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感想・レビュー・書評
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零細出版社の編集者たちを描いた『重版未定』の続編というか、その前日譚にあたる話。
タイトルどおり、舞台は編プロ(編集プロダクション)。
ひとくちに編プロといっても、雑誌中心のところとか書籍中心のところなど、いろんなタイプがあるが、本作の舞台となるのは書籍中心の編プロだ。
著者の川崎昌平は元々ライターとしてデビュー(幻冬舎新書でいきなり単著を出した)した人だが、その後ライターとして食えなくなった時期に編プロで働いていたのだそうだ(現在も編集者兼業)。その経験が活かされたマンガなのだ。
東京藝大出身だし、絵についてもお手のものなのだろう。多才な人である。
私はフリーライターになる前に1年間だけ書籍中心の編プロに勤めていたから、本作の随所で身につまされてしまった(もっとも、私は編プロ時代からライターで、編集の仕事はしたことがないのだが)。
私の心に突き刺さったセリフの例を挙げる。
《あっという間に消える本をあっという間に編集する――それが俺たち編プロなんだ》
《今止まったら倒れるんだ……ウチの会社は》
《20年この稼業でメシを食ってるけどな……校了後に「もっとこうすりゃよかった」と後悔しなかった本はただの1冊もねえよ……そして時間はいつだって足りない》
《つまらんと思いながらやる仕事が世界で一番キツイ仕事だぞ》
《「読まれる本」は「読まれない本」から生まれるんです!
「読まれない本」にも読者に選択肢を与えている点で意義があるんです!》詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
編プロ。「仕事はハードだけど、そこでもまれた人は信頼できる」というのが私の印象。そんな編プロに勤める新人編集者・束美ちゃんと、彼女を取りまく同僚たちを描くマンガ。
・使えないライターに仕事を頼む編集者は、もっと使えない。
・「つながらない電話」の数だけ編集者は強くなる。
・つまらんと思いながらやる仕事が世界で一番キツイ仕事