交渉力 結果が変わる伝え方・考え方 (PHP新書) [Kindle]

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  • PHP研究所
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感想・レビュー・書評

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  • とりあえずトランプの交渉力が凄いことはわかった。基本、実績の自慢本。

    相手の目的とこちらの目的の優先順位をつけて、交渉に挑む。
    基本的なことのようでできていなかったところはやっていこう。

  • 大阪府知事、大阪市長だった頃は、良くも悪くも時代を動かした政治家だった。
    当たり障りのない政治を行うのではなく、既得権と徹底的に戦って変革をもたらすという意味では、非常に稀有な政治家だったと思うし、その行動には、このような交渉術がベースにあったのだ。マスコミが報じる彼の姿勢は、職員や議員に嚙みついて有無を言わさずに突き進んでいくように見えたが、さすがにそれだけではいろんなことは動かないのだろうし、裏にはちゃんと緻密な交渉があったのだろう。彼は現場レベルでの対応を重視しており、キレイごとばかりを言うコメンテーターとはそこが違うのだろうと思っていたが、最近はすっかりコメンテーターっぽくなってしまったのが残念なので、まだ若いし、まだ現場レベルでいろいろかき回してほしいなと思う。

  • audiobook
     交渉力の身に着け方について述べた本。交渉という行為を要素分解して捉え、交渉の流れと要所要所でのノウハウを解説している。筆者の弁護士・政治家時代の実経験や名の知れた政治家の巧拙事例を交えて解説されており、イメージが湧いて分かりやすい。
     本書を聞く前までは、交渉力と聞くとなんとなく実践を積まないと身につけられないスキルのような気がしていたが、論理的に状況を整理するスキルと相手の思惑を推察するコミュニケーション力があれば、一定の交渉力は身につけられるものと理解。ノウハウについては、人によって実践の難易度が分かれそう。落としどころを議論するなど、大なり小なりビジネスのあらゆるシーンで交渉と捉えられるコミュニケーションは発生しているように思う。日頃から意識することで、敵対的なタフな交渉にも備えられる、かも。
     以下、備忘録。
    ・交渉=自分と相手の要望と譲歩のすり合わせ
    ・要望を要素分解し、互いに部分部分を譲歩し合う
    ・自分と相手の要望と譲歩を優先順位づけて整理。相手分の要望と優先度合いは会話から推察
    ・大きく譲歩したように見せ、相手から大きな譲歩を引き出す(=仮装の利益)
    ・譲れないラインを明確にしておく

  • 面白かった。
    さすが橋下さんって感じの論調ですね。

    交渉のベースは、自分/相手が求める最低限の要件、譲歩できる部分を明確に定義するという、一般的なことなんですが、弁護士、大阪府知事、大阪市長時代の実例がめちゃくちゃリアルに語られており、臨場感をもってケーススタディーをすることができた。

    合意できない部分を緻密に要素分解してみる。

  • なるほど、これは深い!
    今まで自分がいかに「交渉」について疎かにしていたかを思い知った。
    自分も若い時は営業職だったので、交渉の場には何度もついている。
    時には会社の損益に大きく関わる、ギリギリの交渉の経験が無かった訳ではない。
    しかしながら、全く「交渉術」について今まで学んでは来なかった。
    今思えば、もっともっと上手に交渉を進めることが出来たかもしれない。
    本書はものすごく役に立つ。
    もちろん営業職に限らずに、自分が管理職になった際も、ものすごく役立つはずだ。
    本書にも記載されているが、社内の上長との交渉や、部下から自分が決裁を求められた際の対応についてなど、応用はいくらでも効く。
    とにかく1にも2にも「要素分解」だ。
    そして「優先順位」。
    相手の要望も要素分解&優先順位付け。
    これをマトリクス化して、作戦を立てる。
    相手と比較して、そもそもこちらに力が足りてない場合は、まずはここからだろう。
    力が均衡していたり、そもそも有利だったりすれば、「仮想の利益」も手段として使えるだろう。
    今思い返すと自分の交渉は術にもなっていなくて、全部「お願いベース」だったなと思う。
    何とも情けない営業職であったか。
    まずこれは自分でも意識して実践してみようと思う。
    そもそも要素分解が難しそうだ。
    やっぱり物事を冷静に一歩引いて、さらに多面的に見て、その上で細かく分解していくという作業は一見簡単そうで相当に難しいだろう。
    だからこそ練習を積み重ねていきたい。
    しかし改めて不思議に感じるが、なぜ人間とは客観的に自分を見ることができないのだろうか。
    他人の粗はすぐに見つかるのに、自分のこととなると見えなくなるのだろうか。
    本当に不思議なものである。
    本書で度々出てくるトランプ米大統領と北朝鮮金正恩総書記の話。
    彼らの「交渉術」の考察も非常に示唆に富んでいる。
    一瞬ニュースの中の表面的な部分しか理解していなかったことが、本書の考察を読むと「なるほど」と思う点が多数あった。
    それも含めて自分自身がいかに表層して見ていないかということだ。
    客観的に多面的に見るという以前に、そもそも「深く考える」という癖をつけなければいけない。
    これだけの情報化社会だ。正直言って毎日のニュースを読むだけでも精一杯感はある。
    次から次へと飛び込んでくるニュースのリンクを追って、ただただ読むだけである。
    それではいけない。やっぱり深く考えないといけない。
    益々そういう社会になっていく。
    おそらく深く考えられない人は、これから生きていくのが大変になっていくだろう。
    この「交渉」一つを上げてもそうだ。
    何か物事を勝ち取るために相手と交渉をする訳であるが「●●を寄越せ。ここから一歩も引けない」であったら、それこそ一つも得る物なく決裂してしまうだろう。
    相手が譲歩してくれるとしても、交渉は長引くこととなる。
    人生は短いのであるから、時間をかけても正直良い事は一つもない。
    現実的には「妥協できるポイント」を双方で早めに見つけて、さっさと妥結した方が賢いはずなのだ。
    100点ではないが、全くのゼロ回答よりも、得るものがあった方が良いに決まっている。
    何点を合格点とするかは自分次第だ。
    そんな当たり前のことが、浅い考えの人ほど出来ないのだ。
    「生き残りたければ、交渉力を磨け」
    まさにこれに尽きると思う。
    (2022/1/14)

