実験思考 世の中、すべては実験 (NewsPicks Book) [Kindle]

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (145ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 株式会社バンク 代表取締役兼CEOの著者の本です。
    同書は、紙版は原価390円、電子版は当初0円、購入後の読者が値段を決めて支払いする形態をとるという、非常にユニークな売り方をしています。

    この売り方は著者が作ったアプリの「CASH」と相通じる部分があるように感じます。

    著者の本で感銘を受けた点としては「違和感をスルーしないこと」
    「この人の接客態度なんか落ち着かないな」
    「この医者の診察だとなんとなく不安」
    といったような違和感をスルーしないことが大切で、そこを解決するということ自体にビジネスチャンスがあるということを訴えていました。
    確かに、こういった気付きというのは誰でも感じるものではないし、その人の感性があってこその気付きがまさに「違和感」にあるのだと気付かされました。

    もう一点良かったところを挙げるとすると、
    「サービスの明暗を分けるのは、世界観、体験、表現だ」ということ。
    サクサク、気持ちいい、楽しい、ワクワクするなどといった「感情」を動かすサービスを作ることが世の中においては重要で、そういうサービスが世界を動かすということを熱く語っています。

    楽しいもの、ワクワクするものを常に生み出そうとする著者のマインドは真似ていきたいと思いました。

  • 本の内容がというよりも、本の売り方がとてもユニークな本。

    紙の書籍は、本の製作代の原価(数百円)分が売値、
    電子書籍に至ってはタダ。
    そして、本を読んだ後に、お客さん(読者)が値段を決めてくださいな、というスタイル。
    本の中にも書かれていますが、基本的に著者は性善説で動いている(人を信じている)のでしょう。
    面白い。

    実際、この本を読んだ後に1000万払った人もいるみたいです。
    本の内容自体は、個人的には1000万円ほどの価値があるほど深いと感じませんでしたが(でも、面白いところもチラホラあることも事実)、
    高額なお金を払った人は、本自体の価値というよりもその後の著者との会食など、
    本以外の部分に価値の重きを置いたのでしょう。
    (その点は私も理解できます。)

    純粋な書評としては、もう少し深く・細かく書いて欲しかったとは思いますが、
    それでも著者の企業物語や著者の考える未来の姿などはとても参考になると思います。

    追記
    その後、著者は(通称)テキーラ事件に関与してしまい、
    経営者としての資質が疑われてしまいました。
    アイデアや発想は面白かっただけに、非常に残念です。

  • アイデアと行動力がすごい。尊敬する。動く前にできない理由を考えてしまう私は反省しきり。
    何かに気づいたり疑問に思ったらすくに調べて、考えて行動に移す。失敗を繰り返してそこから学び、また行動する。「失敗から得られるものは、成功から得られるものより多い」「大切なのは、ちょっとした違和感をスルーしないこと」
    後半は著者の考えた様々なサービスを紹介してくれてる。

  • 面白い…。
    とりあえず、電子版0円で読み上げました。

    さーて、いくら払おうか。
    https://jikken-shiko.com/QR/

    …とはいえ、「0円=感想を送る」にしようかなと思ったりしている。
    中(電子版88%くらいのところ)に『ぼくは今後、どんどん「思考停止」の時代になっていくと考えています。よって、「どれだけ思考停止させたまま、サービスを提供できるか」というのはすごく意識しています。いわば「人間がゾンビみたいになる」ということです。確実にそうなります。…』という一文があって、たしかに…、ととても共感する予測ではあるのだけど、それと同時になんかとても胸糞悪さも覚えて、天の邪鬼な気分。
    この気分の正体が腑に落ちたときにいくらか払えるか?と感じたりするのでそう感想を送ろうかな、と。

    追記(2019/06/03)-------
    「気分の正体」がわかった。
    わかって思うことはやっぱり「0円=感想を送る」やな、である。その気分の正体がわかったのは、昨今話題?の「MMT(現代貨幣論)※」を知ったのがきっかけだった。まったくもって目からウロコどころではない、経済に関して本当に天動説と地動説くらいの勘違いをしていたということを知り、上記の「胸糞悪さ」の正体がわかったのである。
    今のままで進む世の中において彼の予測はたぶん当たる。いや、たぶんではなく間違いなく当たると私ですら思う。しかしそれをそのまま良しとして(あるいは利用して?)金を稼ぎます!と宣言しているも同然の物言いに胸糞悪さを覚えたんだな、と気づいた。
    世の中の大勢(大衆?)が便利に利用するサービスを作り出したいと一見役に立つ「公共サービス」の創造に貢献しているように見えるが、そうじゃなくて、やっぱり単純に稼ぎたい、お金持ちになりたい、と言ってるのと同じやと感じたのだな。
    決して儲けることやお金持ちになりたいと思うことが「悪」と思っているわけではない。
    ただ私は「公共の益(国富?)」というのは、「思考停止」の「ゾンビ」を大量に作り出して(彼が作り出すわけではないが)その上に乗っかることとは違うやろ、と感じたということだ。

