万引き家族 通常版DVD(特典なし) [DVD]

監督 : 是枝裕和 
出演 : リリー・フランキー  安藤サクラ 
  • ポニーキャニオン
3.79
  • (118)
  • (217)
  • (140)
  • (28)
  • (9)
本棚登録 : 954
感想 : 232
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988632504683

感想・レビュー・書評

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  • 血のつながった家族なのに(家族ゆえに)、ネグレクトや虐待など親の身勝手でスポイルされる子供たちと人生の勝ち組とは対極のさえない大人たち、でも彼らには人への優しさがある。
    そんなポンコツたちが寄り添って生きる疑似家族がお互いの持つ傷をいたわりあいながら本当の家族のように暮らす。
    ラストシーンの解釈は、人それぞれですが、私は以下のコメント通りであってほしいと思いました。(以下転載)

    hom********さん
    2019/4/13
    ネタバレ全開で、個人的な感想を。
    未鑑賞の方はスルーで。

    祥太が捕まった理由は観る人によって解釈が大きく分かれるポイントだと思います。
    私は、兄として凛にこれ以上万引き行為をさせないために、咄嗟に店員にわざと見つかるようにして品物を盗んで逃げたのだと思っています。短絡な行動ですが、あの時点で捕まるつもりは無かったのではないでしょうか?逃げずにその場で捕まったわけではないので。
    上記の内容は、クライマックスの治とバス停で別れるシーンで祥太が話す「わざと捕まったんだ」という告白と一見矛盾しますが、あの告白は、私は「優しい嘘」だと思っています。
    あの場で(永遠の)別れとなる言葉は、辛くとも本来なら父親がわりだった治が告げるべきなんです。でも、治は伝えられない。祥太を置きざりにして逃げようとした、父親失格の男だけれど、彼なりに祥太を息子のように愛してもいるから。
    そんな治の気持ちを感じとって、祥太はわざと嫌われるような、バレバレの不器用な嘘をついたのです。祥太自身もまた「とうちゃん」(口パクのセリフ)から、別れの言葉を聞きたくなかったのかもしれない、とも思います。最後の最後でも、父親らしいことができなかった治は贖罪の念に駆られて、バスを追いかけます。
    凛は虐待癖のある母親の元に戻されてしまいますが、彼女も成長しています。母親の傷をいたわり、虐待行為に対しては拒絶する態度を示します。ラストシーンでベランダから外を眺めているのは「外の世界には自分を愛し、受け入れてくれる人もいる」ということを、疑似家族を通じて知ったからではないでしょうか?私は「希望」を暗示していると捉えました。
    様々な受け取り方があって良い作品だと思いますので、あくまでもひとつの解釈として、ご理解の一助としていただければ幸いです。

    最後に、・2018年本作での松岡茉優の体当たりの演技と安藤サクラの刑事とのやり取りのモノローグでの表情力は拍手。

  • 鑑賞中は、上手いなぁ、という感想が次々上書きされていった。
    まず情報の出し方がミステリー的。あるいは非説明的。
    それが家族の正しくなさを徐々に露呈していくのだ。
    一方彼らに愛着も覚えてしまうので、鑑賞者はその板挟みに感情を揺さぶられる。

    テーマについていえば。
    とにかく飯を食う、麺を啜る。生活する。
    その積み重ねの中で家族というのが醸成されていく。
    これって「本当の家族」でも実は同じで、それならこの繋がりを「家族」と呼ばずになんと呼ぶ。

    とはいえ是枝監督のインタビューに
    「映画の世界でも実際の世の中でも、僕の価値観を体現した人ばかりが出てくるのは違うから。初枝のようなすごく保守的な人がいたり、そうではない共同体に希望を見出す信代のような人がいたり、何にも考えていないおっさん(治)がいたり...。そうやって多様な人がいるのが自然で、その方がいいと思っています。それを映画の中で描いているつもりです」
    とあった。
    大変公平な意見で、感情的に感情を揺さぶってくるのではなく、論理的に感情を揺さぶる装置を作ってくれたというところか。

    『誰も知らない』でもそうだが、くすんだ色合いの中に、非常に美しい光が差し込んでくる。
    この画作りだけでも、見てよかったと思う。

    ところで、一日置いて、ネットで画像を見ている今、ぐっとくる。
    鑑賞中や鑑賞直後はどうも斜に構えて、タイトルで出オチじゃんなどと思っていたが、どうやら彼らが心に住み着いているらしい。
    (日常生活のオフショットが好きなのだ。中井英夫にせよフレディ・マーキュリーにせよ)

  • 池脇千鶴が「子供達には何て呼ばれてたの、お母さん?ママ?」って変な感じ。終わり方も変な感じ。

  • アマゾンプライムビデオにて視聴。

    血の繋がってない家族がそれぞれの仕事と万引きにて生活をしている。なぜ出会ったから物語が進むに連れて判明する演出は好き。また、役者の演技が素晴らしく、演技していないように見えてくる。
    観てて惹かれる作品でした。

  • 好きだから一緒にいる、じゃだめなんかなぁって思わされてしまう作品だった。それぞれがほしいものを満たしてくれる人と一緒に過ごしていただけなんだけどなぁ。

    信代を尋問した女の警察官の、相手に間違っていたことを認めさせたい、反省させたいという感情の見える演技が凄く気持ち悪かった。自分が正しいと信じ切っているというか。
    それを裁くのは裁判官の仕事であって警察の仕事ではないと思うんだけど。子供を産まなければ母親にはなれない、家族を作れないなんて、今の時代にそぐわない時代錯誤の台詞もいいところ。

