文字世界で読む文明論 比較人類史七つの視点 (講談社現代新書) [Kindle]

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  • これからは、イケイケどんどんの文明が行き詰まり、民主主義とそれに対するフィードバックが重要視される、という導入から、最初は文字を切り口に、メソポタミア、エジプト、インダス、中国から説き起こし。それが空間固定型、開放空間型であるかを説き、また文明が後継されたか、されなかったかを語る。現代にわたるまで同じ文字を使い、強力な凝集性と濃密な同質性を持つ中国文明が、よく生き残ったように描かれるが、漢民族、漢族という前提が当然視され過ぎてはいないか?というのが一抹の疑問。そして、文明の諸分野において17世紀以降、主要なイノヴェーションは、ほとんど西欧世界で生み出された、と。大づかみな古代から現代までの、文明、文化史を、文字、組織、知の体系、衣食住、グローバリゼーションという切り口から語っていく。時間軸も地域も縦横に語るのであるからして、細部につっこんでもしようがないのかもしれないが、凝集性と同化力がそれほどよいものなのか、という点や、文明の水準で圧倒的劣位、というワードにも、すこしひっかかりを覚えた。//"太古の人びとにとって、この世界は、今日の我々からみれば「超自然的世界」と「自然的世界」が渾然と一体をなしたものであった。そして、この「超自然的世界」と「自然的世界」が観念上、一体をなしている世界についての体系知をもつのが、今日我々が神官と呼ぶ者であったといえよう"

  • 広く世界史を縦横に俯瞰した本。
    分野が多岐に渡るため
    自分の世界史の知識を見直してから
    もう一度読みたい。

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著者プロフィール

1947年生
1982年 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、法学博士
東京大学東洋文化研究所教授などを経て、
現 在 東京大学名誉教授

著書:
『オスマン帝国――イスラム世界の「柔らかい専制」』(講談社現代新書、1992年)
『オスマン帝国の権力とエリート』(東京大学出版会、1993年)
『オスマン帝国とイスラム世界』(東京大学出版会、1997年)
『世界の食文化(9) トルコ』(農村漁村文化協会、2003年)
『ナショナリズムとイスラム的共存』(千倉書房、2007年)
『文字と組織の世界史』(山川出版社、2018年)
『オスマン帝国の解体――文化世界と国民国家』(講談社学術文庫、2018年)
『文字世界で読む文明論――比較人類史七つの視点』(講談社現代新書、2020年)
『食はイスタンブルにあり――君府名物考』(講談社学術文庫、2020年)
『帝国の崩壊――歴史上の超大国はなぜ滅びたか』(編著、山川出版社、2022年)他

「2023年 『オスマン帝国の世界秩序と外交』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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