赤い部屋 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 単純に面白かった
    【火事場で子供は家の中で泣いている と暗示を与えて細君を猛火の中へ飛び込ませた】という件で、もしやあのときの真犯人がこんなところで...! と思ったのだがオチで違うとわかって残念だった。
    それはそれで面白いと思うのだが。
    夢野久作が満点評価しただけある。

    #読了
    #江戸川乱歩

  • 娯楽がなかった頃はこういう話が面白かったのかなぁ。

  • 何をしてもつまらないと言う男が、犯罪に目を向けて決して容疑をかけられない前提で殺害を繰り返し、100人目に自殺すると言う内容をあるクラブで話すのだが…

    人間椅子よりは奇怪ではない。

  • 面白すぎる

  •  とにかく引き込まれる語りで、どんどん物語に没頭していってしまう。この話の中心と見なされる人物が起こしてきたという事件に、それは仕方がないとか、それはどうしたものか、などと頭のなかで相槌を打っているあいだに、さらに驚きの事件が起こって、語り手の推測に読み手であるわたしも納得しかけていたところ、さらに振り回されるという。読むことの楽しさというのはこういうことだとあらためて思いました。乱歩、好きだ。

  • 喫茶店で急遽読書会。 オチのキレの良さ、物語の求心力は非常に強い。部屋の描写が読者を幻想の中に惹き留め、それが重要なギミックになっている。視点が聞き手から始まるので、読者もまた赤い部屋にいる客人であるかのように感じることができる。そしてそれが読後感に大きく影響してくると思う。内容も誰もが一瞬頭をよぎったことのあることというか、そういう感覚をうまく表していて面白い。再読してもやはり傑作。

  • 天井から壁、床、椅子に至るまで全てが真っ赤な部屋に集まった7人の男。彼らは日常では味わえない異常な興奮を求め、夜な夜なこの部屋に集まり怪異な話を披露しあうのだった。今宵の話者は新入りの男。彼はあらゆる刺激、たとえこの部屋で交わされる怪奇体験でさえも退屈であると話す。そんな彼を唯一興奮させるもの、それは「殺人」であった。彼がかつて事故で瀕死の怪我人に医者の場所を尋ねられた際、間違ってヤブ医者を教えてしまい結果死んでしまったのを「私が殺したのではないか」と考えたことをきっかけに、彼は「絶対に罪には問われない殺人」の虜となる。彼はさまざまな手口を考案、そして実行し、今日までに99人もの人間を殺してきたと話す。

    殺人の手法を惜しげもなく話す男の語り口にグイグイ引き込まれていく。ラストシーンに賛否はあるようだが、個人的には好きだった。エンタメ。

  • めちゃくちゃ面白かった!赤い部屋に行ってみたくなりました。

  •  締め切られた真っ赤な内装の部屋で蝋燭の火だけが灯っている怪しげな雰囲気、語り口調、本来隠すはずの殺人という行為を他人の前で隠さず、見せる犯罪として行う奇抜な仕掛けなどなど、ザ・乱歩という作品だった。これは作者名隠されてても誰が書いたかわかる。そしてさすがに面白い。
     なぜタイトルが赤い部屋なのか。それは読み終わったら真っ先に思い浮かべた。
    「真っ赤な嘘」という言葉のとおりだった。
     
     危険な刺激に飢えている秘密クラブ「赤い部屋」に集まった7人の男たちは期待のニューカマーT氏の奇談をワクワクしながら待っている。この秘密クラブに入会した人間はまずは自分が何か面白い話を披露しなければならないのだ。
     文頭から雰囲気に引き込まれ、T氏の話をワクワクしながら聞いている自分が居る。小説なのに、世界観に一気に引き込まれて、物語を追体験している気分になる。ここらへんがさすが乱歩。
     
     そして物語の仕掛けとなるのはT氏がこれまで行ってきた99人の殺人の手法。
    なんと、全ては白日の元で行ってきたという(使い方合ってるのかな…)
    ・医者が必要な急病人に敢えてヤブ医者を紹介する
    ・踏切を渡る老人にわざと大声で「危ない!」と声をかけて狼狽させて電車に轢かせる
    ・線路の上に置き石になるように躓いたように見せかけて石を蹴り上げておく(撤去に間に合わない時間に駅に知らせに行く)
    ・泳ぎの下手な友人を海岸で飛び込みに誘う

     この殺人を告白したあと、給仕の女性に玩具の銃だと言って自分を打たせる余興をして自殺する。なんと100人目がT氏自身の殺害だったのだ。ここまで読むと、もう自分はすでに秘密クラブ「赤い部屋」のメンバーとなってT氏の自殺についてはなるほど考えたなぁと感心してしまう。
     しかし、全ては……赤い部屋だった。電気が付いたら、物々しい赤い部屋もなんだかちゃっちい部屋に見えたという話。短いのにすごい緊張感と興奮がある作品だった。

     ちなみに乱歩はこれを谷崎潤一郎の「途上」にインスパイアされて書いたそう。「途上」は未読だが、夫が妻の免疫を低下させてわざと病気に罹りやすくさせて殺害するミステリーだそう。これも面白そう。

  • お、面白ェ〜〜!
    全部が赤い部屋の中での最後のパフォーマンスのための嘘だったと思いたいけど、「T氏の話は嘘であった」と思いきれない部分もある。
    実際自分が赤い部屋の中のうちの一人だったら「こいつマジでやっちゃってんじゃない?」って思うだろうし…

    あと給仕の女性好きです。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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