十二人の死にたい子どもたち (文春文庫) [Kindle]

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  • ネット募集に応じて、集団自殺するため廃病院に参集した十代の子供たち。集まったのは予定の12人より1人多く、しかもその13人目は既に服毒自殺(?)していた。早々に集団自殺を決行するか、それとも13人目が一体誰で何故先に死んでしまったのかを自殺前に究明するか、12人で決を採ることに。ここから、長い話し合い、複雑な推理合戦が始まる。

    緻密な推理と共感を呼ぶ話術のシンジロウと、クールな理性と断固とした硬い意志のアンリの対決が見もの(いや、読みどころか)。やがて明らかとなる真相は、何だか複雑でごちゃごちゃしてて…。

    推理小説のための凝った設定は現実離れしてる。米澤穂信「インシテミル」と同じような感じと言えばいいかな、どちらもオマージュ作品だし。こういうミステリー、あまり好みじゃないんだけどな。

  • 一貫してミステリだけど読後感がジュブナイル。心理描写や読み合いや謎解きは、子供であるがゆえのぎこちなさが歯がゆいが、置いてきぼりにならず、12人いても混乱しないし、読者との距離感がうまいのだろう。ミステリーとして十分楽しめるが、十代の頃に読みたかった。今十代で読める人が羨ましい。

  • ミステリとして整理しようとするとその緻密さゆえに読みながらちょっと混乱が生じた。時系列とか。登場人物は決まっているけれど12名動きのある者がいるわけで、その個々の動きはスムーズにわかっていない。最初の図が肝なんだな。
    が、それとは別にしてストーリーには引きこまれた。「死にたい」子どもたちそれぞれの理由や思考、会話の駆け引きは非常にスリリングだし、ほんのりと結末の予想はついても落としどころが予想外で面白かった。
    こんなにも登場人物を巧みに書きわける、それぞれの理由をうまく浮かび上がらせてみせる。誰かに共感するのは難しかったけれど、彼らの心の動きは伝わる。
    映画化するということだが、これは多分映像で見せられた方が分かる部分も多いのかも。

  • 子どもには子どもの完結した世界と理屈があり、自己のとらえかたがあると思った。おとなは経験則で俯瞰的に物事をみるのかもしれないが、それは「子ども」をやっていくうえでは、なんのあてにもならない、指針を示すものでもない。
    そして死に値することとはなんだろうと考えてしまう。

  • まずは、やっぱりこんなに理解力のない子っているんだ!と思った。
    色んな私の知らない苦悩がそこにあった。
    わざわざ集まって行う事が、理解できないんだけど、個々で行動しても、途中で離れる人がいても、まぁ、最終的に最後の1人になったら寂しすぎるけど、そこまで拘らなくてよくないかなぁ?と思った。
    最終的には、死ぬテイなんだし。

  • 死にたい子供が12人集まって死のうとする話。
    ところが何故か13人目が登場。

    1番大人しくしていたユキの兄だったことが最後の方にわかる。
    管理人のサトシは何度かこの集いを開き、集団自殺を防いでいるというか、いつも実行されないで終わることが多いみたい。

    登場人物が多くてなかなか覚えられずなかなか読み進められず。。
    アンリの言ってることも全然意味わからんとも思わなかったけど、生きてるってなんだろ。
    何でも生まれてきてしまったんだろ。

    でもそれって、避妊したから防げるものでもないよね。いじめ、虐待、病気。
    色んな境遇を人は持っている。
    それは事前に防ぐことなど出来ないことが多いことだったりする。
    それを言ってしまったら、もう誰も生まれられない

  • よくよく練られた話だと思う。死にたいくらいに悩んでいる子供達も、いつかは幸せになってほしい。

  • 集団自殺をしようと集まった12人の子供たち その中に謎の13人目がいたことから、子供たちは状況について話し合いを始める

    とっても舞台になりそうな話というのが第一の感想。実はなってるのかな。
    こんな設定どうまとめるんだろうってドキドキしながら読みましたがさいごのまとめかたはとても良いので安心して読んで欲しいです。

  • 久しぶりに1日で読了した小説!
    ワクワクしながら、夢中になって読んじゃった。
    あー面白かった!

  • 十二人もいると誰が誰かわからなくなりそうだけど、読み終わった後でも、どこに誰が座ってるのかはっきりと思い浮かべることが出来るって言うのはすごいのではないかと思う。
    視点になっている人の内面やバイアスみたいなものがもっと出てるとイイのになぁ。と思った。

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著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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