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感想・レビュー・書評
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タイトルのイメージとは異なり、米国の政治哲学、特にプラグマティズムを中心に内容が展開していくので、極めてアカデミックな内容である。プラグマティズムというと浅薄な実践主義の考え方のように思ってしまうが、著者によれば「現代デモクラシーの行き着いた隘路に対する解決になること、南北戦争の荒廃の中から生まれ、自分が信じることだけを絶対視し、他の信念を許容しないことの反省から生まれた、あらゆる人が自らの信じるところを実験することを許す思想」であり、現代の米国のみならず日本にとっても学ぶべき内容であると感じた。オバマ元大統領がプラグマティズムを信奉していた背景にニーチェ、ニーバーに傾倒した延長線上にあるとは私には全く予想外の説明だった!藤田省三「精神史的考察」の中の「戦後経験の第1は国家の没落が不思議にも明るさを含んでいる事の発見であった。」との引用は「自由な想像力を解き放ったこと」という説明で成程と感心した。今の日本にもこれが必要なのかもしれない!余談だがエベレット・ロジャースの「イノベーターのマーケティング理論」の紹介があったのも、政治に繋がる気がした。革新的人物(イノベーター)は2.5%だが、続く初期採用者(オピニオンリーダー)13.5%がおれば社会的トレンドになり、やがて前期追随者34.0%、後期追随者34.0%が続くというのが興味津々であった。
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