プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ミドルの憂鬱!!学ぶ能力を持って蓄えた力量は組織に搾取される。これからは組織内キャリアではなく個人のキャリアの時代。それをどう形成していくか、ということが、概念や精神性だけでなく具体的な構築方法が書かれた本。大事なのは無形資産。そしてそれらをどう経済資本に転換するか、キャリアモデルもいくつか示されているので自分で戦略を練るのが大切だと思わされる。

  • 先が見通しにくい時代に、時間だけが有り余る人生100年時代が到来している。自分のキャリアを棚卸しし、資本と捉えて、B/Sを作り、現在を見極める。そして、変幻自在の心持ちで、様々なことにチャレンジして、キャリアを磨いていく。今流のキャリア形成術。

  • 法政大学キャリアデザイン学部教授の田中先生が「プロティアン」というキャリア論について語った本。キャリアに悩んでいる全世代のビジネスマン向けに書かれているように見受けられた。

    以下が主な主張。
    ・時代の変化に対応し、組織にキャリア形成を任せる伝統的キャリアから、自らキャリアを形成していくプロティアンキャリアを実践していかないと今後の人生を有意義に過ごせない
    ・キャリア論は社会構造(社会が決める)→個人特性(個人特性を活かす)→キャリアステージ(ステージによって変わる)→ライフサイクル(人生全体を含む)→バウンダリレス(会社を超える)→プロティアン(個人が創造)とアプローチが進化してきた。プロティアンアプローチは2000年代から提唱されている
    ・ダグラス・ホール教授のプロティアンキャリアは精神的な満足度に注目しているが、田中先生は精神的な満足と経済的な満足を両立するためにプロティアンキャリアにキャリア資本論を組み合わせることにチャレンジ。
    ・お金やモノなどの有形資産と、生産性資産、活力資産、変身資産の3つから構成される無形資産がある
    ・キャリア資本論のポイントは無形資産の概念とそれを意識的かつ計画的に管理できると提示したことと、無形資産を増やすこと自体が幸せであることと同時に有形資産の形成にもつながることを示したことの2つ
    ・資産と資本を分析して、自分の目指していく姿をベースに戦略的に構築していこう

  • 変幻自在なキャリアを過ごすというプロティアンキャリアについて古書での定義に付け加えてキャリア資産をミックスした本。現代社会を生きるキャリアの考え方を体型的に整理している本

    以下メモ
    ・プロティアンキャリアの考え方を学び、組織にキャリアを託すのではなく、自分でキャリアを描き、自分の人生を豊かにしていく。

    ・キャリアプラトー:停滞中

    ・キャリア:連続経験を通じて能力を蓄積していく過程。歴史でありながら未来でもある。これまで生きてきた結果であり、生き方の客観的相対的分析でもあり、生き方を構想する羅針盤でもある(過去ー現在ー未来)

    ・プロティアンキャリアが日本で浸透しなかったのは、この概念が提唱された1976が高度経済成長まっただなかで働く=終身雇用が基本。組織の中でどうキャリアを積んでいくかがベースだった。
    伝統的なキャリアは、一つの組織での自己成長、プロティアンキャリアは職場や職場の外、趣味のコミュニティ、地域のコミュニティなどの関係性の集合として捉えている
    プロティアンキャリアでの成功は自らのやりがいや目的を達成したことで得る心理的な成功

    ・ビジネスパーソンのキャリアとは、自己概念を発展的に確立するプロセスであり、諸々の関係者との相互作用によって形成されるものだと捉えられるようになった

    ・自分らしく働いてアイデンティティを確立すると同時に、市場や組織から求められていることが理想的。
    ダグラスホールとはこの点においてちょっと考え方が違う。キャリア資本論

    ・キャリア資本の中で何が蓄積されていくか考えていくべき。ただ場所を変えればいいって話ではない。

    ・管理職もプロティアンキャリアのモデルになったほうがいい、今の知識と経験だけで生きていかず果敢に挑戦して歩む方が楽しい

  • 【生き方】プロティアン70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア / 田中研之輔 / 20210518 / (33/873)/ <214/141352>
    ◆きっかけ
    ・日経広告(偶然にも著者を講師とする組合セミナーに参加)

    ◆感想
    ・自分自身のキャリアを能動的に築き上げていくというのに異論はない。ただ、それが出来るかどうかは別の話であって、転職や起業以外辞令の紙切れ一枚で飛ばされるサラリーマンである限りにおいては、理想論ではないか。人事権を持つ上司や人事部こそ、こうしたマインドを持ってもらい、従業員の希望に沿う形でキャリアメイクを支援するようにしてもらいたい。そうでない限り絵空事。

