シモーヌ・ヴェイユ アンソロジー (河出文庫) [Kindle]

制作 : 今村純子 
  • 河出書房新社
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  • シモーヌ・ヴェイユのテクスト7篇を収めたアンソロジー。「『グリム童話』における六羽の白鳥の物語」、「美と善」、「工場生活の経験」、「『イーリアス』、あるいは力の詩篇」、「奴隷的でない労働の第一条件」、「神への愛と不幸」、「人格と聖なるもの」。思っていたり読みやすかったです。全てを理解したかと言えば決してそうではないですが、解題も併録されているので、それぞれのテクストを理解して咀嚼する手助けにはなります。一番実感を伴って読むことが出来たのは彼女自身の体験を下敷きに書かれた「工場生活の経験」。今日の労働者が置かれている環境となんら変わらない、もしくはより劣悪な環境に労働者達は取り巻かれているなと感じました。また再読したい本。

  • 本書は題名にアンソロジーとある通り、さまざまな断片によって成っている。私はシモーヌの本は、『工場日記』、『根を持つこと』に続いて三冊目である。工場日記で、彼女の本にはまったものの『根を持つこと』では難しくて挫折。そのあとの本書であった。ところどころ難解に感じる部分もあったが、息を呑むほど面白く、全体としては非常に良い本だった。本書で紹介されていた『ギリシア悲劇』や、ラシーヌ、シェイクスピアの『リア王』は、読んでみたくなった。次につながる本としても、良い本だった。

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著者プロフィール

(Simone Weil)
1909年、パリに生まれ、43年、英・アシュフォードで没する。ユダヤ系フランス人の哲学者・神秘家。アランに学び、高等師範学校卒業後、高等学校(リセ)の哲学教師として働く一方、労働運動に深く関与しその省察を著す。二度転任。34─35年、「個人的な研究休暇」と称した一女工として工場で働く「工場生活の経験」をする。三度目の転任。36年、スペイン市民戦争に参加し炊事場で火傷を負う。40─42年、マルセイユ滞在中に夥しい草稿を著す。42年、家族とともにニューヨークに渡るものの単独でロンドンに潜航。43年、「自由フランス」のための文書『根をもつこと』を執筆中に自室で倒れ、肺結核を併発。サナトリウムに入院するも十分な栄養をとらずに死去。47年、ギュスターヴ・ティボンによって11冊のノートから編纂された『重力と恩寵』がベストセラーになる。ヴェイユの魂に心酔したアルベール・カミュの編集により、49年からガリマール社の希望叢書として次々に著作が出版される。

「2011年 『前キリスト教的直観 甦るギリシア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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