  • 是枝監督は問題提起作品が多いので、見た後になんとも言えない気持ちになります。
    そしてたいがいラストはみなさんのご想像におまかせします的な曖昧な終わり方で。
    だからこそ問題提起なんだろうけど。
    演技派の方をキャスティングしてる分、淡々と生活を映してるだけのような錯覚におちいる。
    こういう家族いそうって思わせる力がすごい。
    虐待から保護されて、結局またそこに戻されるっていうのは実際にもあって、この国の課題だったりするわけで。
    「誰も知らない」の時から変わってない問題。
    だからこそ、このテーマで是枝監督は作り続けるんだろうなと思う。

  • 底辺の家族。だがみな他人同士。虐待を受けていた女の子が、本当の家族に戻されて、不幸に戻るという、うわべだけの正義に対するアンチテーゼ。

  • なんの予備知識もないまま鑑賞

    考えさせられる

    今、現実に日本のどこかで起きていそうなお話
    家族ってなんだろう

  • 説明
    内容紹介 (Amazonより)
    第71回カンヌ国際映画祭 最高賞 パルムドール 受賞
    家族を描き続けてきた是枝裕和監督が、“家族を超えた絆”を描く衝撃の感動作


    ★第71回カンヌ国際映画祭 最高賞 パルムドール受賞作品!日本人が受賞するのは1997年以来21年ぶ
    り!

    ★第76回ゴールデン・グローブ賞 外国語映画賞ノミネート!注目がさらに高まっている本作!

    ★リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林による豪華共演!ささらに池松壮亮、高良
    健吾、池脇千鶴、柄本明、緒形直人と、実力派俳優たちが集結。


    今度の主役は、犯罪でしかつながれなかった家族。日々万引きを重ねる父をリリー・フランキー、そ
    の妻を安藤サクラ、彼女の妹を松岡茉優、祖母を樹木希林。さらに池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴、
    柄本明、緒形直人と、実力派俳優たちが集まった。
    生計を立てるため、家族ぐるみで軽犯罪を重ねていくうちに、一層強く結ばれる一家。だがそれは、
    許されない絆だった。人と人との関係が希薄な今の時代に、『誰も知らない』『そして父になる』な
    ど様々な家族の形を真摯に見つめ続けてきた是枝監督だからこそ描ける、真の“つながり”とは何か
    、を問う衝撃の感動作が誕生した。



    血の繋がりだけがすべてだとは思わないが こういう時いつも巻き込まれるのは子供たちで 大人達は子供の将来のことを考えれてるのかな?と思ってしまう。
    本当の親と暮らすよりつながりは強かったかもしれないし 楽しい毎日を送れていたかもしれないが いつか行き詰まるのは目に見えてるような気がします。

    ...とは言うものの...この疑似家族はギリギリのところで楽しく生きていたのだろうなぁ...
    おばあちゃんが自分の親からお金を受け取っていたことにショックを受けていたと思える亜紀が 誰もいないあの平屋に舞い戻って来たあたりは 本当の家族よりこの疑似家族の方がいいということなのだろうし...
    でも祥太が選んだのは本当の家族でも治の元でもなく 施設に入ること...バスの中で口にした言葉はなんだったんだろう?
    りんちゃんは本当の親の元に戻されてしまい 自分の行きたかった所ではないかもしれない。ラストは家の前で治と信代を待っていたのかなぁ...誰かの救いを待っているように思えてならない。

    それにしても安藤さくらさん、リリーフランキーさん、樹木希林さんの演技は素晴らしいと思いました。
    特に安藤さくらさんがりんを後ろからハグするシーンと取り調べを受けているシーンはジーンとしました。

  • 繋がりって……
    例えば、道端で箱の中で泣いている子猫
    昔だったら当たり前のように誰かが連れて帰り
    なんだかんだ言いつつもいつのまにか家族になっていた
    それなりの愛情とそこそこの世話で猫も居着いてくれた
    家族それぞれにその猫とかかわりそれぞれの接し方で自分の中の「穴」を埋めていたのかもしれない

    子供の頃、大人になったら一人で生きていけると思ってた
    だだ飯を食って暮らすだけなら一人だっていいじゃないか
    淋しくてもそれは悪い事じゃないし誰かに迷惑さえかけなきゃいいじゃんって
    今でもそんな思いが心のかなり深いところにある
    と同時にそれは無理だ! とも思う気持ちがある
    人との繋がりを思うと面倒な部分もあるがそれがかえって心を豊かにしてくれるものだからなのかな
    箱の中で泣いている子猫に憂いを持ち、つい連れて帰ってきてしまったあの時私の中にほんの少しだけ本当の優しさが産まれたのかも知れない。

    な〜んてね、作り話ですよ。

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著者プロフィール

著者)是枝裕和 Hirokazu KORE-EDA
映画監督。1962 年東京生まれ。87 年早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオン に参加し、主にドキュメンタリー番組を演出。14 年に独立し、制作者集団「分福」を立ち 上げる。主な監督作品に、『誰も知らない』(04/カンヌ国際映画祭最優秀男優賞)、『そ して父になる』(13/カンヌ国際映画祭審査員賞)、『万引き家族』(18/カンヌ国際映画 祭パルムドール、第 91 回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)、『真実』(19/ヴェネ チア国際映画祭オープニング作品)。次回作では、主演にソン・ガンホ、カン・ドンウォ ン、ぺ・ドゥナを迎えて韓国映画『ブローカー(仮)』を 21 年撮影予定。

「2020年 『真実 La Vérité シナリオ対訳 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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