- Amazon.co.jp ・電子書籍 (237ページ)
感想・レビュー・書評
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2045年までににシンギュラリティに到達する、という説と、それはファンタジーだ、という説がある。膨大な記憶を超高速で計算したからって、人間の脳を超えられるのかな?シンギュラリティ後の世界は、なんだか気持ち悪い。医療分野のテクノロジーの発達で、死亡率が劇的に下がるらしいが、人口爆発したら、食糧問題や居住地はどうなるんやろう。クローン肉は食べたくないなぁ。3Dプリントの建築物は、天災に耐えられるんやろうか。
日本の長い不況は、企業が多額の内部留保を続けているから。それを活用するには法人税率を上げればいい。
企業は、市場の停滞した日本に投資しない。総需要を上げるために、企業の利益を家計に移し、可処分所得にするのがいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
複雑になりすぎた「不確実社会」を生きていくためには先頭を走る人達の慧眼が道しるべになる・・・ということで各界のリーダーをインタビューした記録。企画はいいと思うけど、それぞれの立場があまりにも違っていて、まあいろんな考えがあるんだな・・というぼんやりとした印象が残りました。どの立場が最も的確に未来を示唆しているのかは自分で考えるしかなさそうです。
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2018年147冊目。満足度★★★★☆
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大好きなシリーズの最新本。
ノーム・チョムスキー、レイ・カーツワイル、マーティン・ウルフ、ビャルケ・インゲルス、フリーマン・ダイソン
いつものようなメンツに加えて今回は建築の実業家も加わって中々刺激的な一冊でした。 -
一番最初の章(チョムスキー)が読み応えがあった。終わりに行くにつれてしょぼくなっていった印象。アメリカとヨーロッパでこれほど未来感が異なるとは思っていなかった。
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この人の著作らしい、色んな分野の人に対するインタビュー。冒頭のノーム・チョムスキーと、未来学者でもあるレイ・カーツワイルの主張が真反対で楽しい。そこに著者の意見が無いのは残念だが、きっとチョムスキー派だろうな。
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『知の逆転』、『知の英断』に続いて、吉岡作品を読了。
先鋒、元数学者、言語学者、政治学者で、現在MIT教授のノーム・チョムスキーは、トランプ、ISと中東、戦争、テクノロジーの進歩と、近年話題のトピックでのインタビュー。
アメリカは、70年前に世界の半分の富を持ってたけどそこがピークで、後ずっと衰退とか、トランプは訳わからんやつとか、「自衛」という言葉についても、結局は侵略と暴力と。更に、諜報活動なんて、殆ど国民を監視してるんだと、全体を通じて結構、辛辣なトーン。ユヴァル・ノア・ハラリのサピエンスで書かれていた、ポスト・ヒューマンについては、「空想です。完全なるファンタジー。信ずるべき何物にも基づいていません」なんて、サピエンスの中では、様々な物を虚構と言っていた作者自身とサピエンス・ブームにも辛辣。
AIブームとシンギュラリティにも、チクリと「自分達のこととなると、突如として非理性的になってしまう傾向がある」と、確かにそうかも知れん。また、「量的拡大が、知能や創造性の本質についての洞察をもたらすという兆候もありません」とな。
二番手は、発明家、思想家、未来学者で現在グーグル所属のレイ・カーツワイル。彼独特というか未来を予想想像するから仕方ないのだろうけど、裏付けがこじつけっぽい雰囲気が漂う。彼は、「指数関数的成長の力」を信じていて、その裏付け情報の調査に余念がない。ある意味、ビジョナリーなのかも知れないし、バックキャスティング思考の人の目標設定としての立ち位置なのかも知れない。
「人間の行動や言語を分析することで、マインドについてかなりのことが理解できます。」と言っているが、否定派に見える言語学者のチョムスキーとの対話がされる事を期待。
それ以外は、マーティン・ウルフ、経済ジャーナリスト、日本に対しては、企業の余剰金を法人税を挙げて吐き出させることが吉と言っている。ちょっと気になったところとしては、「われわれの経済に対して無性る主義的なイルージョンを抱く人たちがいますが、そういう人たちはたいてい強い国に住んでいて、その恩恵に浴しているということを自覚していない」これって、ブロックチェーン・ブームに対して、少し物申したいのかな?と、「コンゴ民主共和国のように政府が機能していないと経済そのものが成り立たないことがわかる」って。
建築家のビァルケ・インゲルスは、Wiredで彼の建築についての記事が多数ある。
理論物理学者のフリーマン・ダイソン、温暖化対策としての炭素削減には、科学的根拠が乏しい上に政争の具になっている事を危惧。色々とインタビューしてるけど、質問に統一感がないのか、ちと読みにくい。
題名自体がちと幅広なのと、問いが複雑で回答も複雑に感じるところもあったりするが、一度ではなく何度も読み返してみると、なるほどなと思える感じではあるかなと思う。 -
大好きなインタビューシリーズの最新作。『知の英断』『知の逆転』に続いて読了。
インタビューで語られている内容はもとより、この本の作られ方からして最近の世の中がいかにやばいことになっているかという著者の危機感の強さを感じる。
まずテーマの選び方がとても直接的。ブレグジットやトランプ大統領誕生、各地でのテロの深刻化や紛争や難民問題、その背景にある世界レベルそして各国、地域内での経済格差の深刻化、そしてAIを始めとするテクノロジーの進化などなど、もう、まんまですよね。
そして本書のタイトル。「人類の未来」と。不確実性が高まる時代において、人はどうしても明確な答えや安定を求めたくなる。これから先未来がどうなるのか?なんてまさに求めたくなる「答え」そのものでしょう。著者は前作までは、そうした安直な発想に警鐘をならし、頼るべきは知恵であるとの思いが込められていたように感じるけれど、もうそれじゃ追いつかないぐらいやばいよ!という感じが伝わってきて、本屋でタイトルを見た時にキツかった。
各界の第一人者が語る内容はもちろん最高に刺激的です。
シンギュラリティに対する考え方など、意図的に見解が反する箇所を引き出しているのも面白い。当然、この本読んで「人類の未来」が見通せるわけではないんですが、このタイトルに著者の込めた思いやいかに。 -
2012年の『知の逆転』、2014年の『知の英断』に続くシリーズ3作目。本作もサイエンスライターの吉成真由美が世界の知の巨人達にインタビューをしている。対談相手はノーム・チョムスキー、レイ・カーツワイル、マーティン・ウルフ、ビャルケ・インゲルス、フリーマン・ダイソンの5人である。
各人の主なトピックは以下のとおり
●ノーム・チョムスキー・・・アメリカの衰退、シリア問題、シンギュラリティ
●レイ・カーツワイル・・・人工知能
●マーティン・ウルフ・・・グローバリゼーション、日本の借金、ブレグジット
●ビャルケ・インゲルス・・・建築
●フリーマン・ダイソン・・・気候変動、教育、サイエンス
それぞれの論者が現状の問題を鋭く指摘していて読んでいて気持ちが良い。たとえば、チョムスキーは「トランプの最も確かな点は、彼が不確かだということです」と言っていたり、ダイソンは「私たちは、事実を確かめるよりも、物語を信じる傾向にあります。これが人間の本質です」とこれまた本質的な指摘をしている。
コンパクトにまとまっていながら、世界の見方がより深まる。そんな1冊。