策学者。嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科教授、株式会社政策工房代表取締役会長。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官(首相官邸)などを歴任。小泉内閣・第1次安倍内閣ではブレーンとして活躍。2008年に退官。菅義偉内閣では内閣官房参与を務めた。『さらば財務省!』(講談社)で第17回山本七平賞を受賞。著書はほかに、『正しい「未来予測」のための武器になる数学アタマのつくり方』(マガジンハウス)、『高橋洋一式「デジタル仕事術」』(かや書房)、『国民のための経済と財政の基礎知識』(扶桑社)、『理系思考入門』(PHP研究所)、『国民はこうして騙される』『プーチンショック後の世界と日本』(徳間書店)など多数。YouTube「高橋洋一チャンネル」でも発信中。

「2023年 『日本の常識は、世界の非常識! これで景気回復、安全保障は取り戻せるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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