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感想・レビュー・書評
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ヴェルーヴェン警部三部作の最終巻。前作の『その女アレックス』以上に、第一作の『悲しみのイレーヌ』との繋がりもネタバレ度合いも強く、絶対に本作から読んではいけない。イレーヌのことがあったカミーユにアンヌという恋人が出来ているという始まりにまず驚くが、この女性が被害者として事件に巻き込まれるところから幕が開ける。構成こそ奇をてらわないが、これまでより視点の数が増えていることが謎を作り上げていくことを助けている。これで完結とは残念過ぎる。
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事件が起きてから解決までの3日間が怒涛のスピード感で描かれる。「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」のような劇的な大転換はなく、徐々に全貌が見えていくストレートな展開ながら、3日目の緊張感は半端なく、どういう結末を迎えるのか不安と期待で一気読み。■チームメンバの活躍がほとんどなかったのと(アルマンの死が一番ショックだった)、アフネルが(この事件の範囲内では)いい奴なのに死んでしまったことが残念。
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イレーヌの死から立ち直ったのかと思った矢先、恋人のアンヌが強盗に襲われ、激情に駆られたカミーユが独断で突き進んでいくんだけど、実を言うとそれもうまく仕組まれた罠だという・・・・とにかく面白かった!
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3部作の最後。
本当にのめり込ませ方が上手いと思う。
前半や初めはスリルやシーンで見せて、後半は内容と展開で読者を虜にしてくる。
また3部作通して思ったがルイとカミーユも全員キャラが立ってて良い。カミーユが内省的で自分の行動原理を改めることがあるのも、カミーユの身体的背景が関わっていたり、過去の事件があるからなどがあると思う。ただそれを共感ではなく、カミーユとして読者も感じながら物語を進めていくことが出来た。
とても良い作品に出会えて良かった。 -
三部作完結編。前二作と比べるとプロット部分では劣るが、カミーユという一人の物語の決着としては見事な着地。傷だらけだけど死に体ではなく起き上がり続けるカミーユを突き動かすものは何か。「原罪」「贖罪」といったキリスト教的な言葉が頭に浮かび続けた。悲壮、哀愁に取り囲まれるカミーユの中にただ残り続ける亡き母親の愛情の渇望に胸がますます締めつけられる。母親の喫煙に起因する低身長というコンプレックスがアイデンティティ・行動原理になっていったことも、悲劇の原因だったのも読後の侘しさの理由なのかもしれない。
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傷心のカミーユ警部と同棲するアンヌ、たまたま立ち寄ったトイレで宝石店強盗の二人組に遭遇、重症を負う。職権を越えて捜査に乗り出し、立場が危うくなるカミーユ警部。病院で狙われるアンヌをアトリエに匿うが、襲撃者が現れる。
警部は辞職してしまったのでしょうか。様々な事件を解決してきた、あの素晴らしいチームはもう見られないのでしょうか…って、噂に聞くだけですが。 -
終わってしまうのが残念なシリーズ。
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切ない。三部作の最後の一冊で、これだけは最後に読まないといけない。しかし、やりきれない。
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カミーユ警部シリーズ3作目。『悲しみのイレーヌ』はとてつもない文学的なトリックに驚かされ、『その女アレックス』は何度もどんでん返しがある展開に驚かされた。
今回もバイオレンスとサスペンスとミステリー満載で本シリーズらしい内容だけど、いまいちパンチに欠ける・・・という感じ。