戦争と平和 完全版 [Kindle]

制作 : 上妻純一郎 
  • 古典教養文庫
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感想 : 1
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感想・レビュー・書評

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  • 第一編読了。いやあ、おもしろい。スマホでも読めるということがわかった。戦争前夜。戦争に出ていくものの気持ち、送り出すものの気持ち、それぞれがうまく描かれている。結婚のこと、仕事のこと、生や死について。そして、何よりも遺産相続のどろどろ。最近、何かドラマで見たなあというような内容があちこちにある。これでやっと1割弱。ちょっと他の本に浮気してから、また戻って来よう。

    全編読後
    1ヶ月半かけて読んだ。その間、他に別の本を一切読むこともなく(と思ったのは間違いで、1編読んで少し間を空けて、2編以降を一気に読んだようだ)、SNSもほとんど見ることなく、この電子書籍を、ひたすらスマホを握りしめながら読んだ。達成感があると言えばある。終わってしまったのかという喪失感もある。さて、感想はと聞かれると、恋愛小説と読む分にはおもしろい。後半はちょっと失速した感じもするが、途中からぐんと面白くなる。ナターシャが成長してくるからだろうか。歴史小説としては、まあナポレオンのこととか全く知識がないので、なるほどそんなことがあったのかと思いながらも、戦争パートはまあなんかのんきな感じだなあというのが正直なところ。思想小説として見ると、ところどころ章のはじめなどで語られる部分は良い。意味が呑み込めなくても、ちょっと高尚な感じがするのは嫌ではない。けれど、エピローグはちょっとつらすぎた。もう、最後には恋愛パートが全くなく、歴史観や自由意志についての哲学的な記述が続く。数学や物理学の話も交えて。とうことで、読後感は、急激にクールダウンしてしまって、わあ良かった、という印象にはならなかった。登場人物については、いつものことながらなかなか誰が誰か覚えられないのだが、長期にわたったので、名前もある程度覚えた。ピエールがフリーメーソンにはまっていくところもいやではないし、アンドレイの実直さも好きだ。ニコライはなんかちょっとチャラい感じがして好きにはなれなかった。ソーニャとブリエンヌはどちらもちょっとかわいそうな感じがした。そして、どうしてマリヤのことを何度も醜いというのだろう。まあ実際そうだったのかもしれないが。でも人物的には共感できる部分が多かった。ナターシャはちょっとおてんばでかわいい恋多き乙女だったのに、それが結婚して子どもを生んで母となって変貌していく姿、そこはどうなんだろう、まあ致し方ないのかなあ。もうちょっと耐えてほしかったけどなあ。結婚しても、子どもを産んでも、50歳をすぎても、きれいな人はいるものなあ。戦争パートではクトゥーゾフ将軍だけが好ましい人物として目に映った。思想部分についてはマーカーしながら読んでいたので、またいずれ振り返ることにしよう。いまはとりあえず読了直後の読後感。それと、こういうところが教養がなくてわからないのだけれど、どうしてロシアでフランス語なのだろう。それから、パリ・モスクワ間はいったい何kmあるのだろう。(ちょっと調べると3177km、列車で38時間とのこと。)下級の兵士はたぶん歩いていたのだろうし、何十万人もの移動は大変なことだったのだろうなあ。まあ、鎌倉から壇ノ浦も遠いよなあ。

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著者プロフィール

一八二八年生まれ。一九一〇年没。一九世紀ロシア文学を代表する作家。「戦争と平和」「アンナ=カレーニナ」等の長編小説を発表。道徳的人道主義を説き、日本文学にも武者小路実らを通して多大な影響を与える。

「2004年 『新版 人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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