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感想・レビュー・書評
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死刑囚の死刑までの心理描写にリアリティがあって、いつここまで書いたんだろう?と思ってたけど、結局創作だったのががっかりだった。
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久しぶりのユゴー作品。タイトルはすごく気になっていたけど、今まで手にとることのなかった作品を。
裁判中はどちらかと言うと毅然とした態度の印象だった主人公が死刑囚となり監獄で過ごし、いよいよ死刑執行でギロチンに向かうなかでの心境の変化、絶望感が伝わってきた。死刑制度の有無については昔から様々論じられているけど、考えるにあたり読んだ方がいいと思う。 -
先日読んだ『死刑について』でおすすめされてたので読んでみた。
ユゴーって聞いたことあるけど誰だっけとなってて、読んでからレミゼラブルの作者だと気づいた。
死刑囚の罪については全く明かしていなくて、死刑になるほどの罪なのにと思う気持ちと、罪そのものは関係ないかと思う気持ちもある。
『ある悲劇をめぐる喜劇』は読むのやめようかなと思うくらい入ってこなかった。 -
死刑宣告を受けた男の独白という体裁の作。断頭台へ向かう語り手を事務的に右から左へ処理する役人たち、処刑というお祭り騒ぎに熱狂する群衆たち。死刑制度に反対するという作者の主張ゆえ当然ではあるだろうが、語り手の目から見た周囲の人々の無慈悲さ醜悪さの描かれ方がおぞましく、臨場感がある。
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死刑囚最後の日は、おそらくフランスでの死刑廃止にも影響を与えたであろう、歴史的な意義の高い短編だ。
手記の形で主人公の独白がはじまり、最後は死刑執行が行われる午後四時の表記で終わる。
はじめの方は感情を揺さぶられるし、前述したように重要なのも理解できる、のだけれど、中盤を越えてからは、正直言って、さっさと死刑が執行されないかなと思いながらなんとか読んでいた。こんなに短い短編なのに、読み進めるのに疲れてしまったのね。なんでかしら。
2018年だったか。オウム真理教関係者が一気に立て続けに死刑執行された。九州の豪雨災害があったのと同じ日で、大量死刑執行の前日に、自民党の政治家が集まって宴会を開いたことでも話題になった。
それより前も、国が個人を殺すのは良くないよな、となんとなく思っていたけれど、あの大量死刑執行以来、死刑という制度そのものへ嫌悪感を持つようになった。
日本でも死刑制度が無くなってほしい。だって、死刑って何のためにあるの?
無期懲役だと公費がかかるからという理由で死刑制度を存続させるなら、そんな理由で国が人を殺すことを選び続けるなら、それは国の在り方として悲しいと思う。