アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 自分は正しいと思っている人は言葉が強くなり他人を非難するような言い方になってしまう傾向が強く、逆に調和を重んじる人は言いたいことも言えずモヤモヤを心に抱えたままになってしまう。

    アサーションとカタカナで書けば何か新しい概念のように思えるが、簡単に言えば「ものの言い方」を正しくしよう、ということである。伝える中身も大事だが、伝え方も同じく大事であることに気づかせてくれる一冊。

    勝間和代さんの「断る力」の中で紹介されていたことがきっかけだが、伝え方に悩んでいた自分にとってはストライクな本であり、この本も含めて関連書籍を読むことで、ようやく自分の中で腹落ち、言語化することができた。

  • アサーションとは、自他尊重の自己表現。

    私は、日頃から、アイ(私)メッセージで伝えることや、言わないとわからないから言葉にする、などは心がけているので、目新しい内容には感じなかった。

    攻撃的自己表現と、非主張的自己表現をする人の心理については参考になった。
    また、コミュニケーション以前に、すべての人は、成果や評価に関係なく、愛と所属の欲求が満たされるべきというマズローの説など。

    自他を尊重するとはどういうことか?
    人それぞれが自分らしくいることを邪魔しないこと。

    人を自分の思い通りに動かすとか、自分の思い通りになるよう交渉するなど、自分中心のコミュニケーション術を磨くことではない。

    自分の気持ちや考えを伝えつつも、
    相手に不満を残させないような
    コミュニケーションをしたい。
    人を傷つけないことは不可能であることも
    肝に銘じて。



  • 読書の醍醐味

    新しい知識を授けてくれる本は数多くあるが、納得のできる新しい考え方を授けてくれる本はそうそうない。私にとって、この本は後者だった。これぞ、読書の醍醐味だと思う。

    アサーション=自分も相手も大切にする考え方は、耳にすることはあったが知識としてしっかりと学ぶのは本書が初めてであった。

    衝撃を受けた部分を記載する。

    P.28「非主張自己表現」では以下のような記載がある。
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    「非主張型自己表現」=「自分を大切にしない、自己主張を抑えた自己表現」の傾向が強い人は、一見控えめで相手を配慮して一歩引いているように見える。そのため、相手は「同意してくれた」「気持ちよく譲ってくれた」と受け取るかもしれない。ところが実は、「分かってもらえていない」「感謝が十分でない」などの不満や恨みを抱えているとしたら、相手はたまったものではない。
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

    私は非主張型自己表現の傾向が強く、上記の「分かってもらえていない」「感謝が十分でない」という不満を持つことに覚えがあった。しかし、伝えていないのだから当然相手には伝わらない。伝わらないのに不満や恨みを持たれるなど、相手にとっては心外だろう。

    伝えないのであれば、自分の中で消化する責任を持つ。
    それが難しいのであれば、はっきりと伝える。
    このような意識改革に迫られた。

  • アサーション然り、ファシリテーション然り、理論としては素晴らしいし、大いに共感できる。が、それが実社会では機能しないから問題なわけで。アサーションだ〜とか言って、自分の意見を表明したら、ボコボコにされるのが日本社会なわけで。そこらへんが難しいよね。でも、いい本だとは思います。

  • 自己表現には「非主張的」、「攻撃的」、「アサーティブ」の三種類があり、自分も相手も大切にする手法としてのアサーションを紹介する一冊。
    自分はどちらかと言うと非主張的な振る舞いをしてしまいがちなので、挙げられていたケーススタディが参考になった。

    結局の所、消極的にしろ、攻撃的にしろ、コミュニケーションの源泉は自己の心の中にあり、失敗することを受け入れ、自分の思いを主張し、相手の主張を受け入れるという自身のマインドを持つことが大事ということなんだと思う。

    周囲がアサーションを知らないときでも、自身がアサーティブに振る舞うことは変わらない、という記述があったが、そこまで強く自己を持てるかはちょっと自信がなかった。

  • 読了まで:2時間
    目的:
    ストレスなく人とコミュニケーション取れるようになる

    基本的なことが書かれている本
    自己実現のフェーズは、自分がなることができる人になろうというフェーズがしっくり来た。
    がつがつ自分の欲求を実現させていくというイメージを持っていてそれはただ自分がなれると思っている姿を描いた人の1例で、穏やかに自己実現する方法もあるなと思った。

  • アサーション入門
    ~自分も相手も大切にする自己表現法~
    (講談社現代新書)

    著者 平木典子
    2 0 1 2年2月20 日発行
    講談社

    アサーションって、なんか宗教がかっているような響きに聞こえるけど、全く関係なし。直訳すると主張、断言、断定、言い張ること、など。しかし、コミュニケーション手法としてのアサーションとは、自他尊重の自己表現、簡単に言うと副題の通り、自分も相手も大切にする自己表現となる。
    人の意見をちゃんと聞け、というのは、学校でもビジネスの場でも言われる常識。しかし、人の意見を聞くという意味が誤解され、アリバイ的にその意見を取り込んだり、また、最近ではKYと言われたくないので丸々自分の意見を引っ込めたり。人の意見を聞かないのもだめ、自分を押し殺すのもだめ、自他共に尊重することが大事だ、と著者。ちゃんとした心理学者が書いている本だが、中身は大したことない。10ページぐらいあれば説明できる内容、いや、副題だけでも十分かも。
    ところで、画像2枚目、108ページ。
    タスクのためのアサーションでは抽象的な言語表現が優位に(赤線部分)と書いてあるけど、前からの流れでいうと、抽象的ではなく具体的の間違いではないでしょうか?
    みなさん、どうでしょう?

    ○-○-○-○-○-○-○-○-○-○-○-○-

    ・人間関係における自己表現には3タイプある
    ①自分より他社優先、自分は後回しに(非主張的自己表現)
    ②自分のことだけをまず考え、時に他者を踏みにじる(攻撃的自己表現)
    ③上の要素を黄金率でミックスする(アサーション)
    ・雑談での「押しつけがましいだめ押し」や「不必要な一言」なども、優位に立つための攻撃的自己表現となる

    ・アサーションの2種類
    ①仕事をしたり、問題解決をしたりしようとしている時のアサーションは「タスクのためのアサーション」
    ②よりよい人間関係をつくろうとしている時のアサーションは「メンテナンスのためのアサーション」
    ・タスクのためのアサーションでは、論理的思考や抽象的(?)な言語表現が優位に使われる
    ・メンテナンスには、タスク遂行時のような言語的表現や論理的思考よりも、非言語的行動や情緒的表現が有効

    ・対人場面の不器用さを「KY」と批判することがあるが、空気が読めて当然と言わんばかりのこのような批判もアサーションではありえない

  • 一回読んで終わりではなく,身につくまで何度も読み返すべき教科書のような本.

  • アサーションとは「言いにくいことを相手を傷つけずに伝える技術」。
    自分の意見を押し通そうとする人とのコミュニケーションに悩んでいたときに購入しました。

    早速実践してみると大成功!
    相手に自分の気持ちを分かってもらい、配慮してもらうことができて良かったです。まさにアサーティブ。今まで悩んでいたのは何だったんだろうというくらい。

    以前から思っていることをはっきりと言えない性格なので「この本の通りに伝えれば大丈夫!」と明記されていることがことが、自分の意見を伝えるうえで自信になったというのもあると思います。
    今後もアサーションを活用していきたいです。

  • すっと読了。

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著者プロフィール

IPI統合的心理療法研究所

「2021年 『《中釜洋子選集》家族支援の一歩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

平木典子の作品

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