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感想・レビュー・書評
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この本は『神学大全』のエッセンスをトマスのものの見方にこだわって凝縮して伝えられている。
”人間本性を原動力とする知的探求は、人間知性が、知りたいという本性的な欲求を完全に満たしてくれるような対象と出会うところまでおし進められなければならないのであって、そのような対象が「万人が神と呼ぶ」存在にほかならない。”
そして「すなわち神が人間の究極目的である幸福にほかならない」という。
うーん。思っていた一神教と違うかもと思っていたら、なんか親鸞聖人のものの見方とにているのだよね。「神についての認識は否定を通じてのみ可能である」とか「三身一体というの一は、多の否定としての一である」とかね。空とか不一不二を想起するのだ。近い、近いぞ。トマスがすごく深い思考、突き詰めた思考をしているのだなということを感じる。時や場所が違っても、人間が行うことは近いのだろうか。
正直に言うと、法(ルールの意)が出てきた後半の所は読んではいるけど理解が出来ていると思っていない。自分が理解した以上の難しいことをいっているということはわかる。
本当に興味を持ったら原典に当たりたくなるというような解説本だと思う。道元、親鸞に近いものがあると著者の方も書いていらっしゃるのでやっぱり!という感じ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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