彼女たちの部屋 [Kindle]

  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • おもしろそうとは思っていたんだけど、フランスにまで手を出さないようにしたいかも、っていう謎なストップがかかっていたのが、フランスのドラマ「エージェント物語」にはまったら、フランスだっておもしろいものはおもしろい!と、フランスへの距離感?がなくなり、読んでみたらおもしろかった! 
    そもそも短いのもあるけど、あっというまに読んでしまった。

    現代、と、100年前、の二つのパートが交互に語られるんだけど、パリの有名事務所の弁護士、四十歳のソレーヌ(女性)は鬱病からの回復のため、セラピストにボランティアを勧められて、不承不承、さまざまな事情で住む場所のない女性たちの保護施設で「代書」をはじめる、っていうのが現代のパート。
    まず、個人的に、このソレーヌの、孤独感とか人生全否定みたいなところとかネガティブさとかに恐ろしいほど共感してしまった…。人を助けなくては、みたいな使命感が最初はまったくないところがよかった。
    自分を救うには他人を救うこと、っていう、奇しくもこのひとつ前の「ドクタードリトル」に書いたことみたいなんだけど、ソレーヌは、自分を救いたいから他人を救おうとするのは利己的では?、とか迷いだしたりして、そんなふうに迷うところもよかった。
    ソレーヌが代書を引き受けることで、保護施設で暮らす女性たちの事情もわかってくる。どれも悲惨な話ではあるけれど、それぞれの女性たちが個性的で、希望が見えるところがよかった。
    (……よかった、よかった、しか書いてないけど小学生の感想文か…)

    100年前のパートでは、現代でソレーヌが行くことになる「保護施設」を創設した女性ブランシュの話が語られる。彼女と結婚する男性とのロマンスがすごくロマンティックで素敵。。。

    あと、文体がユニークで、短い文章が続いて、すごく詩的な感じ。

  • ◆逆境生き抜く女性たちへの賛歌
    [評]師岡カリーマ(文筆家) 東京新聞
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/43332?rct=shohyo

    早川書房
    https://www.hayakawa-online.co.jp/smartphone/detail.html?id=000000014541&category_code=&page=1

  • 詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください。
    http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1529.html

    2020/08/08  予約  2020/10/04 借りて読み始める。
     
    読み始めたら面白い。次の展開がわからず、グイグイ読み進んでいます。

  • フランスの歴史書を開いているような感覚を覚える。
    何処の国でも皆平等… 差別意識が必要ない事を
    もっと広く伝えるべきだと思う。

  • 作品自体もさることながら、訳者あとがきとライター高崎順子さんの解説もすてき。

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著者プロフィール

レティシア・コロンバニ(Lætitia Colombani)
1976年、フランス・ボルドー生まれの映画監督・脚本家・作家・役者。刊行前から16言語で翻訳権が売れて話題をあつめた初の著作『三つ編み』は、2017年春に刊行されベストセラーとなり、フランスで85万部を突破、32言語で翻訳され、邦訳もされた。2019年5月15日に2作目の小説"Les Victorieuses"を刊行し、こちらも翻訳が待たれる。

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