消費社会の神話と構造 新装版 [Kindle]

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  • ・元来消費とは個人にとって必要なものを手に入れる手段である

    ・かつては必要な機能があり、それを得るために消費をしていたが、物が溢れる現代においては「他人にどう見られるか」というアイデンティティを得る為に消費をしている

    ・それは物に留まらず、肉体(女性のエロティシズム、男性の体型と健康)も同じく消費の対象である

    ・病や事故などのマイナスをゼロに戻すためにも
    多大な消費がされている。これも国にとってはGDPなどの豊かさに計上される為経済的にはプラスが大きい

  • 生産性の増加は、一旦段階に達すると、成長による成長の治療というこの類似療法によって、ほとんど全て吸収され使い果たされてしまうのである。

    消費社会の支払う大きな代償は、社会そのものから発生する普遍的な不安感である。

    物質的な豊さをほぼ全ての人間が達成した先進国の人たち。しかしその後人間は自分を規定するためにそれらのものを用いることとなった。そして、それらの記号的な大量消費によって、今度は外部化したそれらが私たちの身にミクロな形で迫ってきている。それはマイクロプラスチックなどの環境汚染である。

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著者プロフィール

【著者】ジャン・ボードリヤール :  1929年生まれ。元パリ大学教授(社会学)。マルクスの経済理論の批判的乗り越えを企て、ソシュールの記号論、フロイトの精神分析、モースの文化人類学などを大胆に導入、現代消費社会を読み解く独自の視点を提示して世界的注目を浴びた。その後オリジナルとコピーの対立を逆転させるシミュレーションと現実のデータ化・メディア化によるハイパーリアルの時代の社会文化論を大胆に提案、9・11以降は他者性の側から根源的な社会批判を展開した。写真家としても著名。2007年没。著書に『物の体系』『記号の経済学批判』『シミュラークルとシミュレーション』(以上、法政大学出版局)、『象徴交換と死』(ちくま学芸文庫)、『透きとおった悪』『湾岸戦争は起こらなかった』『不可能な交換』(以上、紀伊國屋書店)、『パワー・インフェルノ』『暴力とグローバリゼーション』『芸術の陰謀』(以上、NTT出版)、ほか多数。

「2015年 『消費社会の神話と構造 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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