WIRED (ワイアード) VOL.35「DEEP TECH FOR THE EARTH」(12月12日発売)

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制作 : WIRED編集部 
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  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910045920200

感想・レビュー・書評

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  •  『三体』の著者である劉慈欣のコラムを読みたくて購入。「人間はAIのような超知能が登場するまでの橋渡しにすぎない可能性がある」というのは現代のSFの潮流になっている、意識、真理などの概念は人間の専売特許ではないみたいな視点からの現代のグローバルで分断された世界に対する見かたが興味深かった。
     初回されている企業は、火星移住、食糧生産(室内栽培、人工食肉)などSFに思える事業に、テレビとかでは扱われてない裏で現実に進んでるんだなと思った。
     北村みなみさんの『終末の星』は典型的なポストアポカリプス的な舞台だが結末が現代への皮肉っぽくてよかった!

  • 人間中心に開発を続けた結果、人類は自然からの負債を抱え、その負債のツケを払うときが来ている。そこで、生命が繋がり合い、依存した社会を持続的に続けるためにテクノロジーにはどんなことができるかというテーマを特集した今回。
    農作物から食品、エネルギーにいたるまでさまざまな分野における問題解決、未来の種が紹介されていておもしろい。個人的には食の分野は今後注目

  • 残った言葉は、「グリーンウォッシュ」「ナウシカ」「テクノロジーにはノーベル賞がない」「ドローンと呼び始めたのは、いつ頃だったか」「コーヒーが飲みたいんじゃなくて、電気が飲みたいんじゃないでしょうか」「MORE From LESS」「我々は血を吐きながら、繰り返し繰り返し、その朝を越えて飛ぶ鳥だ」「温かな暗み」「皆さん、そうなさいます」「短編はここで終わる。デスストランディングはこの引用で始まる」これを元に友人と話すのが楽しみ。

  • なんとなく環境問題に対する普遍的な見解とか、エネルギーや食糧の未来を明るく照らしてくれそうないくつかの取り組みが紹介されていてやや退屈でしたが、『MORE FROM LESS -ビットがアトムの枯渇から人類を救う』で一気にこれまでの論調がひっくり返される展開がよかったです。

    そういう意図ではないかもしれないけど、同じ雑誌の同じ号の中でここまで主張の方向性が異なる記事が掲載されるのには好感がもてました。

    それから『THE STONE』という短編小説にも唸りました。訳文のせいかやや唐突感のある流れもありましたが、漠然と感じている地球上の物質の還流がストーリーとして語られるのにぐっと来ました。私を構成するこの炭素元素はかつて恐竜の何かだったかもしれないし、宇宙から飛来した小惑星の一部だったかもしれない。「DEEP TECH FOR THE EARTH」というテーマにぴったりだと思いました。

    『新しい社会契約』という新連載の今後も気になります。
    川田十夢さんの連載『文学から読み解くテクノロジー』もクリアしたばかりのゲーム「デス・ストラインディング」が扱われていたのも個人的にタイムリーでした。

  • DEEP TECH for THE EARTH
    風の谷のナウシカでは、腐海が人類の浄化装置となり、ナウシカたちがある種のトランスヒューマンとなっていく。機械やテック中心主義とかではなく、人間主義のその先に何があるのかをディープテックを通じて考える。まず前提になるのは、人類は地球を救うのではなく、地球の上で生きている人間を救いたいと考えているだけだと指摘するのは、SF作家で「三体」の筆者、劉氏である。閉鎖型の植物製造倉庫であるPLANTX、ウーバーの事故はあったものの自動運転のその先はどうなるのか、そして空飛ぶドローンの可能性はどうなるのか、迎撃できるシステムも整ってきているとある。フォローしていたのがゴールドウィンとSpiberが開発したMOON PARKAである。くもの巣から生まれた技術を離れ、ブリュードプロテインを開発し、パーカーを作った。これは、微生物が作り出した革命的な素材。まだ15万円だそうだが、すごいことだと思っていた。
    ディープテックは、ディープな社会問題をテックで解決することを意味していて、サステナビリティとかSDGsとかそういう標語に止まらない具体的な動きだと思う。かつては、金だけだったアメリカも、次第にこの意味に気がつき始めている。GenZ時代の到来に、恐れ始めているからか、サステナをビジネスとミックスする流れが主流である。本誌は、地球のためのディープテックというテーマをもとに、地球規模の問題をどう解決するかということに取り組んでいる。自分自身は、もちろん自分のスキルアップだとか、成長だとか、幸せだとか行ったことに常にプライオリティを置いてきた。その中で、自然と発している日本人としての意識は、実は完全なるサステナビリティ、ディープテックに通じることなのだと思った。全くもって生き方そのものじゃないか、と。ゴミを出さないようにするとか、なるべく包装しないとか、自然と生きてきた日本人こそ、このディープテックに、こうした自然に共感し、自然とともに生きるマインドセットを活かすときだ。アメリカ人と話していても、こうした自然をベースとした考え方は全く出てこない。機械と計算と経済によってしか動けない体になっている人も多いのかもしれない。示唆に富む内容に、感謝。

  • 手元に置いて、数年後の未来に照らし合わせてみたい1冊。
    やや難解なところもあるから、語彙を調べながら少しずつ読み進めるともっと面白かったかも

  • 農業×テクノロジーの話は面白かった。相変わらず咀嚼が難しい雑誌だけど刺激的なので読み続けたい。

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