星の子 (朝日文庫) [Kindle]

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  • 朝日新聞出版
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感想・レビュー・書評

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  • カルト2世の話。安倍晋三の事件をきっかけに手に取った。カルト組織に加わっていることに対して単に反対したり、怒ったりすることは被害者の脱会を困難にすると言われている。カルト宗教を批判する言葉が必要である一方、ここで試みられているカルトの内側から見える風景への想像もまたあってしかるべきと思った。

  • おもしろかったのに、終わりがもやもやして微妙だった。
    主人公と両親は、まわりからみたら相当変な人なんだろうな。

  • タイトルからファンタジーめいたものを感じたが、実際はある宗教にハマった家族の物語。
    主人公は親の教育で宗教を当たり前のように受け入れている。親からの愛も受けているので素直な性格だ。それでこの物語は悲観的な所があまり無く(多少はあるが主人公の性格により中和されている)、全体的にポップな印象になっている。
    読みやすくあっという間に読んだ。

    自分はラストは怖く感じた。早く部屋に戻りたい主人公となかなか返してくれない両親。最後は気を病んだ両親が娘と一緒に心中でもするのではないかと思いドキドキしながら読んだが、夜中星空を見ている所で話が終わり、アレっ?となった。
    他の方のラストの感想が気になる作品

  • 親族や友達の心配、お姉さんの家出先生の豹変さは面白かった。
    最後は何故そう終わったんだろうと思った。

  • 結末が思っていたよりふんわりしてるなっておもったけど、流れ星を見るシーンでは、ちひろと両親が見てる世界が乖離していることが隠喩として表現されてると思った。これから映画を見ようと思う。

  • 今村さんの作品には独特の雰囲気が漂ってる。家族や身近な人との日常のなかに潜むアンバランスな関係。破綻しそうでしない、つい深入りしたくなる。

  • よくあるいろんなことに効く怪しげな水を勧められて使ったことで不思議と娘の病気が綺麗に治ってしまって,以来その水を売っている新興宗教にどっぷりハマってしまった家族の話。
    今村さんの作品はいつもなんとも不思議な感覚で読むのだけど文体は平易で読みやすく状況もわかりやすいので,最終的に何だったんだろうと思うことは多いけどつい読みたくなってしまう。
    宗教にハマってしまった親と子の関係性というと,もっと壮絶なものを想像してしまうのだけど,なんだかんだあっても両親はちひろを愛しているんだろうなぁという感じがした。

  • 宗教がテーマなら、もっとディープに、どろどろといけるだろうとおもうが、このどこか浮世離れしたような、現実にいるのにその場にいないような、そんな距離感の文章がいい。

  • 何か起こりそうな気配を醸しつつ、期待してどんどん読み進めたらあっけなくそのまま終わった。でも、物足りないとかじゃない。普通の人間関係があって、親子の愛情もあって、でも端から見ると異質な人達。この小説をどう捉えたらいいのかまだよくわからないけど、このもやもや感と共にふと思い出しそうな、そんな小説だった。

  • 日常の不穏さ、悪意のない暴力みたいなものを描くのが得意な方だと思います。
    それを柔らかい文章のオブラートに包んでくるから得体のしれない気持ち悪さ、純真さみたいなものが浮かびあがってくる。
    テーマの切り取り方と、筆がとても合っている。

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著者プロフィール

1980年広島県生まれ。2010年『あたらしい娘』で「太宰治賞」を受賞。『こちらあみ子』と改題し、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で、11年に「三島由紀夫賞」受賞する。17年『あひる』で「河合隼雄物語賞」、『星の子』で「野間文芸新人賞」、19年『むらさきのスカートの女』で「芥川賞」を受賞する。

今村夏子の作品

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