  • 交渉についてどうすればうまくいくのかが書かれた本
    橋下徹の経験を元にいろんな場面を例に出しながらまとめられていて、交渉力を磨くには知っておいて損はない。
    優れた本だと思います。
    1.利益を与える(譲歩する)
    2.合法的に脅す
    3.お願いする

    絶対に譲れないものと譲ってもよいものを分けておく。
    絶対に譲れないものだけは死守する。
    相手の要望を知る。相手の絶対に譲れないものを探る。
    要素を分解する。1つ1つについて譲れるかどうかを整理する。

    こちらが大きな譲歩をすればするほど相手から大きな譲歩を引き出せる。
    自分の要望をわざと大きく設定しておく。いったん譲歩できないふりをして譲歩したように見せる。「仮装の利益」を与える手法。

  • 大阪改革断行者の橋下徹さんが考える実践的交渉力。
    「俺がやれと言っているんだから、やれ」で相手が動かない時はどうしたらいいかに対して
    「交渉(話し合い・協議)」という形で答えている本です。
    相手を動かすためには①利益を与える②合法的に脅す③お願いをするの三つの手法しかありません。その中でも①の「相手に何をどれだけ与えるか、何をどれだけ譲るか」で決まります。

    私は前職でエグゼクティブサーチを経験し、現職では企業側で採用をする立場です。
    採用で必要な力はこの交渉力と驚くほど合致しております。
    採用では会社側が何を候補者に与えられるか、また何を譲るか(何を社内で調整するか)を考えます。
    転職活動中の立場でも同様です。
    自身がいかに企業の経営課題に貢献できるか(利益を与える)、また何を諦めるか(例えば年収等)を事前に整理しておき、絶対に譲れないものを決めておくことで初めて交渉、つまり転職活動が上手くいきます。
    事例に出ているトランプ元大統領や金正恩総書記も同様、外交の肝要とは「必ず譲れないもの=MUST」を定め、それ以外である「譲れるもの=WANT」は捨てる覚悟を持ち臨むことであると気づかされます。

    圧倒的な実績のある著者が交渉についてわかりやすく書いております。
    それでいて1,000円未満で著書が読めることに充実とともに幸福感を覚えました。
    相手を動かしたい全てのビジネスパーソンにお薦めです。

  • 非常に面白かった。頭の回転の速さが生み出している交渉術だと思い込んでいたがそうではなく、綿密に準備をした上で臨んでいることが分かった。

    自分の通したい要望を細かく要素に分解し、相手からも相手のそれを引き出しマトリクス化する。自分の要望でどこまで譲歩できるかを厳密に決めた上で、そのマトリクスを眺め、どこまで相手と折り合いをつけるかが重要。

    相手と議論にならない時は論点がずれているか、論点が大きすぎることが多い。本書の場合は後者で使えるテクニックが多い。

  • 交渉のプロセスにの考え方についてとても勉強になった。自分および相手の交渉スタンスをしっかり整理すること、交渉が詰まった際は論点をさらに要素分解し妥結点を探っていくことは、実際の仕事でも活用できる部分があると思う。

  • (小城)交渉は、学者が書いている交渉学の本は多い中で、実践的な内容、考え方がみにつくのでおすすめです

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著者プロフィール

大阪府立北野高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業。1998年、橋下綜合法律事務所を開設。2008年に38歳で大阪府知事、2011年に42歳で大阪市長に就任。大阪府庁1万人、大阪市役所3万8000人の組織を動かし、絶対に実現不可能と言われた大阪都構想住民投票の実施や行政組織・財政改革などを成し遂げる。2015年、大阪市長を任期満了で退任。現在はテレビ出演、講演、執筆活動を中心に多方面で活動。
『実行力』『交渉力』『決断力』(以上、PHP新書)など著書多数。

「2023年 『折れない心 人間関係に悩まない生き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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