翻訳ってなんだろう? ──あの名作を訳してみる (ちくまプリマー新書) [Kindle]

著者 :
  • 筑摩書房
3.57
  • (0)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 25
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (172ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 翻訳しだいで内容が変わることから原書を読みたいという欲求をひきだし、語学に対する関心をおこせる。

  • 翻訳の勉強というより、「深い読みができるようになる」のに役立ったらいいなーとか思って読んでみた。あと、「灯台へ」とか「情事の終わり」とか読んでみたいけどなかなか手が出せずにいる小説の雰囲気を知りたいという感じで。本当は、実際に、課題文を自分で訳して書いてみるといいんだろうけど、そこまではやる気がなく(スミマセン)……。
    細かい文法的なこととかbe going toとwillの違いとか訳語の選びかたとか、翻訳を勉強するうえでためになる内容とともに、ジョークとか詩とか訳すのはこんなに苦労があって工夫しているんですっていう翻訳の舞台裏みたいな(でもまあわりによく語られる内容ではあるけど)ことや、各作品についてこの作品はこういう背景があってこういう内容だからこういうところを読みとるべし(「高慢と偏見」ではおしゃべりのなかにいわゆる「マウンティング」を読みとる、とか)。こういう「マウンティング」とか今の時代にピンとくるというかわかりやすい言葉で書かれているのがいいなあと。

    いやでも、すごく思ったのは、翻訳ってやっぱり、英語の先生とか英文学者とか英文学研究者くらいの知識がないとできないのかも、っていう……。
    原文を読んだら、あらすじを追うとかで精一杯で背景だとか隠された意味だとかには気づかない、気づけないだろうし、翻訳で読んだらもうそれは翻訳者の人におまかせなのかな、とか。
    自分が小説を読んでいるときってこういうことをどれくらい意識して考えながら読んでいるんだろう、ってよくわからなくなった。考えなくても自然に読みとっているような気もするし、あるいは、まったく気づかないで浅~い読みに終わってるのかもしれないし。
    この本はあくまで翻訳学習者向けって感じで、「深い読みができるようになる」っていうのにはもっと文学としての解釈的なものを読んだほうがいいのかもとは思った。
    しかし、翻訳って大変だ、鴻巣さんのような翻訳者の人には畏敬の念と感謝しかない……。

    • meguyamaさん
      わたしもこれ途中まで読みました。お弟子さんなのか生徒さんなのか、訳例もすごくレベルが高くて、自分が恥ずかしくなりました…
      わたしもこれ途中まで読みました。お弟子さんなのか生徒さんなのか、訳例もすごくレベルが高くて、自分が恥ずかしくなりました…
      2018/08/30
    • niwatokoさん
      わたしは自分で訳してみようとすら思わなかったんですが、言われてみれば訳例のレベル高かったですね。誤訳とかじゃなくて解釈の違いのレベルというか...
      わたしは自分で訳してみようとすら思わなかったんですが、言われてみれば訳例のレベル高かったですね。誤訳とかじゃなくて解釈の違いのレベルというか。でも全部が全部高レベルってことでもないのかもしれませんよー。そしてもう鴻巣さんは特別ですよね、普通の翻訳者じゃない……。ああいう翻訳というより文学者とか研究者のような知識ってふだんからすらすら出てくるのかしらと。翻訳者ってどこまで求められるのかと。。。
      2018/08/30
全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

英語翻訳家、文芸評論家。古典新訳にマーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』、シャーロット・ブロンテ『嵐が丘』、他訳書に、J・M・クッツェー『恥辱』など多数。著書に『翻訳ってなんだろう?』、共著に『翻訳問答』など。

「2020年 『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鴻巣友季子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×