p28
将棋にもそれと同じような駆け引きがあるので、状況に応じて使い分けられる複数の戦法をこなせるようにしておいたほうがいい。
p39
ミスの量と幅によって成績が決まっているのだから、「対局が続いていたので疲れていた」、「あのときはプレッシャーでおかしくなっていた」、「あれはケアレスミスだった」といった言い訳はできない。
そういう部分も含めてミスをするかしなかが技術であり、実力といえる。
p55
プロになったすべての棋士に共通しているのは、子供の頃から「尋常でないほど、のめり込める熱意を持っている」という点である。
p58
どんなこともに限界はあるかもしれないが、あきらめてしまえばその先ははい。
p80
得意な戦法は一つでもいいが、苦手は作戦はなくしておいたほうがいい。
p105
将棋というのは勝ち負けの世界なんで、負けて帰ってくれば家族も嫌なはずなのに、妻はぼくが「負けた」と言っても、いつも、次にまた頑張ってくれればいい、と思ってくれていたんです。
p134
令和の将棋界では序盤作戦で、ツーストライクを取ったあとに投げる球を見つけられるかどうかがカギを握ります。
p135
決め技を持つというのはいつの時代においても大事なことですよね。それで全部は勝てなくても六割とか七割とか勝てれば成功なわけですから。
p136
研究の重要性が高まっても、対局が始まってしまえば、最後は直感が生きてくるなど、人間同士の争いになりますからね。
p155
だからこそ、AIが将棋を変化させたことは間違いがなくても、それが進化とは言い切れない面がある。
p191
藤井七段の長所は、研究を結果に結びつけられていることだ。普通はふぉれがなかなかできない。十代のうちからこうした結果が出せているのは驚異的である。だからこそ、これからまだまだ伸びていくのは疑いない。
p209
自分で合理的だと考えていることを実行できるというのも、一つの才能といえる。