- Amazon.co.jp ・電子書籍 (359ページ)
感想・レビュー・書評
-
フリーのグラフィックデザイナー恵介は、地元静岡の暮らしを嫌がり、大学から東京の美大へ進み結婚後も東京暮らし。父が脳梗塞で倒れたことから帰省し、苺栽培に惹かれていつの間にかのめり込んでしまう。
今後の日本の課題とも思うが、誰かが専業で農業をやるのではなく、皆が兼業でできることをやりながら続けていくほうが未来は明るいと思う。
そして拘りの野菜や果物を、世界も視野に入れて輸出していくのも、人口減少している日本ではこれから必要なんだろうな。
ストロベリーライフは、恵介のブログのタイトル。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本のタイトル通り、イチゴ農家のお話。
紅ほっぺや章姫や、農家の大変な苦労がすごく伝わる。
農家が嫌で跡を取らず、東京で暮らす主人公が、父親が病気で倒れ急遽実家に帰ることに。
もう翌年の苗まで予約している父親の思いと
腰痛に耐えながら淡々と収穫と家事をこなす母親、
取り巻く姉たち、東京に残した家族、同級生など、
たくさんの人とのかかわりの中、
ど素人がど素人なりの考えで農業に挑んだ物語。 -
望月恵介は、広告代理店につとめ、広告の賞を獲ったりした。そして、独立して2年、事務所には電話もかかってこない暇さなのだ。フリーランスは、そんなに簡単に稼げるわけではない。会社の看板があるから仕事ができるのであって、個人の生身で戦うには、チャンスをうまく掴み取るセンスがいるのだ。妻は、CM撮影で知り合った、手タレントの美月。現在はパートで凌いでいる。イタヅラ盛りの息子銀河がいる。富士山の麓で農業をやっている親父が倒れたという電話が来る。早速、故郷の実家に行く。恵介には三人の姉がいる。剛子、進子、誠子。それぞれ、仕事や家庭を持っている。恵介は末っ子だが、長男である。農業相続人である。父親と喧嘩していたので、実家がどうなっているのかわからなかった。父親は倒れたが、死ぬことは免れたが、半身不随でリハビリがいる。
実家は、トマトなどを作っていると思ったが、イチゴを2反の温室で作っていた。父親の日誌とイチゴ栽培手引きである『イチゴ白書』を頼りに、イチゴ栽培を手伝うことに。デザインの仕事が少なくなっているのでこれ幸いとイチゴ栽培にのめり込む。親父の偉大さに気がつく。父親のやっているイチゴ栽培のイチゴは美味しいのだ。なぜ美味しいのか?は土壌で作っているからだという説明しかない。
同級生のガスは、冴えない男だったけど、イチゴ栽培で大きくやっており、高設栽培をしていた。
恵介も積極的に高設栽培を取り入れる。母親の腰痛を考えてのことだった。
恵介が、静岡に入り浸りになると、美月が怒って口も聞いてくれない。銀河は、恵介のことを忘れてしまう。それでも、昆虫図鑑が好きで、帰ってくると恵介に読んでもらうのが好きだ。
恵介は、美味しいイチゴを美月、銀河に味わってほしかった。畑で食べるイチゴは不恰好でも美味しいのだ。そして、恵介は父親が来季の苗を頼んでいたので、母株作りを始める。この物語は、イチゴ栽培について丁寧に説明する。ふーむ。恵介くん。種子繁殖系イチゴのベリーポップやヨツボシがあるよ。そしたら、母株からランナー取りしなくていいよ。イチゴ栽培を経営の視点から考えた方がいいよ。そして、恵介は、直販といちご狩り観光農園を目指すのだ。温室の前には、巨大な富士山があるのだ。ふーむ。小説として、ちょっとありきたりすぎるなぁ。いずれにしても、2反のイチゴ温室では、消耗するだけだと思うけど。まぁ。イチゴ農家の実態がよく描かれているのには、感心した。
#萩原浩 #イチゴ #種子繁殖系イチゴ #ベリーポップ #ヨツボシ -
実に荻原先生らしい作品
-
2017/10/16
913.6||アリ (3階日本の小説類)
農業なんてかっこ悪い。と思っていたはずだった。イチゴ農家を継げと迫る母親。猛反対の妻。志半ばのデザイナーの仕事はどうする!?夢を諦めるか。実家を捨てるか。
岐路に立つ日本の農業、でも視点を変えれば魅力はいっぱいある!! -
2017_07_05-63