コードネーム・ヴェリティ (創元推理文庫) [Kindle]

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  • 第二次世界大戦下のイギリスの2人の女の子の物語。クイーニーとマディ。戦争の悲惨さと、その中で培われた友情と、親友のために真っ直ぐに進んだ女の子たちの記録。

    2部構成になっていて、どちらも「手記」という形で書かれている。

    第1部は、スパイとしてゲシュタポに捕まってしまったクイーニーの手記。マディとの日々の思い出と、監禁拷問されている日々の記録。

    第1部は読むのが辛かった。救いの無い日々。でも、主人公であるクイーニーの強い意志が感じられたこと、クイーニーが頭の切れる子であることに、今後の展開を期待させるものがあって頑張って読み進む。

    そして第2部。こちらは、クイーニーの親友であるマディの手記。ここでは。第1部で記述されている出来事がパズルのピースを少しずつはめ込むように明らかになっていく。1部を読み返しながらも、2部はあっという間に読み終えてしまいました。

    悲惨な出来事や記述も多いけれど、2人の友情に感動しました。そして、戦争の悲惨さも知ることができました。人は、崇高な精神を持つことも、何も見えない殺人機械にもなれてしまうんですね…。


    「ミステリー」というカテゴリに入れられていますが、一筋縄ではいかない物語でした。翻訳小説だし、第1部の不思議な語り口にちょっと抵抗はあるかもしれないけど、おすすめしたい本になりました。

  • 第二次世界大戦、イギリスの空軍婦人補助部隊で出会った2人の物語。ナチスに捕らえられた1人が、拷問を受け、生き延びるためにイギリスの情報を書き出し始めるところから物語が始まる。二部構成で、特に後半に入ると、あぁ!そういうことかと何度も前半に戻り、確認してしまった。とてもトリッキーでありながら、切ない青春物語でもあり、戦争の悲しさ、理不尽さ、未来への希望までもが織り込まれた小説でした。結末知りたさに後半先に読んじゃうと台無しなので、きちんと読みましょう。欧米ではこれヤングアダルトや児童書で出版されてるみたいだけど、全然児童向きとは思えない!

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