    で?
    こういう気づきも含めて、非常に面白い波紋を広げる1冊であるのは確かで、やっぱり★4つに戻した。ただし、本代は払わない。彼が今後起こすサービスでとても良いと共感を覚えたものを利用するという形で支払いたいと思う。

    ※MMTのわかりやすい解説: https://bit.ly/2WOMvZH

  • 再読。
    著者のビジネスにおける半生とテーマの二分割。
    こういった本を読んで改めて感じたのは、その人の持って生まれた性質においての体験談なので、同じタイプの人間でない限り、なかなか取扱説明書としての役割は発揮しないのでは、という事。
    たとえば、ここに書いてある様な道程→結果によって喜びが分泌される脳の持ち主であれば、体もそこで栄養を獲得する分エネルギーが発生し、また次に進む活力を得る、など。
    そういった体質でない人がここに書かれた意識だけを持ち歩いても、規格違いの熱源の為、燃料切れが起きる。それをスタミナに変換できない体質だから。
    ただ、更に抽象化して読むならば、じゃあ自分の体は何に喜びを感じるのか、どうすれば栄養を摂取しながら次に進めるのか、またはどこに生理的な拒否反応を感じるのか、など枠組みだけを抜き出すことは可能かも知れない。
    しかし経営者や0→1を立ち上げるポジションに就いている人でなければストレートな転用には対応しにくい読み物だとは感じます。
    ところどころ自分的キーワードになる言葉や世界に対しての解釈が散りばめられてはいるので、それを拾うだけでも、役立つ娯楽として楽しめました。

  • たぶんわたしの人生とは交差しないひと。おもしろいひとがいるもんだなあ、とひたすら感心。

  • ・世の中はやってみないとわからないことだらけです。
    とりあえず打席に立ち続け、バットを振りまくった方がその経験から得られるものも多いし、あわよくばヒットかホームランも生まれるかもしれない。

    ・実験なら失敗しても納得できます。失敗も無駄ではなく、ひとつの「検証結果」になる。それはあきらかに「価値」なのです。

  • たつやさんオススメ

  • 実験(行動)して失敗することが大切。
    「失敗」は自分だけの価値になる。

    事業で大切なのは「市場選択と「タイミング」。
    筆者はカーシェアリングをいち早く取り入れて実践していた。

    常にパソコンとにらめっこしていると思考が生き詰まる。
    脳内をフラットにするため、あえて何も考えず運動をするという状況を作るのも効果的。

    流行っているものにはなるべく触れる。
    流行るものには必ず理由がある。
    それがマスの感覚。

  • 写真に撮影して送った商品を即座に現金化できるキャッシュというサービスを立ち上げた起業家の自伝。

    キャッシュはリリース時に相当話題になり、興味を持っていたが、その自由な発想は作者ならではのものだと改めて理解できた作品であった。

    内容はとても刺激的で面白かったが、作者自身が会社の株の問題や酒の席での愚行により世間的な評価を落としてしまったことは残念。

  • 【Business】実験思考 /光本勇介 / *2020年中/ (10/850)/ <197/135181>
    ◆きっかけ
    Zちゃんお勧め

    ◆感想
    ★固定観念をすべて取っ払う、そもそもなんでだっけ?
    ★違和感をスルーしない

    ◆引用
    ★固定観念をすべて取っ払う、そもそもなんでだっけ?
    ・企業=市場選択とタイミングがすべて
    ★違和感をスルーしない
    ・不得意なことはまかせて得意なことに集中
    ・クリエイティブなことだけ考える
    ・思考停止の時代になっていく、(クックパッド=>クラシル)
    ・消費ではなく物々交換とみる