    ◆引用
    ・キャリアとはこれまで生きてきた足跡(結果)であり、生き方を客観的・相対的に分析すること(現在)でもあり、そしてこれからの生き方を構想する羅針盤(未来)でもある。
    ・長寿化時代には人生の設計と時間の使い方を根本から見直す必要がある。ライフシフト
    ・いますべきことは、目の前の些末な問題と格闘して消耗するのではなく、自分の将来をきちんと見据えて、動くようにする、こと。
    ・計画的偶発性を引き寄せる5つの行動特性:好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心
    ・無形資産:生産性資産(スキル・知識)、活動資産(健康、友人、家族)、変身資産(自己理解、人的ネットワーク)
    ・仕事はつまらないもの、生活のための手段しかない、と考えているなら、まずその認識を改めるべき。ビジネス資本で最も重要なのは目の前の仕事に没頭できているか。
    ・ビジネス資本:ビジネスリテラシー、ビジネスプロダクティビティ、ビジネスアダブタビリティ
    ・読書
     -書籍の内容と売れ行きから社会を洞察
     -専門書をレベル順に読む
     -自分の環境からかけ離れたれ歴史や海外書籍
    ・大人になる、将来のことを特に思い浮かべることなく、ただ変わらない毎日を受け入れることなのかもしれない。
    ・変わり続けることが人生を豊かに
    ・自分の人生を生きているか?
    ・プロティアンキャリアの行動指針
     -唯一無二の価値を作る
     -自分で目標設定し、成功体験を重ねる
     -冷静に失敗を分析する
     -自分が何を大切にするかアイデンティティを磨く
     -専門性を高めながら同時に特定の専門性に固執しない
     -同業者のネットワークを意識的につくる
     -組織に属しながら、外部との社会関係資本を形成する
     -求められた環境に適応できるよう、自分のキャリアを更新
     -限られた時間内の生産井を高める
     -変化に適応するアダプタビリティを持つ
    ===qte===
    キャリアの自立、
    組織型人材から自律型人材へ。
    主体的にキャリア形成していく。キャリアオーナーシップを意識。
    プロティアン:リレーショナルアプローチ、個人と会社の関係を改善する。いきなり転職ではなく、公募制等既存制度活用。
    https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/kigyo_kachi_kojo/20200930_report.html
    プロティアン:変幻自在、の意味。自分が主体となる。
    BOOK ビジトレ
    仕事がつまらないのは、能力以下の仕事だから。その場合は、制限時間設けて、集中して濃く仕事する。
    やらされている人にEngagementは高まらない、が良いTake awayで
    ===unqte===

  • うーん。大体の女性の再就職はプロティアンキャリアになるんだろうか。いつも、状況の許す範囲で自分の能力を酵母が芽を出すように職に合わせて増やしていくのは、今までずっとやってきたことだ。新しいのは、どの部分なんだろう。

  • 自社でも必要だと発信しているキャリアの考え方がまさしくこれで、今の時代に必要なキャリアのあり方が非常にわかりやすく言語化されている。

  • PROTEAN とは変化し続ける、変幻自在な、1人数役を演じる、という意味。

    キャリアは、
    ・自分で育て、形成する
    ・生涯と通じた全過程である
    ・変化に応じて、自分で変えることができる

    プロティアンキャリアを築くポイント
    ・自分を客観的に評価し、自問し、内省し、他者から支援を受ける方法を把握すること
    ・常に学び、自分の人生やキャリアの方向性を再構築できる能力を磨き続けること

    21世紀的な、自分のキャリアは自分で戦略的に作っていきましょうという意見は共感します。
    一方で、新卒で入った会社でそのまま何十年在籍という方には、全く刺さらないかも?

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著者プロフィール

1976年生まれ。法政大学キャリアデザイン学部教授。博士(社会学)。一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員をつとめ、2008年に帰国。専攻は社会学、ライフキャリア論。著書に『先生は教えてくれない大学のトリセツ』(ちくまプリマー新書)、『ルポ 不法移民』(岩波新書)、『覚醒せよ、わが身体。』(ハーベスト社)、『丼家の経営』(法律文化社)、『都市に刻む軌跡』(新曜社)、『走らないトヨタ』(法律文化社)他多数。訳書に『ボディ&ソウル』(新曜社)、『ストリートのコード』(ハーベスト社)。株式会社ゲイト社外顧問。

「2019年 『教授だから知っている大学入試のトリセツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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