万引き家族 通常版DVD(特典なし) [DVD]

監督 : 是枝裕和 
出演 : リリー・フランキー  安藤サクラ 
  • ポニーキャニオン
3.79
  • (118)
  • (217)
  • (140)
  • (28)
  • (9)
本棚登録 : 954
感想 : 232
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988632504683

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 安藤サクラさんの泣きの演技が凄かった…
    度肝を抜かれた感じ

    こういう家族(家族じゃない)が今の日本のどこかにもいるのかな…悲しいような、この形でも幸せそうだなとか、なんとも言えない気持ちになった

    観た後に胸が苦しいというかなんというか…心に残る映画

  • ・年季が入った住まいに、首くくり栲象さんの家を思い出す。きっと縁側のせい。
    ・畳の上に寝転がる亜紀を見る角度と距離
    ・膝枕
    ・「かみなりくるよね」という台詞の繰り返し聞きたい可愛さ。
    ・今回の台所はとうもろこし。
    ・パラソルの下の初枝は別人のよう
    ・「産んだらみんな母親になるの?」
    ・バスの中、聞こえないけど口にした言葉
    ・ラストでりんの目に映ったものは何だったのだろう。

    終盤、警察署内での坦々とした画角は答え合わせのよう。信代から自然と流れる涙の理由も、いつか分かるようになるのだろうか。
    「家族」って何をもって家族なのかな。血じゃなくてもいいって言いたいけど、今回はそれを邪魔するような問題が多すぎた。
    主演が誰と言えないくらい、あの家族はそれぞれが光っていた。
    余白のある作品なので、次に観た時は違うことに気が付いてまた考えられるだろう。それが今から楽しみだ。

  • コントラストがうまい作品であり、作り物めいた感じやご都合主義の甘さのない作品。
    ご都合主義なしについて。家族愛と取り巻く悪環境、ちゃんと関係に綻びを出している。通常の作品は悪環境を家族愛で丸めて感動作品にしがちだが、この作品にはそうした甘さがない。
    近年の是枝作品は構造や展開の意味が明確に見えづらいものが多いと思うが、本作は構造も、関係性の脈絡も綺麗。描いているものは救いがないのに。
    調査官の視点がまた別視点を与えていて良い。社会の多勢の見方であり公的な施策・活動として当然と思われる視点をここまで異質に見せている。
    不協和音の多い音楽も特徴的だ。「気持ちよく観させない」意識を強く感じる。これは上で書いた甘さの排除にも通じると思う。ただの感動で終わらせない、監督のメッセージの強さと感じた。
    他に、主に役者による作り物っぽくない底辺感、特に樹木希林の凄みが印象的。
    未だ消化しきれていない点は、祥太の車内放置について覚えてないの嘘の意味。

  • 4〜5年前の話題作を今頃になってようやく視聴。

    なんとか賞の受賞作とのことでだいぶ取り沙汰されていたものの、まあ完全に、エンタメではない。

    家族、貧困、社会の無関心、児童福祉、、、等々をテーマとして視聴者に訴えかけてくるものは十分に感じられた。観て損は無いし、「これ観とくべきでしょ」という人達は大勢いそうなものだが、

    いかんせん、エンタメではない。好きか嫌いか問われたら好きな映画の部類に入れられるが、何度も繰り返し観たいとは決して思わない。


    物語としては・・・うん、納得のゆく結末。
    大切な何かに気づき、葛藤しつつも、後ろ髪を引かれつつも前を向いて生きることを決断した少年と、女。
    後悔しつつ悔やんではいない、それでいてほんのかすかな“絆”に安らぎを得ていたことに気づいた、男。

    振り出しに戻り元と変わらぬ日々を過ごすがその心には半年間に得た“何か”が宿った、少女。

    彼ら、彼女らのその先の人生に救いあれ、と感慨に浸る。

    ★3つ、7ポイント半。
    2023.08.10.WOWOW録画

    ※役者陣の演技が素敵で、観ていて飽きなかった。
    特に安藤サクラ。
    子役の少年も、将来が楽しみ。
    ちょうど今連ドラ主演中の松岡茉優・・・名前は知っててもこれまで認識が薄かったが、だいぶ雰囲気が違ったな。(若い、ってだけでなく)
    ちょっと過去作とかチェックしてみよう。

    ※録画視聴を1.2倍速で、かつ、時々持ち帰り仕事の作業もやりつつの「ながら鑑賞」だったため樹木希林と松岡茉優との事情を把握しきれなかったのが悔やまれる。何年か経ったらも一度くらいは観てみようかな・・・

  • 家族って、幸せってなんなんでしょう。
    祥太の最後、声には出してないけど、きっと「お父さん」って呼んでた。
    あの6人はまぎれもなく家族でした。

  • この監督の作品の中で、今までで一番良かった。
    今まではなんだか「おしゃれ」な感じがして、社会問題を個人的に描く作風は好感を持ったが、しょせんは「おしゃれ」な映画でしょ、と思っていたのだった。
    でも、これは、映像的には今までとそう変わらないが「おしゃれ」は感じなかった。うわーっと泣いたり叫んだり暴れたりしない上品さも変わらないが、それが「押さえつけられた大きな感情」を感じさせる。
    虐待された子供が心を閉ざすことで、自分を守ろうとする。一見恵まれた家庭に育ったように見える娘が、家庭の「歪み」に耐え切れず家を出る。クリーニング屋の店長が、経営難でパートの首を切るとき、本人たちに決めさせる卑劣さ。どれもリアルだった。

