ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書) [Kindle]
- 中央公論新社 (2014年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (225ページ)
感想・レビュー・書評
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彼女の名前は知っていても、「全体主義の起源」の著者であることや、アイヒマン論争というワードは知っていても、彼女がどんな人生を送ったかまでは知らなかった。思想家という存在を、どこか抽象的なものとして捉えていた自分に気付かされた。名前と思索内容とを結びつけるだけにとどまり、思想家本人を生きた人間として見る視点を、頭の隅に追いやってしまっていたようだ。「思考」「判断」という彼女の重要概念が、彼女の生き様、息遣いと共に迫ってくるように書かれていること、強い感動を覚えた。
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アレントの生涯と思考を記す。“理解すること、考えること、その過程“を追求した人生がわかる。
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著作を読む前に、やはり入門書というか著者の評伝を読んだ方が理解が進むのではないかと思って読んでみて、さてこれで作品が理解できるかというとちょっと心もとないな。まあとりあえず読んでみることにしよう、という気持ちにさせてくれる本だった。
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アーレントの生い立ちと思想を紹介した本。
その思想の紹介から色々な知見を与え、思いを巡らせることになったという点、全体主義とはの解が自分の中で少し整理できた点では良著。
複数の視点が存在する領域の外部にある真理は、善いものであろうと悪いものであろうと非人間的なものと断定するユダヤ人の彼女の主張は、反ユダヤを含む人種差別は憎むべき人類の悪癖ではあるが一方でユダヤの選民思想には問題ないのか?という問いの一つの回答であろう。