なぜ、わかっていても実行できないのか 知識を行動に変えるマネジメント (日本経済新聞出版) [Kindle]

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  • 知識は実行しなければ意味がないが、実行に至らない場合が大半だそうです。
    そして、知識の実行を阻む原因と対策を以下の5つに分類で説明してくれます。

    ①問題を話し合っただけで仕事をした気になる
    ②過去のやり方にこだわりつづける
    ③部下を動かすために恐怖をあおる
    ④重要でないことばかり評価している
    ⑤業績を上げるために競争させる

    約10年も前の書籍ですが、未だに日本で上記の原因を仕組みとして対処している組織は極めて少ないと思います。
    何かの書籍で引用されていて興味が湧き、たまたま最寄りの図書館にあって読んだだけなのですが、とても良い本だと思いました。

    今、所属している組織が、これらのトラップにはまらないよう気をつけます。

  • 自分のまとめ。行動とは、それによって現実世界の何が変わったのか。を見る。

    ・知識は実践しないと意味がない。世の中には知識は溢れていて、毎年ノウハウや経営本が出ている。しかし、知識を得ただけで万事解決するのであれば、毎年は出ないだろう。それは行動がとも合わないことを意味する。知識量で差がつく時代は終わった。行動量に差がつく時代。
    ・知識を得る→行動する、ということにギャップがある。逆に言えば、行動から知識(経験値)を得ることもあるが、この場合にはギャップがない。実行から学ぶことが最短である。
    ・知識と実行にギャップが発生してしまう理由は、下記。
    ①:話しあっただけで実行した気になってしまう。意思決定したら、実行したような気になってしまう。また実行したかどうか、は評価をしにくいが、人は発言では評価しやすい。斜に構えた発言はスマートに見える。酷評する人の方が有能だと思われる。行動ではなく発言でステータスを得る。
    ②:過去にやり方にこだわり続ける。前例にならっている方が楽。考えなくなっていく。
    ③:恐怖心が蔓延している会社。心理的安全性が低い。
    ④:重要ではないことを評価している。結果だけを評価しており、プロセス(実行)を評価していない。
    ⑤:競争を持ち込む。自分の結果にこだわり、周囲に知識を共有しなくなる。敵はh内部の競争ではなく、外部である。内部競争が役立つのは、仕事に協力性がない場合や、必要なスキルがすでに備わっていて、新しい知識を吸収する必要がない場合。副作用として、一度敗者のレッテルを貼られた人間は、次回もどうせうまくやれないという無意識の負のスパイラルに落ち込むことがある。

  • 社内競争が起こる会社、それを克服する方法が書かれています。面白い。

  • 自分なりの解釈として以下のとおり



    主に会社の組織での話だと思う。

    組織がわかっていても行動できない理由として

    ・話し合っただけで満足する。
     計画だけをして実行はおざなり、上司はプレゼン
     資料作りに忙しく、実態を見ていない。

    ・過去のやり方に固執し続ける。
     新たなアイデアを容認しないという組織風土(波
     風立てない誤った仲間意識)が定着してしまい、
     今までこれで成功していたんだから、変える必要
     がないと思い込む。

    ・恐怖心を煽る。
     目標達成のための大袈裟な罰則を用いる制度、一
     度のミスを許さない風土のせいで、過度に失敗を
     恐れてし まいチャレンジできないだけでなく、
     失敗を隠してしまう。

    ・重要でないことを評価している。
     評価することがありすぎて、何が大事なのか分か
     らない。
     さらに、個人のみの成果を評価し、チームでの評  
     価かがない、そのため、短期的な評価を追い求め
     すぎて長期的な視点を持てない。

    などがあるらしい。

    では、どうすればいいのかというと、

    「なぜ」それが必要なのかをしっかりと理解するこ
     と。
    →そして、知識を詰めるではなく行動しながら考え
     る。
    →その行動を後押しするため、失敗を許容する。

    とのこと。


    感想

    会社ではあるあるな話、一般的な人がそんな会社に入ってしまってからではもう遅いのでは?
    これって、リーダー(会社の経営陣)がわかってないとどうしようなくない?と思った。

    まあ、個人単位になおしてほぼ使えるのではないかとも思った。
    ・考えてばかりでないで行動する。
    ・昔の成功体験だけでなく、新たなこと(やり方)
     にチャレンジする。
    ・失敗を過度に恐れない。
    ・大事ではないことはやらない

    だけど、これをやるのが難しいんだけど‥と思った。











  • タイトルの通り、知識と行動のギャップがテーマ。
    ギャップが生じる原因は、
    ①問題を話し合っただけで仕事をした気になる ex.気の利いた発言が評価される
    ②過去のやり方にこだわりつづける
    ③部下を動かすために恐怖をあおる
    ④重要でないことばかり評価している
    ⑤業績を上げるために競争させる
    がある。特に④が面白いと思った。

    【メモ】
    ■知識を行動に変える評価方法
    ・全体を俯瞰した評価であること
    ・プロセスの途中や結果に至る活動に注目する
    ・ビジネスモデルや文化、哲学を反映した評価であること
    ・経験や実験から意識的に学びとった知識を活かした評価であること
    ・評価基準は多すぎてはいけない
    ・最終的に評価が会計監査や組織行動の査定とつながることが望ましい

    ■知識を行動に変える8つのポイント
    ①大事なのは哲学である
    ②行動することや教えることで知識は身につく
    ③すばらしい計画やコンセプトより、行動がまさる
    ④行動すれば間違いも起こるー企業はこれにどう対応するか
    ⑤恐怖心はギャップを広げる─まず、恐怖心を追放しよう
    ⑥似ている言葉に気をつけよう─互いに張り合うのではなく、「競争」を相手に戦おう
    ⑦何が大切なのか?知識を行動に変えるのを助けるのは何か?
    ⑧問題はリーダーの行動だ─リーダーは時間をどう使い、資源をどう配分すればよいか?