  • 著者の方は悪い方の話題で知った。
    「サムの息子法」問題に似たバツの悪さは感じる読書動機だったものの、内容自体は興味深い。
    生粋の起業家思考を持っている人で、面白い人なのだと感じた。
    無料、ばらまき、炎上上等で知名度を広げ、後にキャッシュを回収していく。起業後・ローンチ後の1-3年は赤字覚悟、というのは新規事業だと共通するところだと思うけど、ここら辺界隈は平気で2-3億円を捨てるみたいなことするから派手だよね。こういう大胆な登場の仕方は体力的には大企業のスタートアップでも出来るはずなのに、なかなかできない。

    ただ、唯一気になったのは文中で「新卒社員を雇った理由は安いからです。新卒で当時の僕の会社に入るなんてチャレンジャー」というような表現があって、ちょびっとだけサイコパス味を感じた。
    Amazonのレビューは今回の騒動以前のものであってもかなり批判的だったが、私に限っていうと0円なら満足。

  • 起業家さんってすごい
    好奇心が色んな壁を勝るんだなぁ

  • いろんな世の中で言われてる王道を覆してくれる本。
    それもしっかりと本人の経験からなる言葉なので面白い。
    固定概念に縛られすぎてる人は読むと面白い。

  • これは久々に経営者に嬉しい良書だった。
    こういった話ができる経営者仲間が欲しい

    既存のビジネスも見方を変えるだけでまだまだ稼げる余地があるというのはまさにその通りだと思った

  • Kindleでの販売価格が0円であったので、試しに読んでみた本ですが、考え方の角度が面白く、いろんな商売に対するヒントがたくさん入っていると感じました。また、仕事をする上で、いろんな実験をする事自体が楽しいというのは、確かにその通りだな、と思ったりもしました。

    一方で、「直ぐに現金を欲しい人へお金を渡し、金利を得る」という内容のビジネスが多く、そのビジネス自体が世の中に何の付加価値も生み出してないと感じたのも事実ですね。

    近江商人の三方良し(売り手よし、買い手よし、世間よし)の考え方とも合わないので、実験としては面白いかも知れないけど、ビジネスとして長続きはしないだろうな、とも感じました。

    ともあれ、何でも実験してみることは大切だというのは、その通りだと感じたので、個人的には三方良しの観点で様々な実験する人や会社を応援したいな、と思いました。

  • 19/05/09発売で、キンドル版ゼロ円、紙版は321円、後払いでクラウドファンド的に返礼がある回収モデルの実験本。19/06/02現在、総額89,208,400円、(1,875人)。内容としても「目の前のアイテムが瞬間的にキャッシュに変わる」、24時間で3.6億円配ったCASHを生み出した光本氏の発想法を覗き見でき満足。

    覚書キーワード
    ・性悪説コストは高いかも
    ・全力で普通の生活をして違和感をアイデアに
    ・タイミングは業界の人の「いまさら?」
    ・ユーザーに思考停止で実現する ・世界観x体験x表現

  • 普通の人の遥か先のことを考えている人なんだなぁと思いました。今後人がどれだけ楽をできるか(ゾンビ化できるか)という将来予測は確かにあると思います。一方で私たち特に日本人が感じている努力への価値というのが今後どうなっていくのかということに興味がわきました。

  • done is better than perfect精神,
    いらないものは徹底的に削る.
    顧客への表現と体験が気持ちいいか

    思考回路の違いを感じる.企業家だなあという感じ.
    企業家ワナビーは読んでもいいのでは.

    ゼロベースで考える,トライして失敗する,顧客への価値というゴールは見失わない.

    ・違和感にセンシティブになる

  • あのアプリ、「CASH」世に出した著者。
    特にほーっと思ったのは、まさにその「CASH」のあたり。あんなに中古品を買い取ってどうするんだろうと素人としては思ったけど・・・「なるほど、こういうことだったのか」と感心。
    巻末のQRコードもなるほど、こういうアプローチは見たことなかった、まさに「実験思考」な本だったね。

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著者プロフィール

光本勇介(みつもと ゆうすけ)
株式会社バンク 代表取締役兼CEO。2004年青山学院大学卒業後、オグルヴィ・アンド・メイザージャパン入社。2008年ブラケット(現ストアーズ・ドット・ジェーピー)を設立し、代表取締役兼CEO就任。2013年ブラケットをスタートトゥデイ(現ZOZO)に売却。2016年MBOを実施し、ブラケット取締役会長に就任。2017年バンクを設立し、代表取締役兼CEO就任。2017年「CASH」をリリース、その後DMM.comへ全株式を売却。2018年MBOを実施。2019年5月9日、『実験思考』を刊行。同書は、紙版は原価390円、電子版は当初0円、購入後の読者が値段を決めて支払いする形態をとることが話題になっている。

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