- Amazon.co.jp ・電子書籍 (376ページ)
感想・レビュー・書評
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退職後の地味な人生に、楽しみを見出していくのかと思いきや、僻みかもしれないけど9000万の負債を支払い残り1500万しか無いって・・それ一般の感覚?途端に読む気が失せた
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【概要】
定年退職をした「おじさま」が、次の人生について模索していく話
年齢のせいもあり、主人公に共感は出来ませんでした。
が、きっとこの主人公はどこにでもいる人物だろうし、私もあと何十年か後同じような気持ちになるのかも知れないと思った。
「おじさま」特有の若い女性に対する気持ち悪い(年齢的に嫌悪感しか持てませんでした)感情やうぬぼれ、培ってきたプライドがやけに現実的でした。
どの登場人物も好きになれなかったのは、リアリティがあって「正しい」行いしかしない人物がいなかったからかもしれません。
でもそこが人間臭くて、良い本だなと思いました。
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設定が一般とは離れたエリートなので、感覚の違いを感じてなじめない。内館さんの言葉のセンスだけがよかった。
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とても読みやすい小説ですが、前半はいい加減うんざりしてくる主人公のセリフ。ぼやきや愚痴ばかりで奥さんでなくとも嫌気が差す。
そのくせプライドは人一倍高く、いつまでも社会の第一線で働こうとしたり、周りの普通に生きている方々を蔑んで見下してる態度にもイライラする。
中盤以降の展開は面白くなりつつも、どんでん返しもなにもなく、あっさりとしたまま物語は終幕へ着地。
主人公と奥さんのやり取りうんぬんよりも娘の道子さんとトシさんの的を得ている考え方と指摘にすごく共感。
私自身も定年までまだまだ先とは思えない年令。
これからこういった気持ちの整理や準備もし始めなければならないと気づかせてくれました。 -
ドラマみたいにさらっと読めた。
「もう死ぬんだから」の方が面白かったかな。
「終わった人」は奥さんの行動がよく分からない。
でもやり残したことがある!と悪あがきしたくなる気持ちは、定年近い年齢になると経験するんだろうな。地震があったり車に轢かれそうになったりして、死を意識する時に感じるような気持ち。
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若い頃に秀才であろうとなかろうと、美人であろうとなかろうと、一流企業に勤務しようとしまいと、人間の着地点に大差はない。社会的に「終わった人」になると、同じである。内館牧子氏、初読みです。「終わった人」、2018.3発行(文庫)。1949年生まれ、団塊の世代で常に競争して生きて来た東大法卒、大手銀行の子会社の専務で63歳の定年を迎えた田代壮介の物語。いわば、見栄のかたまりのような男で、定年後のソフトランディングができなかった男の定年後の生き様です。
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映画は観ていないが、舘ひろしをイメージして読み進めた。身近に定年退職者を何人も見ているので、こんな人もいるのか…と言う感じだった。
すべてが、東大法学部卒、メガバンクのエリートコースというプライドありきで起こる出来事かと…
子会社への出向や移籍、定年後に再雇用は断る、妻が活き活き働く、世間のジジババと自分は違うと思う、ジムやカルチャースクールに居場所を見つけられないなどなど…
要は、仕事が不完全燃焼だと…
結果、引き受けた社長業で会社を倒産させ、惨めな思いを持ちつつ家事を引き受けることを自分の一生の義務だという。で、最終的には故郷の同級生に救われる…か…
特に後半、もう少し何かどんでん返しがあるのではと期待したのは、ミステリーの読みすぎ?
定年後を見据えた準備が全くなされていない。
地域に居場所を作っていない。
東京のような大都市に住む人はみんなこうなのかしら?
私が知る定年退職者の多くは、退職後に地域の自治会の役員をしたり、ボランティア活動をするために資格を取ったり、逆に地域に交わりたくない人は体が許す限り働き続けたり…
こんなの普通だと思っていたので、この小説では何をたいそうに悩んでわざわざ卒婚にまで結びつけようとするのか?と、今一つ共感できない面もあったが、舘ひろしと黒木瞳がこんなふうに掛け合ってるんだなぁ…と思いながら読み進めることはとても楽しかった。