    特に良かったのが安藤サクラ。美人ではないが魅力的。美人じゃないのに、ずっと見ていたくなる。
    風俗で働く「姉」と口のきけない青年の交流も良かった。あれはあれだけのシーンであることが、本当に良かった。あのあと二人が付き合うシーンなんかあったら本当に興ざめだったろう。

    血はつながっていなくても、あるいはつながっていないからこそいい関係でいられる。あんな汚くて狭い家で、しばらくの間他人同士が家族として、幸せでいたという美しさが、奇跡のように輝く。

    この作品のように、ヨーロッパで評価されれば、政府も無視はできまい。どんどん社会の問題を、個人の視点で描いていってほしい。

  • 先日の立川映画祭で「万置き姉弟」を見て、「万引き家族」のオマージュとわかるシーンが見てなくてわからなかったので、こちらも見てみました。社会的な弱者にあたる人たちが、いろいろな事情があってもお互いへのやさしさを持って暮らしていく姿は考えさせられるものがありましたね。社会的には悪とされる万引きも、表面的なものでその背後に解決しなければいけない社会課題があるのでは、という部分を垣間見せるとてもいい映画だと思いました。「万置き姉弟」とのつながりもやっとわかりました。笑

  • 先に本を読んで、映画も見たいと思っていました。
    そして本より映画ほうが圧倒的に良かったです。
    無言で進められるところとか、
    余韻を感じるところとか。

    おとなの俳優さんたちは、個性的で実力派ですが
    子ども二人、演技が上手なのはもちろん
    とにかく可愛い。
    だから、とても心に訴えられるものがありました。

    じゅりちゃんは、これから、もう虐待されなければいいなと思うし。
    しょうたくんは「施設にあずけられて、どうかな」と思うけど、最近のいろいろな事件を見ていて
    施設出身の子が悪いことをする話はきかない
    むしろ愛情の薄い身内に育てられたほうが
    問題おこすかなと思って
    たぶんしょうたくんならきっと立派に育つだろうなって。

    私、本の感想に
    「映画を見てみたいです。
    ふたつの雪だるまはどんなふうに表現されているのだろう。」と書いていました。

    映画ではふたつめの雪だるまは登場しませんでしたね。
    たぶん、じゅりちゃんは見ていたのかな。
    それを想像させていたのかな。
    映画を先に見ていたら、どう思ったかな。

  • すごいものを見た。
    生活感が生々しい。

    犯罪を犯した者や何か訳ありの者が寄り添い共に生活することで、
    愛情とは何か、家族とは、を考えさせられる内容だった。

    血の繋がったものでも虐待をする人もいる、
    虐待をせずとも子どもが本当に欲しい愛情を注がない親もいる

    倫理さえ守っていればセーフなのか、
    それももちろん大切だが、それよりもハグをしたり、一緒に遊んだり、温かな時間を一緒に過ごすということが子どもの人格形成にとても大事なのだと、最近起こる凄惨な事件とこの映画を見て改めて思った。

  • 一貫して家族をテーマにしている是枝裕和監督らしい作品だ。家族とは何か。いろんな切り方ができる内容で、観客に考える機会を与えてるように思えるのはいい映画だからだろう。

    まずは、仲がいい家族があったとして、それは血の繋がりが関係あるの?そもそも血の繋がりって何?家族の要件って何?というとこでしょうか。

    家族が仲がいいというシーンはこれまでもたくさん描かれてきているがどこかわざとらしくなるのだが、ここは《そして父になる》のリリー・フランキーを起用してうまく映像化している。子どもの演技の引き出しの巧みさも是枝裕和ならではだ。

    リリー・フランキーは冷酷無情なヤクザもできれば、人がいいだけのお父さん役もできる。稀有の大スターですね。安藤サクラはまた名演。スゴイですね。樹木希林のおばあちゃんも絶品で、これが最後と思うと寂しくなる。子ども役の城桧吏は、 《誰も知らない》の柳楽優弥を連想させてこれから期待できる。これらの熱演を引き出す監督の力量がすごい。難を言うと、テンポがゆっくり目なので、少し退屈するところ。それでも場面の終了はスパッとしていて早いのであるが。

    キネ旬2018 1位

全232件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

著者)是枝裕和 Hirokazu KORE-EDA
映画監督。1962 年東京生まれ。87 年早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオン に参加し、主にドキュメンタリー番組を演出。14 年に独立し、制作者集団「分福」を立ち 上げる。主な監督作品に、『誰も知らない』(04/カンヌ国際映画祭最優秀男優賞)、『そ して父になる』(13/カンヌ国際映画祭審査員賞)、『万引き家族』(18/カンヌ国際映画 祭パルムドール、第 91 回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)、『真実』(19/ヴェネ チア国際映画祭オープニング作品)。次回作では、主演にソン・ガンホ、カン・ドンウォ ン、ぺ・ドゥナを迎えて韓国映画『ブローカー(仮)』を 21 年撮影予定。

「2020年 『真実 La Vérité シナリオ対訳 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×