花降る王子の婚礼【SS付き電子限定版】 (キャラ文庫) [Kindle]

著者 :
  • 徳間書店(Chara)
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感想・レビュー・書評

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  • とても読み応えたっぷりで面白かった。
    男の身で嫁いだ王子の秘密。
    嫁をもらった王の秘密。
    そして最後に王子の実家の秘密にびっくり。
    まさかそんな秘密があったなんて。

  • めっちゃ面白かった!めっちゃ面白かった!ごめんなさい実のところ、そんなに期待して読んでなかったんです。政略結婚で事情があって王子だけど王女のふりして輿入れ。途中まで迎えに来てくれてた王がすごくいい人じゃん、男だって分かっててもそれでいいよって言ってくれて更にいい人じゃん。
    なんて、そこまでは想定内の展開(いやそこまでの描写もすごくステキだったんだけど)。
    でも、それで終わらなかった。リディルが、男であること、魔力を王に供給できないことで、申し訳ない。と思ってるんだけど、王の側にも大きな秘密があり、その秘密や周りとの状況を知るにつれて、自分がいかに王にとって無力で足枷になる存在かを思い知らされ打ちのめされる日々。
    自分の背中の傷に隠された謎。
    無力である、かえって邪魔である、王の側近にも自分の側近にも繰り返し言われてるのに「最後まで諦めない」と、体を張って王を守ろうとするリディル。もちろんただの無鉄砲ではなく、自分の持つ知識体力総動員する勇敢さがあったからこそ、呪いを解くことができた。
    すごく面白かった。結構分厚い本だけど、うーん、いや、もっと読みたい!
    yoco先生のイラストがまた、美しい。表紙も口絵も挿し絵も……画集出ないかなー! ストーリーにぴったりで!世界が広がってすごくよかった。
    ほんとによかった。
    リディルの側近イドも、王の側近で口の悪いカルカも、魅力的。

  • 絵に描いたような完璧なハッピーエンドだった。
    でも、グシオン側に愛があったから良かったけど、かなり危ない橋というか、普通なら5回殺されてもおかしくないような国家間の裏切りだよね。すぐ殺されずに魔力タンクに生かされるんじゃないか?と輿入れ道中を読みながら思ってたけど、まさか肝心の魔力が・・・。というか、父王もそういう国家事情があるなら4人と言わずに子供たくさん作っときなよ。とかBLが成立しないことを考えたりしちゃう。
    とはいえ、ハッピーエンドになる前提のストーリーという感じ(伏線というよりもはや上手くいきそうな描写が多い)でそこまでヒヤヒヤはしなかった。
    予想通りのハッピーエンドなのでも少しギリギリ感あったほうが個人的には好みかなと思うけど、世界観も良かったし、主人公も頑張るタイプで面白かった。

  • 良かったです。

    基本、魔法や魔法使いが出でくる純ファンタジーは苦手なのですが、コチラの作品はまったく抵抗がなく、最後までサクサクと読めました。
    ファンタジーなんだけど、違和感なく世界に入れて、しかもリアル感というとおかしいかもしれませんが、「現実離れ」をあまり感じなかったような気がします。

    主役カップルも好感度が高いですね。普通、身代わり結婚ものだと、攻めキャラが結構、強引タイプが多いのに、王様ことグシオンは優しくて強くて頼もしくて、理想の男性そのもの。対する受けキャラのリディルも王に負けないくらい優しくて、正義感が強い。二人が互いを想い合う姿は、素直に美しいと思えました。
    また、二人のエモーショナルなシーンも不思議といやらしさとか感じません。閨シーンを「誠実で健気」と形容している箇所がありましたが、まさにその通りだと思いました。

    物語の主題としては「運命を受け容れて、なおかつ運命に挑む恋人たち」といったところでしょうか。
    グシオン王、王妃となったリディル(王子)ともに生まれながらにして壮絶かつ哀しい運命を背負わされた二人です。そんな二人が引き寄せられるようにして出会ったのも、また「運命」であったかもしれません。
    ーどんな過酷な運命でも、自分の考え方、心の持ちよう次第で「変えられる」。
    王と王妃の美しく強い絆は、そのことを教えてくれます。128ページの王が死を覚悟して国を代表して謝罪するリディルを許し、受け容れたシーンにそれが集約されています。
    ーこれも呪いだ。何の罪もない、呪いも解けない、気の毒なそなたが余のところに嫁いで来る。呪いとはそういうものだ。運命とも、言うらしいのだがな。
    (略)
    ー余は、それを受け入れよう。

    素晴らしい作品だと思いました。

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著者プロフィール

小説家。代表作『天球儀の海』『さよならトロイメライ』『初恋をやりなおすにあたって』(キャラ文庫)、最新刊『雪降る王妃と春のめざめ花降る王子の婚礼2』(キャラ文庫)。

「2021年 『笠井あゆみイラストカードブック 旦那はんと痴話喧嘩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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