豊田章男 [Kindle]

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  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • 一年ちょっと前に「トヨトミの野望」と「トヨトミの逆襲」という2冊の本を読んだ。トヨタ関係者から、書かれていることはリアルストーリーだと聞いたこともある。両書が描く豊田社長(小説では豊臣社長)像は、凡庸でありながらプライドが高くキレやすい。意見の合わない者や批判的な者をことごとく粛清して、役員をゴマ擦り・忖度の上手い "お友達" で固めていく、というもの。一言でいうと、狭量な御曹司。もちろん、「トヨトミの逆襲」ではでは苦難を乗り越え、成長し、チャレンジしようとする社長の姿も描かれている。

    なので、本書が描く豊田章男社長像と、あらかじめ抱いていたイメージのギャップは大きかった。さすがに提灯記事ではないのだろうが、本書は色々と批判されている豊田社長の負の面をほとんど描いていない(誤解されたり、その真意を汲まず批判する向きもある、と軽く触れる程度)。優れた面ばかりが強調されているので、読んでいて物足りなさを感じた。

    豊田社長批判の中にはやっかみも多いだろうし、社長就任以来幾多の困難を乗り越え、自他共に認めるカリスマ経営者として君臨しているのは事実だろう。それにしても、批判されるにはそれなりの根拠があるはずで、著者にはそういった部分も含め、豊田社長のリアルな人物像をもう少し追求して欲しかった。負の部分が描かれていないため、持ち上げすぎ感が否めない。

    トヨタ自動車の社風は、「菊と刀」で言うところの階層秩序を重んじる日本社会の典型。豊田家の御曹司を血筋として神聖視する社風、自分は違和感を感じるけれど、血筋のカリスマ性がトヨタの強味になっている、というのも厳正なる事実なんだな。

  • 社長が、それも日本の企業を代表するような社長がどんな苦労をしてどんなことを考えているのか、垣間見れた気がして読み応えがあった、ウーブンシティがどうなるのか、年間300万台国内製造がこの先どうなるか見ていきたい

  • 豊田章男さんについての前提知識皆無で読了
    ネガティブな側面があまりに書かれていなかったので本著の内容をそのまま鵜呑みにするのは危険そう
    ただ悪口が延々と書かれていたら出版はできないだろうから仕方ない

    以下は本著に内容をそのまま読み取った感想

    テストドライバーを自分でやりラリーにも出場するほどの車好きがその情熱を仕事に注ぐのだから、家柄に関係なくなるべくして社長になっていると思う
    発想も斬新で素晴らしい
    特に都市を自ら作成しそこで実験を行う計画は素直に驚かされた

    また自動車業界のあれこれについても少し触れていたのでそこから各企業の力関係が読み取れた

    自分はトヨタ車に乗っているのでそれを作った企業のトップについて少しでも知れたので読む価値はあった

  • p.2021/1/30

  • トヨタ嫌いの私に興味を持たせたのは豊田章男社長の言動が今までのトヨタと違うから。Amazonのレビューとか読むと、マスコミが忖度して美化してる提灯自伝?みたいな書かれ方しててちょっとトーンダウン。でもそれって過去のトヨタ寄りの人が書いてて、私はトヨタらしくない?から豊田章男に興味を持ってて、さてどうしたものやら…

  • 本屋で見かけて即買い。
    期待以上に面白かった。創業家だからこその期待と重圧。世のため、人のため、本気で事業に立ち向かう気概を感じる。
    大会社の社長でありながら慢心せず、常に危機感をもち、世話になった方々への恩義も忘れない。ますます応援したくなりました。

  • 章男頑張っててマジ偉い

  • 豊田章男の人となり、そして経営者としての像を描きたかったのだろうけど、あまりに称賛的記述が多くて、批判的考察が少ない。まあ、そんなこと書いたら出版できないという理由もあるのだろうけど。

  • 基本は好意的な目線で書かれており、本書が章男氏の全てを捉えているとはもちろん思わないが、純粋に読みものとして面白かった。
    『パーパス経営』を読んだ後だったので、特に章男氏の「志」(日本経済への貢献)に想いを馳せながら読み進めた。並大抵の覚悟では務まらない重責だよなぁ。
    社長退任後の章男さん、そしてトヨタを引き続き見ていこう、という気になった。

  • 先日会長へと一歩退いた豊田章雄前トヨタ社長について知りたいと思い手に取ったのが本作。正確にはaudibleで聞いたので、手に取ったわけではないが・・。

    日本のマスメディア出身のジャーナリストらしく、取材対象のヨイショと書き手の思い込みが多く、経営戦略を冷徹に見るということには向いていない。ただし本書前半の生い立ちに関する部分は彼の経営の方向性を理解するのには役立ちそうな気がする。
    (例えば当時のGazooって失敗だと理解していたのだけど、本作を読むとトヨタにとっては「計算された失敗(本作では成功したことになっているが)」なんじゃないかと思える部分もあったりする)

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著者プロフィール

片山 修(カタヤマ オサム)
ジャーナリスト
愛知県名古屋市生まれ。経済、経営など幅広いテーマを手掛けるジャーナリスト。鋭い着眼点と柔軟な発想力が持ち味。経営戦略、マネジメントにも造詣が深く、長年の取材経験に裏打ちされた企業論、組織論、人事論、時代論には定評がある。2001年から2011年まで学習院女子大学客員教授を務める。
『時代は踊った――オンリー・イエスタディ‘80s』(文藝春秋)、『ソニーの法則』『トヨタの方式』(以上、小学館文庫)、『本田宗一郎と「昭和の男」たち』(文春新書)、『ふるさと革命――“消滅”に挑むリーダーたち』(潮出版社)、『社員を幸せにする会社』『技術屋の王国――ホンダの不思議力』『豊田章男』(以上、東洋経済新報社)など、著書は60冊を超える。

「2021年 『山崎正和の遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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