  • 知識と行動にはギャップがあるという。頭で分かっていても、その一歩を踏み出すことがどれだけ難しいのか。
    だからこそ行動にこそ価値がある。
    知識を詰め込み過ぎて頭でっかちになるよりも、一歩でも二歩でも行動に移した方が絶対によいのだ。
    これは自身の経験則でしかないが、知識を実際の行動に移せる人は10人中で1~2名だろうと思う。
    これはダイエットや筋トレと同じだ。
    ダイエット法などは世の中に溢れているし、そもそも方法の問題ではない。
    摂取カロリーと消費カロリーの差がマイナスになれば絶対に痩せていくはずなので、無理して運動などを行うよりも、毎日の食事をコントロールした方が確実に痩せる訳だ。
    ただこれだけのことなのに「食事のコントロール」が出来ないから困ったものなのだ。
    これは企業活動含めて、全てのことにおいて当てはまると思う。
    どうしても「現状維持バイアス」がかかってしまうのだ。
    毎日の習慣はそう簡単に変えられるものではない。
    長年の蓄積で今の自分がある訳なので、変えることは過去の自分を否定することでもある。
    変えることに無意識で罪悪感を持ってしまうのだと思う。
    今日から食事を減らせばいいだけなのに、それが出来ない。
    会社の研修で学習したことを、今日から試してみればいいだけなのに、それが出来ない。
    よく出てくる話であるが、無理矢理そういう行動をさせるための環境を作り上げることが手っ取り早いだろう。
    余計なことを考えずに済むし、長期的に見れば行動が長続きする。
    ダイエットの例で言えば「ごはん茶碗を小さいものにする」などがそういうことだ。
    決めたことを実行することは誰だって難しい訳だから、如何に仕組み化することが大切かということだ。
    実行が出来ている企業は、やっぱり仕組み化が上手いと思う。
    仕組みとはルールなのだから、現場だけで作り上げることは難しい。
    やはりトップが旗を振って、ルールを変えて仕組み化していくしかないのではないだろうか。
    この仕組み化をどれだけ賢くやれるかが大切で、もしかするとこれこそ「企業文化」と言うのではないかと思ってしまった。
    良い企業ほど隙がなく、これら仕組み化をやれている感じがする。
    逆に言うと、仕組み化が徹底されているからこそ、隙を感じないのかもしれない。
    知識だけ詰め込んでも意味はない。
    どうすればそれらを実行できるのか。
    この仕組みで果たして社内で機能していくのか。
    そこまで考えてトップが実践してこそのスタートラインだろう。
    「行動して結果を出す」ここにリーダーが拘っていることを部下に見せる。
    そうでないと、部下自身が自らやる訳がない。
    「小さなことからコツコツと」とはよく言ったものだ。
    本当にその通りなのだから、小さな仕組み作りから行うしかないのである。
    (2022/6/11)

  • なぜ研修をいくらしても組織が変わらないのかを解説した本。タイトルに「マネジメント」と書いてあるように、実行させる対象は自分自身というよりも部下である。従って自分のチームで改革が進まないと悩んでいる人向けの本。

    まず大前提として「知識は実行しなければ価値はない」というのが本書の主張である。そして本当に実行できる知識とは、机上での学びからではなく、行動から得られると。いかに行動を起こさせるかがカギとなる。本書ではどうしたら行動できるかよりも、何が行動を妨げるかに重点を置いている。どのようなマネジメントが部下の行動を妨げているのか。それをはっきりさせた上で、どうしたら部下が自発的に行動するようになるのかを書く。

    行動の阻害要因はいくつか出てくるが、特に面白いと思ったのは評価方法について。良くも悪くも評価は行動の指針となるため、部下に改善活動を求めるならば、それを促すような評価項目を設定しなくてはいけない。単純で、プロセスを評価するのが望ましい。この手のマネジメント関連の本を読んでいると、全てはフィードバックで決まると言いたくなる。

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著者プロフィール

スタンフォード大学ビジネススクール教授(トーマス・D・ディー2世記念講座)。
専門は組織行動学。資源依存理論の提唱者として知られる。スタンフォード大学でPhDを取得後、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、カリフォルニア大学バークレー校で教鞭を執り、1979年にスタンフォード大学の正教授に就任。これまで16冊の著作を持ち、150本以上の論文を発表。オランダのティルブルフ大学から授与された名誉博士号のほか、数多くの受賞歴がある。スタンフォード大学で教える傍ら、ハーバード・ビジネススクール、ロンドン・ビジネススクール、シンガポール経営大学、IESEなどで客員教授や講師も務める。主な著書に『「権力」を握る人の法則』『悪いヤツほど出世する』『社員が病む職場、幸せになる職場』などがある。カリフォルニア州ヒルズボロー在住。

「2023年 『出世 7つの法則』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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